北村隆行氏(第63・64期会長 第65・66期監事)コラム

2021年

コロナGW

誰もいない大徳寺の境内を歩く。 自転車をぶっ飛ばしていた高校の頃と 同じ木立と堂の間を。

キッシンジャー

回顧録 中国 (岩波現代文庫)を読んでいる。 若い頃の記事が歴史になっていることを想いながら。 前向きの世界観を持ちたい。

材料力学

基盤の力学は同じでも、動力が変われば世界は変わる。 それが学術の方向を変えるのは、工学の宿命。 先を見つめる目が欲しい。

ならびがおか

木漏れ日の中、ひとりピクニック。 サラダ、唐揚、海鮮巻、、、ロング缶。 輝の向こうの双ヶ岡。

美容院店先のボード

ワクチン打っておくれやす。 もう待てまへん。

見つけた

散歩の途中で入った北山通の焼肉屋さん。 看板に魅かれてtake-outして妻と楽しむ。 晴れ間の陽、、、コロナ収斂まで頑張って。

友よ 藤山一成氏へ

高校三年間の同級生、大学、学科、研究室も。 話しぶり、身ぶり、手ぶり、考え方 自分独り残されてゆくような。

清風荘と近代の学知

頂いた本を読んでいる。(京都大学学術出版会) 京都大学にある重要文化財。 大学ができたころの界隈を眼の中に描きながら。

寿命?

冷蔵庫内の灯が消えている。 長くお世話になったからなぁ。 トントンとたたけば灯る気がするのは、自分の身体と同じ程度の不具合か?

紫野の丘辺

深緑を慕う心、都の人々を葬った歴史、船岡の辺り。 高校時代は歌ったことのなかった母校校歌3番の情景です。 今になって心に浮かび、一人登って南の街をみています。

三階会議室

講習会講師として学会本部へ。 何年ぶりだろうか、周辺の景色の変化に驚きながら。 なかの空気は同じで事務長のお顔を見て一安心、かつての部門活動がよぎります。

経済安全保障とストレッチ

先進のためには学術、そしてオープン化が第一です。 一方、技術を高く保つためにはオリジナリティの保護も大切に。 攻守の相克はゲームの戦略そのもの、硬くなりすぎてはいけません。

ピンヒール

お洒落な某先生の足元。 子供の頃に母のを履いてみたっけ。 階段はどのように降りるのだろう。 よけいなお世話です。

心構え

練習は一番下手なつもりで。 試合は第一人者の気合で。 研究も同じ修練ですね。

念の力

アルコール飲料の表、糖質の量を睨んでいます。 日本酒が下がるようにと念じますが、健康ハンドブックの数値は変わりません。 誰か良い手を研究してください。

夏到来

祇園囃子が街中を巡ることのない7月再び。祭りが過ぎると夏が来る。 疫病退散、疫病退散は、古今の町衆の望み そして、社会が変わる契機となるならい。

三浦按針

大西洋、太平洋、死線を越えた艱難の経験と幸運。 徳川家康に重用された識見、国際性、誠実。 全てを出し尽くした一期であったろう。     [ウィリアム・アダムス] クレデリック・クレインス著 ちくま新書

自宅近くの高野川

連日、近隣の山から川沿いに降りてくる野生の鹿。 陽射しを避け木陰に座り込む、浅瀬を器用に横断。 しなやかに疾走する姿が美しい。

バジルの森

数本の小さな小さな苗をいただいた。 ベランダに出して、毎朝の水。時折の収穫と香り。 コンクリートの小間の隅にささやかな緑が映えている。

工学基礎基盤研究

未知の領域へ踏み込むときの拠り所、すなわち、工学者・技術者の教養。 日本での衰退が懸念されると聞かされる。 研究による基盤の探求・発展が学術を深め、多彩な技術発展を可能にする。 維持・伝承では、いけない。

学生時代の世相

丹念に調べ考える姿勢は、研究とまったく同じ道だ。  [ロッキード疑獄 春名幹男著、角川書店] 元気旺盛、野蛮悪辣な1970年代。 立花 隆著の一連の作などを思い出しつつ、回想が膨らむ。

三十の奇跡

若い頃の美形の母が微笑んでいます。 弟は奇跡の写真と笑いますが、、、。 長い間の無限の愛に心から感謝しています。

発熱

年寄りの不健康自慢からの転換:よるとさわるとワクチンの話題の昨今。 2回目の接種後ほぼ24時間経過で、気分不快に。 よかった、多少は若さも残存していたか、、、

アドミニストレーション

懸案は波のような疎密で押し寄せます。 半呼吸遅れの意識は、いつも溺れそうです。 勉強と決断、しっかり乗らないと。

朝の路地

町内に祭られているお地蔵さんに静かに額づく老婦人。 その先に色とりどりのお菓子の箱。 そうか、今日は地蔵盆か。すぐに子供の心になってしまいます。

人とAI

先端技術の発展は、希望と懸念を同時に運んできます。 computerの語源は、ラテン語のcomputare(ともに考える)とのこと。 人間社会に役立つように使いたい。

