「地盤改良に関わる技術認証制度」による技術評価証授与 第1016号

技術名称:鉱物油汚染土壌対策工法「オイルバクット工法」

 
 
≪評価証明技術≫
技術名称: 鉱物油汚染土壌対策工法「オイルバクット工法」
依 頼 者: 大和ハウス工業株式会社
認 証 日: 平成26年9月10日(認証期間5年間)

≪開発の趣旨≫
 鉱物油(以下、油という)は土壌汚染対策法の特定有害物質には指定されていないが、環境省により定められた「油汚染対策ガイドライン」では、油汚染地の油臭・油膜が生活環境保全上において問題であると言及されている。さらに、土地取引の際には特定有害物質同様に買主から油分濃度の低減を求められるのが現状である。
これらの対策として、掘削除去による汚染土壌の搬出が一般的であるが、高額な費用や二次汚染リスクなどの問題点がある。また、従来のバイオ浄化技術では、油分濃度を低減できるものの、迅速に油臭・油膜を低減することが難しく、すぐに土地売買や土地活用ができない場合がある。油汚染の現場で最も問題となる油臭・油膜の対策としては、土壌に混合して油を吸着させるセルロース系の油吸着材が市販されているが、油臭・油膜を迅速に低減するには至っていない。
そこで、本開発においては、低コストで迅速に油汚染土壌の油臭・油膜を油と判別できなくなるまで低減し、油分濃度を低減する技術の開発を目的とした。

≪技術の概要≫
オイルバクット工法(以下、本工法という)は、鉱物油(以下、油という)汚染土壌で問題となる油臭、油膜および油分濃度の低減を目的とした油汚染土壌対策工法である。
本工法は、油の吸着に適した活性炭と、分解能力に優れた油分解菌を含むバイオ資材を組み合わせて油汚染土壌に混合することで、迅速に油臭・油膜を油と判別できなくなるまで低減するとともに、油分濃度を低減するものである。
従来のバイオ浄化技術では、迅速に油臭・油膜を低減することが難しく、すぐに土地売買や土地活用ができない場合があるが、本工法ではその問題がない。また、活性炭が迅速に油臭・油膜を低減することにより、浄化処理後はもちろん、浄化処理開始直後から油臭・油膜の発生を防止・低減できるという特徴がある。
この特徴により、従来技術の問題点であった、浄化期間中の近隣への油臭や油膜の拡散や、作業環境の悪化のリスクを低減することができる。
なお、活性炭による「油臭・油膜の低減」とは、油臭・油膜が油と判別できなくなるまで低減することと定義する。

≪開発の目標≫
(1) 灯油、軽油、A重油、機械油で汚染された土壌の油臭・油膜を油と判別できなくなるまで低減すること。
(2) 灯油、軽油、A重油、機械油で汚染された土壌の油分濃度を1,000 mg/kg以下まで低減すること。

≪技術評価≫
技術評価委員会により,評価証明の方法に照らして評価した結果,「オイルバクット工法」は開発目標に相応する性能を有することが証明された。詳細については,同技術の技術評価証明報告書に記載されている。

≪問合せ先≫
公益社団法人 日本材料学会(TEL:075-761-5321  FAX:075-761-5325 E-mailjimu@jsms.jp)
大和ハウス工業株式会社  (TEL:0742-70-2142 FAX:0742-72-3061  Email:kaz-yoshi@daiwahouse.jp)