岸本 哲氏(第62・63期庶務理事)コラム

2014年〜2015年

鮎釣り解禁

各地で鮎釣り解禁のニュー スを 聞きます。 私が幼少のころ、四十数年前は、釣り糸と言えばナイロンでした。 当時は万能に思え たナイロンですが、吸水劣化するそうです。 今でもナイロンは使われていますが、フロロカーボン、メタル、 フッ素をコーティングしたナ イロンなど、新素材も多く使われています。 ちなみにメタルとはニッケルーチタン系超弾性合金細線だそうです。

鮎釣り解禁

2,3年前茨城県北部の 久慈川の簗場にアユ料理を食べに行きました。梁近くの川 魚料理には昔の漁具が展示してありました。魚を入れる魚籠、釣り竿や竹どうは 当たり前としてアユの友釣り用の引き舟や太鼓型のリールまで竹でできていまし た。そういえば簗も竹でできています。竹は自然の傾斜機能型の複合材料と言わ れておりますが、昔の方々の材料を上手に使う知恵を感じました。

鬼怒川

鬼怒川というと皆様は鬼怒川温泉を思い出すかもしれません。この川、利根川の 支流で有りながら、栃木県最大の河川です。今でこそ治水が上手くいき洪水は起 きませんが、その昔は「鬼」が「怒」る「川」と書くほどの暴れ川でした。栃木 県内を東に向かって流れ、東北本線氏家駅(今のさくら市)付近で南に向きを変 えます。この付近は堤防が2重になっていた り、河川敷を広く取ってあり、大雨 の時は大変であったろうと想像いたします。

釣り竿

今まで幼少のころの釣りと道具の話をして参りましたが、ふと釣り道具屋をのぞいてみました。 釣り竿はほとんどがカーボン系のFRPばかり・・・。 長さ10mの友釣り用の竿がわずか200g、 片手で簡単に(?)操作できるようです。 竹竿はないかと探してみると、お!ありました。鍵のかかったケースの中にへら竿(ヘラブナ釣り用の竿)です。 価格は・・え!10万円!?

釣り用の錘(おもり)は色々な物があります。今でこそ、樹脂で包まれていたり鉄製の錘もありますが、 昔は全て鉛製でした。その中に噛み潰し(今でいうガン玉)いうのがありました。使い方は、その名の通り、 歯で噛み、つぶして、糸に固定したのですが,材質が鉛なのです。今思うと恐ろしいことをしておりました。 幸い、その頃の釣り仲間はみんな無事生きているようです。今は専用のペンチで固定します。

科学・夢ロードマップ

日本学術会議 第三部におきましては理学・工学系学協会連絡協議会と連携して、 「理学・工学分野における科学・夢ロードマップ2014」を作成いたしました。 この中の「材料工学の科学・夢ロードマップ」作成には当材料学会も大きく貢献いたしました。 これに関しますシンポジウム、「理学・工学分野における科学・夢ロードマップ2014」が 以下のように開催されます。お時間のある方はどうぞ。
日 時:2014年9月26日(金)13:30〜17:30(受付13:00開始)
会 場:日本学術会議 講堂(東京都港区六本木7-22-34)
参加費:無料、参加申し込み不要
詳細はhttp://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/198-s-3-1.pdfをご覧ください。

釣り糸

我が家には30号という直径が0.9mmほどあるナイロンの釣り糸が一巻き、50mくらいあります。 巨大魚用の釣り糸ですが、魚を釣るためではなく、子供の夏休み自由研究(工作だったかな)の 光ファイバーとして購入しました。しかし、子供の興味が別の方にいってしまい、日の目を見ませ んでした。さて、このまま劣化させるのももったいないので、マグロでも釣りましょうか。

鰹の一本釣りの竿

50年ほど前、茨城県の那珂湊の漁港で鰹一本釣りの漁船を見ました。 漁船には多くの竿が積んでありましたが全て竹竿でした。もちろん一本釣り用の竿です。 太さは物干し竿くらい、今では全てカーボンファイバーになってしまっていますが 当時は丈夫でしなりがあり最適だったのでしょう。でも、数キロはある竹竿を使いこなしていた 漁師の方はどんな腕っ節をしていたのでしょうか。