楕円へ

キャンパスにポツンとある回転対象に枝を張った大木。 夏至には根元を中心に円だった影が、日々北へ北へと伸びてゆく。 時の移ろい、コロナ禍の中でも京都の大学にいつもの秋が来ている。

遺伝子

何度も国際会議に訪れたチェコ・ブルノにおけるメンデルの実験より始まる物語。 上質のストリーテラーの手にかかると、科学は楽しくスリリングになる。 社会性を含めた現人類の知恵が問われる科学。 ポストヒューマンにも伸びる世界観の変遷とは? 頭の中に明りとともに影が残る。     [遺伝子 親密なる人類史  ハヤカワ文庫NF シッダールタ・ムカジー著]

一歩外への精神

JSTさきがけで[ナノ力学]の分野を担当している。今年で31名の若手中堅研究者からなるバーチャル研究所ができあがった。 話を聞くたびに、今までの材料や力学の枠を越えようとする意欲にワクワクする。 常に強調するのは、他の分野へ踏み出す一歩のコミュニケーションを大切にすること。

一輪挿し

ややこしいお話するために入ったオフィス、大きな机の上にポッと小さな色彩。 某先生のセンスが浮き出しているようです。 見習いたい。

2020年

コロナ

今日の新幹線は、ゆったり空席群の中で読書の日。 そう言えば、週末の河原町も。 心配ではあるが、ちょっぴり余裕は嬉しいところも。

大学院講義 最終回メモ

知識より考え方を伝えること。 未知の状況へ対応するプラスアルファーを言葉で表現すること。 研究や教育は、突き抜けるように。

研究心

カカオと熱気に満ちた会場。 お酒、ナッツ、フルーツ、お茶、調味料。 キャラメル、クッキー、ミルフィーユ。 プロの探求心には感動します、研究はこうでなくちゃ。

修学院

商店街、住宅街、そして田園。 離宮あたりまで静かな散策は、想いを育ててくれる風情です。 学術とは関係ないようですが、気に入った地名のひとつです。

真実

一つの結果を得るとそれに関連して二つないしはそれ以上の不明点が浮彫にされることに気づき、なかば落胆すると同時に真実の奥深さに感嘆している。 大谷隆一先生 [材料の高温強度論] はしがき より

醤油とごはん

立派な卵をいっぱい頂く。 朝から黄身の強さを目でも舌でも。 一日の元気がでるね。

小正月

松の内を締めくくる小豆粥。 いつかの母の後姿の割烹着。 祝箸も十五日まで。

ポテンシャル

自然の好みを解する地図帳か。 自然が魅かれている傾斜の度合いが“魅力”かしら。 自然の話す力学を知恵に定着するのは難しい。

読書そぞろ

複雑怪奇が常の世の中。 先入観を排した情報の取捨が、命運を決する。 冬の休暇のリラックス。 [消えたヤルタ密約緊急電] 新潮選書

雑煮

母が用意してくれた元旦の思い出。 今は自分で作る。 しろみそ、まるもち、かしらいも。

get

普段は行かぬ難波の雑踏へ。 捕物帳の提灯のようにゆらめく大袋をかきわけ。 鞄にセーター、ハムやドライフルーツやナッツ、・・・・福の山。

たこ焼きも

ミナミへゆく度、楽しみに。 煮込みハンバーグに、トロ塩鯖に、棒寿司に、・・・。 京にもあればよいのに、食い倒れの街。

鳥居の列と渡月橋

折り込み広告の美々しい風景。 遠くの人が買うマンションかしら? 生活の中に面白さがある町であるのを知ってほしいのですが。

コンピュータと脳

情報学の先生に薦められて読む。 以前から脳や神経とコンピュータの機能の類比は気になっていた。 計算と論理・推論と思考、巨人たちの考えは興味深い。 [「人工知能」前夜] 杉本舞著 

蒸し寿司

子供のころの冬の味。 四条新京極のあたりの店先にも。 蒸籠から湯気がもれあがって、私を呼んでいます。 「ネタ帳」 退職にあたっての文をいくつか頼まれています。 苦慮しながらも、懐かしい感触が湧き出るのは幸福だった証左。 でも、都合の良いエピソードは、数がないのです。

変わらぬもの

隠れ家のお店で三十年ぶりの再会。 髪の色は変われども、にこやかな顔の相は不変。 洛中の大吟醸で一献、また一献。

若者と老人

未だ来ぬ時間には誰しも不安と希望を抱きます。 希望の方が大きいのが若者、不安の方が大きいのが老人。 相対的年齢ではないのですね。

2019年

病を遠ざける

秋から初冬に長野の農園から順次届く大量の林檎。 音階のように様々に異なる甘さや酸っぱさ、色合いの表現に苦労する。 幾種類もの林檎は、知覚全体の活性化にもなっているね。

