会報 「地盤改良に関わる技術認証制度」による評価証明技術の更新認証のご紹介

技術認証制度について

日本材料学会では「技術認証制度」を行っています。本制度は材料学に関する広範な技術について,本学会としての客観的な立場から個別技術を公正かつ厳正に評価し,所定の基準を満足する技術についてはこれを本学会として認証し,当該技術の社会への応用を支援することで材料学の進歩に寄与することを目的としたものです。現在,地盤改良部門委員会を中心に「地盤改良に関わる技術認証制度」を行っています。なお,本制度により評価証明された技術は,依頼者の要望があれば,認証期間(5年間)における利用実績等の審査を実施し,その有効期間を更新(延長)することができます。

〔地盤改良に関わる技術認証制度〕

本技術認証制度は,「技術,工法について公平かつ適正に評価することで,技術開発の活力の向上をはかり,それらの建設現場への迅速な活用普及をはかり、もって技術水準の向上に資する」ことを目的としています。技術評価証明の対象は,@地盤改良技術に関わる新素材,新材料 A地盤改良に関わる技術または工法 B汚染地盤の診断技術,汚染地盤修復技術 C廃棄物の地盤材料としてのリサイクル技術 です。


更新認証された評価証明技術

技術名称:  地盤改良注入材「シラクソルーUF」
依 頼 者:  ライト工業株式会社
認 証 日:  平成13年8月10日
平成18年9月15日(第1回更新)
平成23年8月10日(第2回更新)
平成28年8月10日(第3回更新)

開発の趣旨

従来の地盤改良注入材のうち、水ガラスと硬化剤を組み合わせた溶液型の注入材は、地盤への浸透性は高いが改良強度が1.0MN/m2 程度までと低く、また耐久性も十分でなかった。一方、セメント系の懸濁液型または半懸濁液型の注入材は高い強度が得られるものの、超微粒子セメントを用いた場合を除いて地盤への浸透性は低い。このような従来の注入材の欠点を改良するために、ゲルタイムの調整が容易にできるとともに高い浸透性を有し、注入後は高い強度と耐久性のある固結土に改良できる地盤改良注入材の開発をめざした。

技術の概要

シラクソルーUFは地盤改良のための懸濁型の注入材で、注入時に高い浸透性を有し、固結後の強度や耐久性についてはセメント系注入材による改良土と同等を目標とした。主材には急冷スラグ高微粉末(SK-U)を用い、硬化の促進のためにアクセルUを、ゲルタイムを調整するために分散剤を用いている。

開発の目標

(1) ゲルタイムは分散剤の種類と添付量を変化させることで数分から数時間に調整できること。
(2) 対象土への浸透性は超微粒子セメントと同等以上であること。
(3) 豊浦砂を使用した固結土の一軸圧縮強さは1.0〜5.0MN/m2 程度が得られること。
(4) 豊浦砂を使用した固結土は、土中および水中においても強度と浸透性の経時的変化がなく、セメント系注入材と同等以上の耐久性を有すること。

技術評価

技術評価委員会により、評価証明の方法に照らして評価した結果、「シラクソルーUF」は開発目標に相応する性能を有することが証明された。詳細については、同技術の技術評価証明報告書に記載されている。

問合せ先

公益社団法人 日本材料学会(TEL:075-761-5321 FAX:075-761-5325 E-mail:jimu@jsms.jp)
ライト工業株式会社(TEL:03-3265-2551 FAX:03-3265-0879)