竹の六角竿

私が最初に手にした海釣りのセット(リール)の竿は竹製の六角竿でした。 竹を縦に割って正三角形に削り、これを6本、繊維の多い方を外側にして束ねる と 正六角形になり、細くて丈夫な釣り竿になるわけです。天然の複合材と呼ぶべきでしょうか。 強度もそこそこあったのではないでしょうか。 地球上で一番巨大な物(地球)を釣り上げようとしても、糸は切られましたが折 れませんでしたから。

ウキ

魚釣りではあたり(魚がえさに食いついたかどうか)を取るのにウキを使います。またウキ下の長さで魚のいる深さにえさを沈めたり、ウキの重さでえさのついた針を遠くに飛ばしたり針のある位置を示す目印にしたりするのでので、重要な役割を持っています。今ではほとんどプラスチックになってしまいましたが、今でもクジャクの羽で作ったウキは数万円はするそうです。

道糸とハリス

大抵の場合、釣りでは針についている糸をハリス(なぜかカタカナ)、竿先あるいはリールからハリスまでを道糸といいます。大抵はハリスつきの釣り針を買いますが、こだわる方やルアーを使う方は自分で結びつけます。ハリスは道糸と同じ材質(ナイロン)で、直径(強度)を小さく(低く)して魚の食いを良くし、また針が引っかかったときにハリスが切れるようにするのですが、今は材質まで変える方もいらっしゃるようです。

釣り針

釣り針ですが、材質は鉄でしょうか。濡れたままにしておくと錆てしまったものです。 大物を釣り上げたときに(針の大きさに対してですが)少し変形したり、地球を釣ったときは見事に折れたりもします。 おそらくは盆栽用の針金のような軟鉄ではなく、炭素を含有する「鋼(はがね)」の針金から加工し、熱処理をしているものと思われま す。 金色のものはメッキでしょう。 安物と高級品の差はよくわかりません。

糸の結び方

釣りをするとき、道糸とハリスを繋げるときには大抵はハリス止めというものを使います。 これを使わずに結ぶときに普通の横結び(団子結び)をするとナイロン糸の場合は摩擦係数が低い(透明性を保つため表面がつるつる)のです るり と抜けてしまいます。 言葉での説明は難しいのですが、糸の端ごとにお互いの糸を通した後に結び目を造り、引っ張ると結び目同士がひっかかって外れなくなりま す。 道糸とハリスの先端に輪を作り、輪ゴムを繋げるようにする方法もあります。 子供のころ父親から教わりました。 今となれば良い思い出です。

古代の釣り針

石器時代、縄文時代の貝塚からは鹿の角や動物の骨で作った釣り針が出土するようです。 実際に実験考古学では鹿の角を輪切りか、短く切って縦割りにしてこれから釣り針の形に削り出すそうです。 どんなに小さくても2〜3cmほ どあるわけで、自ずと捕れる魚の大きさは決まってきます。 小さな魚は指をくわえて見ていたのか、網か何かで捕ったのでしょうか。それとも素手?

古代の釣り2

先日、古代の釣り針の話をいたしましたが、太平洋側の貝塚からは貝殻の他に、タイ、マ グ ロ、サメ、クエ(高級魚)、カツオなどの骨が出土するそうです。 鹿の角や動物の骨で作った釣り針で釣るのですから、口の大きな魚であることはわかりますが、マグロをどうやって釣ったのでしょうか。 釣り針は折れないのか?、釣り竿や釣り糸の材質は?強度は?、魚とのやり取りなど、古代釣りロマンと材料の研究者としての思いが交錯します。

糸の結び方

釣り針と糸を結びつけるのに外掛け結びという結び方があります。 片手に針を持ち、もう片手で糸を巻き、色々あってから糸の両端を引っ張るのですが、巻 いた 糸と針を片方の手で持っているので手が足りません。 そこで出てくるのが歯です。奥歯で糸の端をしっかりと噛み、片手で巻いた糸を押さえ、もう片方の手で糸を引っ張ると糸はしっかりと締 まり ます。 噛みつぶしのところでも申し上げましたが、丈夫な歯はペンチの代わりをしてくれます。