科学技術の進歩

進展の余地は、人類の知がいつの時代も未完であることを示す。 また、知は一人の才では完結せず、本来的に公的な性格を持つ。 アカデミック・コミュニティの価値である。

京の西の山

和のしつらえに、洋の食味。 自在さと華やかさは、舌音痴も楽しませてくれる。 人里を少し離れ、ご招待の暖かい気持ちが伝わる時を越えた夜でした。

海と空と山の街

神戸は港を望み。 大阪は摩天楼を見上げ。 京都は庭を懐に入れる。

不可能図形

錯覚を利用して、起こりえないものを図面に表すことができる。 不思議を探求するのは楽しい科学。 素早い情報処理を求める生物進化の知恵の余韻だとか。

和歌山の柿

沢山あった立派な柿が毎日一つずつ減ってゆく。 皮も剥けないほどに熟した半液体と言える果肉。 スプーンで掬う結晶に冬の進みを感じる。

遠江の国際会議

明け染める湖畔を歩いてゆく。 若い研究者の卓抜なアイデアを思い出しながら。 山の景色は小さく、海の気配は近い。

知恵を愛する

古代ギリシャ語philosは愛すること。 sophiaは知恵のこと。 博士はみんな哲学者です。

一斗四升

高温強度シンポジウム[仙台]に用意された極上日本酒の列。 高級フルーツのように外連味のなく典雅。 昼もよいけど、夜もよいなぁ。

韓国の麺

3年連続の済州島、寒さに驚きながらも懐かしい先生と再会して、ご推薦のラーメン店へ。 ジャージャー麺にチャンポン麺;日本でのそれらと大きく異なっている。 味が深くて美味、暖まります。

Jejuの台所

美しく光る太刀魚が列をなす魚屋、甘鯛もいいよ。 熟れた蜜柑と柿がこぼれる果物屋、それに山盛りの肉屋に色とりどりの菓子屋。 医者の言葉を忘れてしまいそう。

出張多忙

月火:大阪、木:東海、土日:福岡、始まりでした。 月火:名古屋、水木:東京、土:東京。 月火水木:韓国、土日:浜松。 私は、今、何処にいるのでしょう[金曜朝一:授業]。

舎密と窮理

新しい科学概念を知るごとに和語にする先達。 言葉の豊かさは知識の深さ、感謝の一念。 でも、最近、日常の会話に詰まる私です。

理正院

大学帰りに立ち寄った友人の下宿があった塔頭。 真如堂の静かな境内に佇んでいた。 一斉に「そうだ」となるとき、泥が舞い上がる水底のよう。

妙薬

ナノ材料力学の若手研究者を順次訪問しています。 豊かな発想をイメージとして定着しながら。 論理の理解は、年齢の20歳逆走を可能にします。

大原街道

路上で店を広げる果物屋さん。 籠に高く洩られた蜜柑が陽に映えています。 口の中が甘酸っぱく。

               

学部長同窓会

ある時期には某省幹部とやり合った8大学の仲間達と久しぶりの真剣会議。 秋の夜は江戸期創業の二日市温泉の旅館。 庭は静寂、座敷は熱意、機微に沁みるお酒でした。

教養

中世の自由七科は、文法、修辞学、弁証法、算術、幾何学、天文学、音楽。 絵画も彫刻も芸術の版図にはない。 人間の感性は変わるもの。

秋は夕暮れ

比叡を背景に川面にかかる修学院の桜並木。 春の輝きはなくても、赤茶に暮れる秋の姿にも心が動きます。 野鹿もこっそり見に来ています。

芸術の変革

ある芸大の先生の言。 写真の発明が、写実の考え方にショックをもたらし、現代画への扉を押したのですよ。 芸術も技術と表裏の関係なのですね。

リベラルアーツ

中世の自由七科は、文法、修辞学、弁証法、算術、幾何学、天文学、音楽。 物理も化学も科学の版図にはない。 人間の知恵は変わるもの。

キラー・アプリケーション

学会の2次会で、博多中洲のパブでウィスキーを舐めています。 研究開発の専門家の嘆き:優れた技術は出口を求めて彷徨っている。 ハロウィンは過ぎたけど、楽しむことが技術の最良薬だと思いますよ。

三国志演義

薦められて井波律子訳(講談社学術文庫)で読む。 躍動する活気と戦国の侠気。 そして、押しあいながら流れてゆく無常観と。

若い眼

研究課題にも視点に差異があります。 心を澄ませば、複雑系以外にもゆらぎや格子幾何が、その先には電子やホールが霞んでいます。 ナノ材料力学は豊かな時代になりそうです。

