公開部門委員会 第295回木質材料部門委員会

主催

日本材料学会 木質材料部門委員会(後援 産総研コンソーシアム持続性木質資源工業技術研究会)

会場

京都テルサ 東館3階C会議室(ROOM7)(京都府京都市南区東九条下殿田町70)

日時

平成29年10月11日(水)14:30〜16:30

主題

バイオリファイナリー・再構築による新規木質工業材料開発の試み

趣旨

生物資源である木材・木質系材料は,複雑な微細構造・組織構造に加えて個体や部位によるそれらの違いを持つため,各種処理条件や得られる製品物性を一概に判断することは非常に困難である.このことが,信頼性を重視する工業技術や材料開発において大きな障壁ともなっている.
本公開部門委員会においては,木質バイオマス資源の工業材料化を目指すうえで,バイオマスを構成する成分や組織構造を巧みに利用する技術開発に関する最新の話題を提供していただくことによって,上述の課題に対してどのようなアプローチが可能か考える機会を設けました.関連分野の研究者,技術者の方々をはじめ,本分野に関心を持つ多数の方々の参加をお待ちしております.

プログラム

  1. 「リグニンからの有用化学物質生産」(14:30 - 15:20)

    京都府立大学大学院生命環境科学研究科
    環境科学専攻 森林資源循環学研究室
    宮藤 久士 氏,細谷 隆史 氏

    概要:木材の20〜30%を占めるリグニンは,莫大な賦存量がある芳香族化合物ではあるが,工業用原料としての利用は進んでおらず,そのほとんどが焼却され,熱回収が行われている.
    本講演では,我々の研究グループで進めているリグニンを低分子化することで,高付加価値物質であるバニリン類を生産する,新たな技術開発について概説する.

  2. 「セルロース系増粘剤を活用する木質繊維の三次元成形」(15:30 - 16:20)

    三重大学 大学院生物資源学研究科
    木質分子素材制御学研究室 野中 寛 氏

    概要:木材は主たる加工法が切削と接着であり,自由に成形できず,リサイクルも難しいことが弱点である.本講演では,木材を一度繊維化し,セルロース系増粘剤と巧みに混練撹拌することによって,石油系樹脂を使わずして木質繊維の押出成形やプレス成形を実現し,多様な形状の木質材料へと再構築する取組について紹介する.

参加費

無料
なお,参加の事前登録は致しませんので,参加ご希望の方は当日会場にお越しください.