cosα法によるX線応力測定法標準
−フェライト系鉄鋼編−
Standard for X-Ray Stress Measurement by The cos α Method
-Ferritic Steels- (JSMS-SD-14-20)

編集

日本材料学会X線材料強度部門委員会

発刊

2020年2月15日

体裁

A4判80頁

定価

2,200円(本体2,000円+税)送料360円

会員特価

1,980円(本体1,800円+税)

概要

X線応力測定法は,結晶質材料の非破壊応力測定法として広く利用されている.このうち,均質等方多結晶体の応力測定法にsin2ψ法があり,広く普及している.X線材料強度部門委員会においては,X線応力測定法標準として鉄鋼編(JSMS-SD-5-02),セラミックス編(JSMS-SD-1-00),鉄鋼編英文版(JSMS-SD-10-05)をそれぞれ刊行している.
cos α法は,斜入射による単一の露光で応力が測定できる優れた方法であるが,日本で初めて提案された1978 年当時はX線写真法しかなかったことから,測定の精度と効率が問題となり広く利用されることがなかった.しかし,近年のX線2 次元検出器の進歩はめざましく,測定の精度と効率の問題はもはや過去の話となっており,X線応力測定法に2 次元検出器を利用した新たな時代が訪れている.
2次元検出器を利用したcos α法によるX線応力測定法は,単一入射で計測した回折環から応力が決定できる手軽で効率的な手法であり,現場での多点測定にも適している.そのため,近年,残留応力の測定例が,国内外の専門誌や学会誌,講演会,国際会議などで多く発表されるようになってきた.
この情勢を鑑み,X線材料強度部門委員会では,構造材料の中で最も利用頻度と要求度の高いフェライト系鉄鋼材料を対象にしたcos α法による応力測定法の標準的方法を目指して,2015年から活動を開始し,ラウンドロビンによる共通測定などを通して,本標準の刊行に至った.
本標準は第T部の本文では,測定方法や応力算出手順について,わかりやすく,具体的に記述し,初めてcos α法による応力測定を行う初心者の方にも信頼度の高い測定を行うためのマニュアルとして利用できる.また,第U部ではcos α法の測定原理について詳細に解説されており,測定手法に対する理解を深め,さらに広く活用するための有効な手引きとなる.
2次元検出器を利用したX線応力測定標準は,世界で初めてであり,日本がその先駆的役割を担っている.本標準を活用して優れた残留応力の評価を行い,その真価を世界に広めていただきたい.

目次
第I 部cos α法によるX線応力測定法標準
フェライト系鉄鋼編 本文
  第1 章 総 則
第2 章 測定法の一般的事項
2.1 測定原理
2.2 測定法
2.3 測定条件
2.4 応力値算出法
2.5 測定装置
2.6 測定手順
第3 章 フェライト系鉄鋼材料の標準的測定法
3.1 測定対象
3.2 特性X線と回折面
3.3 X線的弾性定数
3.4 応力値の算出
第II 部 フェライト系鉄鋼編 解説
第4 章 総 則
第5 章 測定法 一般的事項
5.1 測定原理
5.2 測定法
5.3 応力値算出法
付録A X線的弾性定数と応力定数の測定法
付録B 持ち回り測定
付録C 零応力の検定

申込方法

A4用紙に「cosα法によるX線応力測定法標準−フェライト系鉄鋼編−」購入希望とし,部数,必要書類,会員・非会員の別,送付先,電話番号を記入の上,FAXまたは,電子メールで下記へお申し込みください.

申込先

〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町1-101
日本材料学会 出版部
FAX(075)761-5325   E-mail: jimu@jsms.jp