16世紀

観念世界のリベラル・アーツに、現実世界の学術を吹き込むメカニカル・アーツの風。 芸術、医学、物理学、化学、経済学、、、 工学の発展した世紀にも似て。 [十六世紀文化革命:山本義隆著]

屋根を見れば

車椅子を押しながら町を歩くと意外なものが見えてきます。 あら、あんなところに鍾馗さん。 そういえば、子供の頃に見上げた向かいの軒先にも怖い顔がありました。

6人の仲間

浙江大学の特別講義に、研究室に長期滞在した客員・弟子達が集まってくれた。 それぞれの苦労話と豊かな発想に胸のあたりが熱くなります。 遠いところ、よく来てくれました。

大都会の裏町

黄砂の深海に沈む夕べ。 魚料理のレストランを探して裏町を通り抜ける。 ここでは美々しい表通りと違う庶民生活の時間が続いている。

無垢の地

中国の有名大学は郊外に広大なキャンパスを造営している。 周囲に文化豊かな旧地から離れての工学新拠点。 百年後へどのように大学文化を作ってゆくのだろうか。

湖上の学

秋の陽に杭州西湖は面たいら。 巧みな船頭さんの手さばきに揺られて、緑茶でいつまでも材料の力学の話。 良い思案も喉まで出かかっています。

無財布

本当に誰も持っていないのです。 中国でスマホの威力をまざまざと見る。 屋台でさえも。

自転車

天津の川の畔、イタリア租界跡を風切って。 タクシーよりも爽快だね。 たった数元だって。

教授の言

最近の学生はおとなしくなったと嘆く。 熱意と苦労を伝えたいと。 日本と一緒だね。

緊張

発表を前にガチガチの学生さん。 それで良いのです。 真剣さが伝わります。

哲学の国

友、インドより来る。 田舎の廃屋にて、杯を上げながら1日中談義。 御国は科学より哲学にオリジナリティありとか。

托鉢

澄んだ空に重なる一息と一息。 妙心寺さんやろか。 相国寺さんやろか。

ホームパーティ

懇意の学者家系の先生のご招待。学術の香り。 上質なロースト・ビーフ、厳選の握り鮨、上質なワインに希少の清酒。 おすすめ上手に、ついつい甘えてしまいます。 よばれだち、恥ずかしい限りです.

船、山に登る

峠を登る国道を行くバスに乗る。 鏡餅風に船を重ねたトラックが隣の車線に。 保津川下りの帰りですね。

葡萄酒色の夜明け

目に止まった 開高 健 の本(ちくま文庫)。 エネルギーと混沌の世界が懐かしく。 人間の活気、そしてやるせなさ、を思い出します。

葡萄長者

猛暑の中、大房を沢山いただく。 3種の個性は異なるが、それぞれの涼しい甘さを表現する言葉がない。

ナノ力学 東京通い

プロジェクトの審査には気力を吸い込まれます。 一方、若手研究者の独創に心が躍ります。 材料力学とは、そのように考えるものだったのですね。

よばれだち

お心遣いに感謝します。 ご馳走を堪能しました。 よばれだちで恐縮ですが、失礼します。

孔雀の間

何か間違ったのか、東京の著名ホテルで開催される有名金融会社の記念パーティへ招待される。 2000人をかるく越えるパーティでは、たった一人の知人を見つけられない。 豪勢、、、よい見ものでした。

心意気

技術者・研究者を鼓舞するのは、報酬・待遇なのか?遣り甲斐・社会貢献なのか?興味・知恵なのか? ・・・・ 全部です。

学会土産

招待講演でいただいたお酒のラベルと立派な箱に自分の顔写真。 飲んでよいものやら、記念に残すべきやら・・・・

クローク

帽子をホテルに預けると、応対に格調が現れる。 丸い箱に入れて丁重に扱ってくれるのは日比谷公園近くのホテル。 歴史なんですかね。

DARPA秘史

DARPAの歴史の本(ワインバーガー著)を読んでいる。 発想の荒唐と壮大。 技術の罪と波及力。 アメリカ流であり、軍事技術であり。

母親

子を思う心が伝わってくるメール。 どのようにして伝えようかと迷いながら面談室へ向かいます。 一方で若者の気持ちを察しながら。

ありがとう

金浦空港についてタクシーに乗ったものの、ホテルがナビに出ないらしい。 運転手さん、ホテルへ電話、ナビと格闘。新開発地区とかで、それでも出ない。 言葉が通じでなくても、親切で助かりました。

研究目標

ある社長曰く。 できる目標は、目標ではない。 できない目標も、目標ではない。 5年目にようよう手に触れる目標を作ることができる会社が伸びる。

ミュージシャンのレベル

最近の四條界隈の繁華街は人でいっぱい。 休日は出かける気もしないオーバーツーリズム。 でも、ストリートミュージシャンのレベルは上がったね。

独創性

若い頃、研究における3種の独創性を先生より教わる。 概念の独創性 対象の独創性 方法の独創性 総てを兼ね備える論文を書くのは夢か?

