材料強度の確率モデル
Probabilistic Models on Materials Strength


ISBN:978-4-901381-39-0

編  集:(公社)日本材料学会信頼性工学部門委員会

体  裁:B5判 ソフトカバー 462ページ

定  価:13,200円(本体12,000円+税)

会員特価:10,560円

送  料:1冊360円




概 要
 各種機械・構造物の開発にあたり,部材の強度や安全性を確保することは機械設計の基本であるが,構造用材料の強度は一般に固有のばらつきを有しており,これを理論的に解釈する種々の確率モデルが,これまで多く提案されてきた.このような分野の国内外の研究論文を組織的に収集・整理して,先に蒲{賢堂出版の月刊誌「機械の研究」[48巻7号(1996)〜53巻11号(2001)]に長期連載講座「材料強度の確率モデル」が掲載された.
 本書は,上記連載講座の執筆者52名の協力を得て,連載講座終了後の最新の成果も網羅するように配慮しながら,同一書名の単行本として再編集したものである.執筆者は,その専門分野から推察されるとおり本会信頼性工学部門委員会に所属されている方々が多く,折しも本会の創立60周年の節目とも合致しており,信頼性工学部門委員会(委員長:神奈川大学 中易秀敏教授)から創立60周年記念事業の一環として起案し,単行本「材料強度の確率モデル」の形で出版することになった.
 文献収集のための第1回目の会合は1982年12月に開催されており,連載講座も月刊誌に5年以上の長期にわたり連載されたもので,実に30年の期間を経て実現した単行本の出版であり,長期にわたる多数の執筆者ならびに編集委員各位のご尽力の賜物である.

 本書の編集委員は[編集幹事:酒井達雄(立命館大学),木村雄二(工学院大学),編集委員:中島正貴(豊田高専),境田彰芳(明石高専),上野明(立命館大学),中村裕紀(豊田高専)の6名であり,執筆者は以下の52名におよぶ大作である.
 赤間誠,秋庭義明,池田清宏,石塚弘道,石原外美,磯西和夫,井上彰夫,今川博之,岩谷隆史,上野明,大見泰明,岡田憲司,岡部永年,小熊規泰,越智保雄,皮籠石紀雄,北村隆行,木村雄二,合田公一,後藤真宏,酒井達雄,境田彰芳,坂本英俊,佐久間俊雄,首藤俊夫,白鳥正樹,菅田淳,滝晨彦,武村浩道,多田直哉,田中泰明,谷周一,谷本敏夫,坪井学,徳納久睦,中島正貴,中西真悟,中村裕紀,中易秀敏,西川出,西島敏,長谷川典彦,藤原源吉,藤満達朗,星出敏彦,前川善一郎,南二三吉,三橋博三,三輪昌隆,森保宏,干 強,吉田敏雄

 本書の内容を紹介するために,章構成と大見出しを以下に紹介する.材料強度学,信頼性工学,機械設計,材料科学などの分野における専門書・参考書として,幅広くご利用頂ければ幸いである.
 
 
目  次

第1章 歴史的に見た確率モデルの基礎概念

第2章 確率モデルの基礎理論
  2.1 極値理論
  2.2 確率過程論
  2.3 シミュレーション

第3章 金属材料における種々の破壊現象と確率モデル
  3.1 静的強度
  3.2 疲労破壊
  3.3 環境強度
  3.4 クリープとクリープ疲労

第4章 先進材料の破壊と確率モデル
  4.1 複合材料の確率モデルの基礎
  4.2 複合材料の疲労残留強度モデル
  4.3 一方向繊維強化複合材料の強度発現モデル
  4.4 セラミックスの静的破壊強度特性
  4.5 セラミックスの静疲労・繰返し疲労特性
  4.6 セラミックスの保証試験
  4.7 セラミックスの強度・寿命のばらつきの評価法
  4.8 コンクリート構造物強度の統計的様相

第5章 機械要素・実機の破壊と確率モデル
  5.1 機械要素
  5.2 溶接継手
  5.3 はんだ接合部の熱疲労信頼性

第6章 化学プラント・ガス機器の破壊と確率モデル
  6.1 化学プラント
  6.2 ガス機器

第7章 交通機械の破壊と確率モデル
  7.1 鉄道車両
  7.2 自動車
  7.3 船舶
  7.4 航空機

第8章 システムの信頼性評価
  8.1 構造システムの破損確率
  8.2 もう一つの尺度となる安全性指標
  8.3 標準化空間での安全性指標
  8.4 システム信頼度

第9章 データベースの有効利用
  9.1 材料強度データベース構築の現状
  9.2 データベースの利用と確率モデル
  9.3 データベースの重要性と今後の課題

第10章 確率モデルの今後の展開
  10.1 材料強度の確率モデルの成立
  10.2 確率モデルの課題と今後の展開


 
申込方法
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