ペットボトルの魚籠(びく)

今から十年くらい前でしょうか。どなたかのホームページに2リットルのペットボトルで 魚を 入れる魚籠の作り方が載っておりました。 早速作ってみるとなかなかの物で友釣り用の引き舟みたいな感じです。 子供がめざとく見つけ、夏休みということもあり、すぐに釣りに行くことになりました。 夏の暑い日で、小物は良く釣れたのですが、大物用にと持っていったバケツは日の目を見ませんでした。

えさ(川釣り編)

川釣りでは黒川虫、チョロ虫、水が濁っているときはにおいの強いキジ(シマミミズ)を 使い ます。 私が子供のころは、黒川虫(ヒゲナガカワトビケラの幼虫)、チョロ虫(ヒラタカゲロウの幼虫)は現地調達(河川の中流域までならば石 の下 にいます。チョロ虫はすぐ逃げますが黒川虫は石で巣を作っているのですぐにとれました。 キジはゴミ捨て場で探しました。)今では、チョロ虫とキジは、釣具屋さんの冷蔵庫に眠っています。 黒川虫は保存ができないので疑似餌(色、感触ともなかなかの物です)に姿を変えて店頭に並んでいます。

えさ(海釣り編)

海釣りはあまり得意ではないのですが、子供達に海の魚を釣らせるのであれば漁港の 底物(カレイなど)を狙うのが一番です。 ゆっくりリールを巻いていると小さなカレイは良くかかります。 ゴカイやイソメをえさにしますが、これも砂浜を掘れば見つかるのですが面倒なので釣具屋さんで買います。 生きているまま買えるのですが、生きているゴカイはかみつきます。

ザリガニ釣り

ほとんどがアメリカザリガニですがザリガニ 釣りも数多く釣れるので楽しめます。 田んぼの中にもいますし、用水路の川の泥の 中にいます。よどんだ流れの中でぷ くぷくと泡が出ているところがポイントで す。餌はするめが定番ですがレバーで もミミズでも釣れます。物陰に餌を引っ張り 込んでから食べるようなので、少し 食べ出したころを見計らって竿を上げます。 早すぎると餌を離してしまうのです が、食べ出すと食い意地が張っているのか餌 を離しません。人間と似たようなと ころもあります。

ザリガニ釣り2

ザリガニをつり上げるとき、大抵餌をはさみで挟んだまま釣れるので途中ではさみを離し て 落っこちます。 水の中に落ちるとあっという間に逃げていきますが、あぜ道に落ちて、正面切って対峙すると、足で立ち上がり、 上体を反らしてはさみを高く振りかざして威嚇してきます。 怪獣エビラ(映画のゴジラの相手)の様ですが後ろから捕まえれば、はさみは後ろには届きませんのでこっちのものです。

にらむし釣り

幼少のころ、「にらむし釣り」をしました。日当たりの良い 畑のあぜ道のわきに 直径2〜3mm位 の穴が開いています。2,3p の深さがあります。ここに「韮(にら)」 の葉っぱを差し込むと何かがかみついた感触があります。やおら「韮(にら)」を 引っ張り上げると10-15mm位の小さな白い虫(姿形は少しやせたモスラの 幼虫)が 喰らいついています.ハンミョウという昆虫の幼虫だそうですが、なぜ、釣れるのでしょうか。

にらむし釣り2

前回「にらむし釣り」の話をいたしましたが、この「にらむし」、決して「韮(にら)」の 葉が好き、というわけではないようです。ほかの雑草や野菜の細長い葉っぱを穴に突っ込んでも、 「にらむし」は噛みついてきます。どうも葉っぱを侵入者(虫)と思い込み噛みついて 追い出そうとしているようです。でもなぜハンミョウの幼虫を「にらむし」というほど 韮がそこにあるのでしょうか?