インタビュー

海外の研究所での特別講義の後、広報からのインタビューの要請を受けました。 日本を背負っているわけでもないのに、返答に変に肩に力が入る。 困ったものです。

老年研究者

物数はみなみな失せて、善悪見所は少なしとも、花は残るべし。       風姿花伝より

踏切の脇

叡山電車が北大路を渡った線路脇にいくつもの石仏が梅雨に濡れて並んでいる。 私には大きな事故の記憶もないのだが、もっと以前に悲しいことがあったのだろうか? 軽く頭を下げて通り過ぎる。

  

与太話

あるシンポジウムで、研究の話題以外と限定付きで若手への特別講演を依頼される。 落語の与太郎になりきって無責任を発散するのが精一杯。 反面教師の典型ですな。

蒸暑い週末

汗をかきかき七本松を歩いていると、有名な豆腐屋さん。 冷奴にビールの明瞭な画像が眼前に浮かび、飛び込むことに。 その美味しさと質感に、豆腐だけでお腹一杯に。

みんなが出てくる日

5月快晴の日。 高野川沿を散歩すると、草むらからひょっこり出てきた鼬と目が合う。 さらに歩くと、大きな鯉の群れが悠然と泳いでいる。 今日は良い日。

4つの球

学生時代の思い出、午後にはいつものメンバーでビリヤード。 流行から外れた四つ玉で遊ぶのは、セミプロのお兄さんの見事な練習を間近で見たため。 4つの質量が糸で繋がっているように見事に美しく動いて、常に配置の乱れがない。

甲子と戊辰

相国寺 西の門外の住宅地区に、観光客の足から逃れた墓所がひっそりとあります。 薩藩死者墓と刻された大きな石があり、碑から禁門の変や戊辰戦争の関係者でしょうか。 時間から切り離されたような空間です。

シングルモルト

舌の全面に薄く広げ旨さ香りが沁み出す。 舐めると表現するのは違和感がある。 ほろ酔いで、ローマ、ベネチア、イギリスなどの帝国の盛衰を読みながら。

研究というもの

研究は好きである。 楽しくはない、プロであるから当然。 結果を求められるのは常で苦しく、褒められるのは稀で嬉しい。 心の中の遣り甲斐が宝物。

プラハの春

快晴の週末にブルノ郊外の古城へ連れて行ってもらう。 木陰のベンチでビールを片手に古参教授と昔話。 戦後の難しい歴史のこと、皆で国のために抵抗した大学生の頃のこと。 暖かい日が嬉しい昼下がりです。

消えるロボットを作る

ロボットが専門の松野文俊先生の言葉です。 自動運転の車は、ロボットとは言わないでしょう。 掃除ロボットは、ロボットと言うでしょう。 人は、風変わりな機械のことを[ロボット]と呼ぶようです。 [ロボット]が消えると、その機械が社会に完全に溶け込んだということです。

旧産科婦人科病棟

母と見舞いに行くため医学部構内を通り抜け病院へ。 優美な入口を持つ古い建物の前で母が立ち止まり [ここだったと思う、産んだの] 私の最初の呼吸は京都大学の中。

飛び乗りエレベータ

ブルノ工科大学のビル入ると、扉のないエレベータが来る・・・・・どの階にも止まらない。 リフトのように、人は飛び降り・飛び降りている。 上下階へ↑↓の垂直垂直回転リフトである。 チェコでは、あちこちにあるとか。

緑のビール

Green beerはチェコのイースター・スペシャル、木曜日からとか。 野外の会場で1杯、蒼空、オレンジ屋根の五階建、可愛いベランダ、表情豊かな石像。 舞台のモラビア民謡に、ゆっくりと時間が滴り落ちてゆきます。 緑の木曜日、偉大な金曜日、白い土曜日、イースターの月曜日へ。

ブルノ春宵

白ワインと夕食の後、ヤナーチェク音楽院へ友人の奥様が指導された学生の卒業ピアノコンサートに行きました。 テクニックが映える1時間を越える演奏は、及第だったようです。 私は、彼女の多大な努力の時間を食べている気分でした。

客席へ

卒業コンサートの締めくくりの連弾の後、学生が客席の恩師へ花を届ける姿が初々しい。 我々は、花を持った先生と一緒に満開の桜の並木道を通ってレストランへ。 余韻を残したままのモラビアン・ワインでお祝い。

