「地盤改良に関わる技術認証制度」による技術評価証授与 第1010号
技術名称:重金属吸着不溶化材「フィックスオール」


 

評価証明技術
技術名称: 重金属吸着不溶化材「フィックスオール」
依 頼 者: 石原産業株式会社
認 証 日: 平成21年8月17日
      平成26年8月17日(第1回更新)

〔開発の趣旨〕
硫酸法酸化チタン製造過程で発生する副産物(硫酸鉄溶液)を有効利用し,重金属吸着不溶化材「フィックスオール」を開発した.従来の重金属等不溶化技術にはセメント等の固化による不溶化やキレート樹脂による不溶化等があり,不溶化の効果は認められるものの不溶化後の土壌がアルカリ性を呈したり,不溶化可能な重金属等の範囲が限定される等の問題があった.本開発においては,重金属汚染土壌または汚染地下水や工場排水に対して,pHが中性域で安全且つ容易に吸着・不溶化が可能な材料を提供し,環境汚染の低減を目的とした.また,掘削除去される汚染土壌に対しても処分場への搬出時や搬入後の安全性確保の観点から,安価で高性能な重金属不溶化材を提供することを目的とした.

〔技術の概要〕
フィックスオール [登録商標第5005494号](旧名称:フェロフィックス)は硫酸法酸化チタン製造過程で発生する副産物(硫酸鉄溶液)の有効利用を検討する中で開発に至った重金属吸着不溶化材である.フィックスオールは酸化鉄および硫酸カルシウムを主成分とし,超微粒子で低結晶性の酸化鉄を有し,汚染地下水や工場排水あるいは土壌に含まれる重金属(砒素:有機砒素を除く,セレン,カドミウム,鉛)を吸着・不溶化することが可能である.

〔開発の目標〕
(1)  汚染地下水や工場排水・汚染土等に含まれる砒素(有機砒素を除く),セレン,カドミウム,鉛を吸着・不溶化することにより,汚染水の濃度または土壌溶出量を環境基準以下にすること.
(2)  フィックスオールから有害重金属等(砒素,セレン,カドミウム,鉛,水銀,六価クロム,ふっ素,ほう素)が土壌環境基準を超えて溶出しないこと.

〔技術評価〕
技術評価委員会により,評価証明の方法に照らして評価した結果,「フィックスオール」は開発目標に相応する性能を有することが証明された.詳細については,同技術の技術評価証明報告書に記載されている.

問合せ先
公益社団法人 日本材料学会(TEL: (075) 761-5321  FAX: (075) 761-5325 E-mail: jimu@jsms.jp
石原産業株式会社  (TEL: (059) 345-6190 FAX: (059) 345-6138  E-mail: y-hirai@iskweb.co.jp)