にらむし釣り3

前回、前々回と「にらむし釣り」の話をいたしましたが、この「にらむし」は日当たり のよ いところに穴を掘って巣を作ります。 畑を耕すとすべて掘り起こしてしまいますから、あぜ道の巣だけが残ります。 さて、なぜ都合良く「韮(にら)」がそこにあるかですが、これはモグラ対策だそうです。 韮の独特な臭いをがモグラが嫌がるからだそうで、畑をぐるっと取り囲むように(あぜ道の横にも)韮を栽培します。 と必然的に「にらむし」の巣の近くには「韮」の葉っぱがあるわけです。

あんま釣り

小学生中学年高学年になると泳げるようになり、鬼怒川などの大きな川に釣りに行くようになりました。夏の日の日中、時間的につれなくなるときがありますが、このときは水泳パンツ一つになって川の中に入り「あんま釣り」というのをやります。1から2mの仕掛けを短い竿につけて前後に動かすだけです。仕掛けは次回のコラムで・・。

あんま釣り2

私 のフィールドの鬼怒川では30pくらいの短い竿に2mほどの道糸、その先に針をつ けていました。 重めの重りをつけてえさを沈めるのです。川底に落ちる前に竿を前に引き、えさを浮かします。 えさが踊っているように見せるためです。 これが栃木県北部の那珂川になると1mから1.5mの竿に同じ長さの道糸をつけ竿先 を水の中に入れて竿を前後させます。 理由は同じですが、でもどうして釣れるのでしょうか?

あんま釣り3

過去2回紹介いたしました、簡 単に 釣れる「あんま釣り」ですが、竿の操作以外にもう一つ、やるべきことがあります。 足で川の石を少し動かしながら下流に移動します。石の下についている黒川虫、チョロ虫が川の中に流れ出し、それをねらって魚がやって きま す。 この中に釣針のついた、おいしそうな黒川虫がいるわけです。 夏休みの川原でのキャンプに飽きたら、試してみてはいかがでしょうか?

最上川

第64期日本材料学会通常総会・学術講演会に参加いたしました。発 表日、山形大学工学部へ 米沢駅より歩きました。途中最上川(松川)に架かる万里橋を渡るときにふと足を止めました。 周りの雪の残る山々の美しさのみならず、川にも興味を持ちました。橋の上流側に堰があり、 その前に魚路、その下流にチャラ瀬がありさらに下流には早瀬があってその先にトロ場が ありました。一瞬、釣り具があればという思いがよぎりました。

最上川2

最上川(松川)の万里橋の上で思ったことですが、チャラ瀬にはえさとなる川虫がいます。 その川虫が流れて来るのをトロ場で魚が待っているのだろうな・・・。早瀬の終わりに餌を 打ち込み、トロ場まで仕掛けを流せば、突然浮きが沈み、竿を上げると、ググググという 魚の感触が伝わってくるのかな…。という白昼夢を見ながら、朝2番目に自分の発表がある ことを思い出し、後ろ髪を引かれる思いでその場を離れました。

最上川3

最上川(松川)の万里橋を渡り切ったところで気が付きました。日曜日なのになぜ誰も釣りをしていないのだろう?米沢の人は釣りに興味がないのかな?鮎釣りの解禁前からかな?と思いながら会場まで歩きました。ちなみに、鮎以外の魚を獲るときも入漁料をその川の漁業協同組合にお支払いする必要があります。たいていの場合入漁券あるいは遊漁券を近くの釣具屋さんで買います。

最上川4

会場の山形大学工学部から帰る途中で、最上川(松川)の万里橋の近くで 地元の人に伺いましたところ、誰も釣りをしていない理由がわかりました。 魚がいないからだそうです。上流の工場から有毒物質が流れ出てしまい、 一旦、川の魚がすべて死滅してしまったとのことでした。そういえば堰に ある魚路には遡上する鮎もそれを狙うカワウもいませんでした。 川の浅瀬に立ち、じっと魚を狙うシラサギもアオサギもいませんでした。

最上川5

最上川 (松川)の上流の工場で有毒物質が流れ出て、魚が死滅して しまってとのことを聞き、 一瞬、神通川流域のイタイイタイ病や水俣病などの公害が頭に浮かびました。釣りの事ばかり考えていた自分に嫌悪感を抱いているところ で す。 自然の回復力を信じ、いつの日かこの川を訪れ、良い釣果が得られることを信じて米沢を後にいたしました。 来年の総会は北陸信越支部とうかがっております。 かの神通川も今では魚影も濃く鮎釣りで有名な川になっております。