力学機能

科学技術振興機構(JST)のプロジェクト[さきがけ]で材料研究に深く関係する[力学機能のナノエンジニアリング]を担当することになりました。 マクロ材料強度を微細世界から探求することが主題のひとつです。ミクロン世界の研究者がナノ世界へ挑戦するのも対象です。 日本材料学会の皆さんの活躍の場になってほしいですね。 https://www.jst.go.jp/kisoken/boshuu/teian/top/ryoiki/ryoiki_p01.html

テレビが家に

メディアを研究する教育学の佐藤卓己先生から著作を相次いでいただいた。[テレビ的教養]より、テレビ導入目的に教育者が熱意持ってテレビ普及を推進した歴史を知る、仄かな懐かしさも。 家庭や小学校に初めてテレビが入ってきた日を憶えている世代は、どこまででしょうか。

比叡山と円錐

比叡山の頂上付近は駱駝の瘤のように歪んでいる。 しかし、ある方向からのみは対称の二等辺三角形に見え、円錐形の美しい山容が頭の中に浮かぶ。 育った実家、そして今の住処、同じそのライン上にある。

十字路

松ヶ崎から西へ伸びる琵琶湖疎水分線には桜の痛々しい老木が並ぶ。 精一杯の春にそっと応援を送る。 分線は北から流れる用水路と垂直に交わり、いったん合した水は南と西へ再び分かれる。 不思議な水流の十字路がある。

よう見てる

卒寿を越えた母の昔話が夢見るように始まる。 女学校の同級生は云々、・・・老舗や京都企業の娘さん達のこと。 [長生きしてたら、俺も爺ちゃんの仕事をやってたかも] と私。 間髪入れず[あんたに商売は無理] 親はよう見てる。

予測

技術は、経験や勘に基づくもの(職人芸)から予測に基づくもの(設計)へと変わってきた歴史がある。 技術に関する学問である工学が成立した所以である。 一方、厳密な予測が不可能でも、隠れた法則があるという [歴史は「べき乗測」で動く: マーク・ブキャナン著]。 工学はどう使うのか。

試験監督

時計を合わせ、風呂敷包みを大切に抱えて教室へ向かいます。 緊張した顔、顔、顔が初々しく、頑張りな!と心の中でつぶやいています。 桜、咲きますように。

堀川第一橋

高野川、賀茂川、堀川、紙屋川:京の川は北山から南へ流れてゆきます。 昔は公儀橋だった堀川に架かる第一橋。 子供の頃の記憶には、チンチン電車が堀川を渡る橋と一緒にあります。

産学連携

従来の産学連携は知識のみが産学バウンダリィを越える共同研究であった。 本質的な連携価値を獲得・持続するために、知識・技術を担った人(知識の担体)がバウンダリィを越えて移動するのが、根源的な知恵移転である。

五番町

用事があって、千本中立売(せんぼんなかだちゅうり)から路地に入りこんでゆく。 脇の札に五番町の文字、このあたりに遊郭があったのか。 想いが水上勉の夕霧楼から三島由紀夫の金閣寺へとひろがってゆく。

キャンパスの夢

市街地から離れたキャンパスに、人間的な潤いの場を作るのは意外に難しい。 著名な建築家でもある教授の研究室の皆さんに夢を考えていただいた。 桂の丘の上のビル群に、劇場・温泉・小川のせせらぎ・散歩道・ショップなどなど。 夢は、大学キャンパスの文化である。

middle skill

OECDの将来予測について伺う機会があった。 AIに進化があってもhigh skillとlow skillの仕事はなくならない。 一方、多数が従事するmiddle skillの仕事は壊滅的とのこと。 新しいmiddle skill職を作り出す技術が、工学の社会的使命のひとつである。

フラウンフォーファー協会FhG

産学連携において、ドイツモデルが喧伝されている。産業技術に重点を置いたFhGは注目のひとつである。その研究所は大学近くにある。雇用された博士課程学生は、昼間はプロジェクトに専念し、勤務後や週末に博士論文の研究をする。技術の知恵と工学の知恵の二刀流とか。永野博著[ドイツに学ぶ科学技術政策] を参考に

アブダビ

海外出張のお土産は難しい。地元の食材に接する機会が少ない場所に滞在するときには、空港で途方に暮れてしまうことさえある。先日の出張では、困り果てながら最終経由地のショップをうろついていて、ドライフルーツの店を発見しました。無花果は大きくて見場に比べて味は抜群、皆さんの評判も。もっと買ってくればよかった。

阪急電車 西院駅

元副会長と一緒に電車に乗った時のこと。[関西で初めての地下鉄です][日本初の架線の地下鉄です]   コラムに書いてくださいよ! 誰のことか分かりますよね?

まだ新年会?

大学の教員は忙しい。講義、研究指導、資金獲得、管理運営、入試、社会連携、学会活動などなど。5人以上の日程の都合を合わせるのは至難の業です。結局、夜の調整結果は解がないことが判明。仕方なく、超々時期はずれになって本当の平成最後の新年会?とはめでたい。

龍馬暗殺

先斗町で南座を横目に大学関係者の懇親会。場所柄からか、いつしか幕末の志士の話になってゆきました。隣に座った先生が何気なく、彼が暗殺されたのは祖父の店(もちろん、代は変わっています)ですよ、との一言。本物の町京都は面白いところです。

ノーベル文学賞

チャーチルは、平和賞ではなく文学賞の受賞者です。英国は、さきの大戦をどのように捉えていたのか雰囲気を感じてみたくて、首相の目から記述した[第二次世界大戦(河出文庫)]を読みました。優れた記述能力ですね。欧州から見た当時の日本の姿も垣間見えます。

中東の空から

漠漠とした茶白の窓外に一條の瑠璃色。おもわず本と杯を置いて、見入ってしまいます。これがアカバ湾、シナイ半島を越えて、こんどはスエズ運河。地球の姿に、何処までも魅了されます。

大学が産まれる

未完成の家が混在する独特の街並みの中にある日本エジプト科学技術大学へ講義等のために来ています。日本のいくつもの大学の支援で産まれたもので、大学という知の拠点を一から創ることの大変さが目に見えます。施設・設備のハードのみならず、教育体系からカリキュラム編成、学生募集から就職;我々の大学の草創期もこんなだったでしょうか?

杜甫

中国文学の先生に相談し、川合庫三先生の唐詩に関する本が良いとの推薦をいただいて、岩波新書「杜甫」を購入した。次の日、本棚から変色した「杜甫詩選(黒川洋一編)」が転がり落ちてきました。この偶然は天の意と思って、併読することにした。相互作用で驚くほど立体的に杜甫の人生が現出し、不思議に楽しんでいる。

2018年

占領

第二次世界大戦後に日本が占領されていた時は、産まれていなかった。それでも、その時代の京都の生活史[古都の占領 西川祐子著]を読んでいると、幼時の記憶に触ることが多々ある。難しい時代を、若かった父母はどのように生きていたのだろうか。

桃李天下

中国からのポスドク研究者が掛け軸のお土産を持ってきてくれた。わざわざ書道家に頼んで筆を動かしてもらったとのこと。繊細かつ優美な文字は素晴らしく、その語(桃李:門下生)に心から感謝する。

大学の役割

大学の本質は学術にあり、大学人が最も大切にすべきものです。大学は、知識を深め広めるために物事を深く考究する人々が集まる組織です。教育や研究等は、学術に関する大学人の実践活動であり、大学はその学術活動を通じて社会と繋がっています。

晩秋

マンションは、料亭のあった場所に建っている。庭を残していて、鮮やかな秋色の輝きが美しい。夕陽に零れるような柿が光る小ぶりな木の姿も愛らしくて。

50年予測

未来予測には、夢を語るものと道を示すものがある。後者にはベースにするものが必要なのは明らか。 人間の機能は、確実なものか。人口動態の時間変化も比較的確実な推定可能なもののようだ。 その他には?

ヒヤリング

優れた研究者は、追い込まれると素晴らしいプレゼンをします。不謹慎と叱られるでしょうが、眼前の視野が拡がるような感触は、ひとつひとつの芸術作品を鑑賞するような気がします。

にぬき

入院している母が、病院食に飽きた、と言っている。コンビニで茹で卵を買ってきて欲しいようだ。京都生まれ京都育ちの母の口から出るのは、「にぬき、こうてきて」。

構成式の知恵袋

非線形の応力とひずみの関係は、複雑である。材料定数を100個設定してもよいのなら象の姿の関係式でも精密に再現してやると豪語する強者が昔はいましたが、AIはそれ以上の豪の者かもしれませんね。どちらも幅広い条件における実験データが膨大にあればとの前提ですが、それは人間がやるのでしょうか。

背広と手土産

顔は以前と同じなのに、全身はピシッとネクタイを締めた隙のない姿になっている。研究室に入ってくるときの挨拶の言葉もフォーマルになって、[弊社は]などとにこやかな顔で後輩に話している。  就職してから何年だったっけ?

ギリシア料理

10月も終わりに近づいてやっと夏休み休暇が取得でき、瀬戸内へ。宮殿のような列柱のある海辺のホテルは、猛暑のころの喧騒も遠くなって静寂に満たされている。夜の海を眺めながら、ゆっくり食事。季節外れも良いものです。

材料定数

現代の工学の世界には、イッタイゼンタイ、いくつの材料定数があるのだろう。人間の知恵の結晶とも、誤魔化しの巣窟とも言えます。 アインシュタインは、本物の定数は円周率や自然対数の底のような基本的なものに収斂すると信じていた(宇宙の定数、ジョン・バロウ著)そうです。

築地、ソワレ、フランソワ

私の学生の頃からある京のカフェです。その名を聞いた古い仲間は、デートコースやったね、と懐かしむ顔になります。今も現役で、レトロな雰囲気で相変わらずだそうです。

ほんまかいな

京都は大学の多い街であり、全国各地から多数の大学生が暮らしている。市街周辺部に学生アパートが沢山ある。そんな学生街では電気製品などを対象に、早くからリサイクル店のニーズがあったのであろう。白川通の店に「リサイクル発祥の地」の看板を発見。ほんまかいな。

ワークショップ

1日中、ひとつのセッションに参加することができて満足しました。応用物理・化学・力学などの分野の人が同じ言葉で話をしている。ナノ・構造(形状)・機能が合言葉のようだ。材料系のひとつの未来の学術を明確に示しています。材料WEEKは楽しいですね。

ボケ防止

何気なく買った漢字クイズの本にはまっている。日本語の多様性に感心するとともに、自分の脳の奥を掘り返すような感覚がある。もう少しで1冊制覇。

紫式部

高校への通学路のそば、堀川の大通りから入り込んだ空間に、紫式部の墓といわれるものがあった。こんな所になぜ?と思ったが、古典の講義のときにそのあたりに大きな寺院があったと聞いたので、それと関係するのかもしれないと勝手に納得した。そうだとしても、寺院は消えても個人の墓が残るのは、超有名人ですね。

多様性とアイデンティティ

分断されるアメリカ(サミュエル・ハンチントン著)を読んでいる。21世紀初頭に多様性とアイデンティティを対象とするのは、さすがである。昨今のアメリカやヨーロッパの不安定さの原因をのぞきこむような気がする。

先生からの電話

家内と遅い夕食でリラックスしているとき、ある用件で大先生から電話をいただいた。思わず立ち上がって飛蝗状態になって話しだす私に、家内は呆気にとられている。後で家内は大爆笑、私は冷や汗まみれ。

Vicenza

パドバ大学のVicenzaにあるキャンパスを訪問。イタリアの町は、ひとつひとつがSocietyとhistoryを持っていることに、改めて感銘する。見事な造形の像群を完璧に残す騙し絵舞台のある劇場、市中央の広場のカフェでのサンドイッチ昼食。工学の議論を超えてしまいますね。

面談

今日は、先期に単位を取得していない学生さんと面談する。大学へ来ることができない事情があるのだろうか、親や友達とは話をしているのだろうか、と状況を推測して悩みます。来期は立ち直って上手く軌道に乗ってくれることを祈りながら、アドバイスを考えます。

日本酒

迂闊なことであったが、材料学会誌に日本酒の詳細解説が掲載されていたのを見逃していた(第66巻, pp.816-821, 2017)。時間を超越する伝統の奥深さと最先端を取り込む進取の意欲の双方が、技術の発展に大切なことと理解する。大学の研究も同じであろう。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms/66/11/66_816/_article/-char/ja/

京の雀

観光地と雖も神社の維持にはお金が必要です。大きな神社のトップさんが変わると、経営方針も大きく変わるようです。現代的なイベントを企画したり、駐車場をマンションにしたり、・・・・。やり過ぎると、雀が騒ぎ始めます。先の台風で神社の古い大木が何本も倒れたのも神罰だとか。都の雀はいつも口さがないのです。

技術の基盤

我々が接する設備や機器やそのシステムが高機能化のために複雑・大規模化し、社会は新機器システムの登場当初から高い信頼性を要求しています。また、新たに発見された現象が直ちに機能に結びつくことも多くなってきています。すなわち、技術は経験重視から工学重視へ移行しているのです。これは、技術と学理の関連性が高まることを指しています。

ジュリエットの街

観光客が湧き出す前のベローナの石畳の小道を会場へ急ぎます。今朝一番のPlenary lectureの冒頭を繰り返し練習しながら、教会の側をすり抜け石造りの橋を渡って行きます。雰囲気の良い練習は、いつも緊張を和らげてくれます。

関西空港

無残に取り払われた連絡橋を部分営業の関西空港へ急ぐ。ずっと前・・・空港開業以前に、材料学会の見学会で滑走路を歩いたのを思い出しながら。帰って来る時には、影響が小さくなっていることを願っています。

学会の役割

学会は会社や大学等の本務組織を越えた活動の場である。材料に関する学術や技術の知識・知恵に関する発表の場であるとともに、それらの体系化、それらに基づく技術の発展、人材の合理的な育成等の多彩な目的に沿う交流の機会を提供することが主要な役割である。

老舗バー

海外出張の折、ひょんなことからウィスキーを飲むことになりました。先年、スコッチ愛好家の先生に木屋町と先斗町の隙間の上階にひっそりとある老舗バーに連れて行ってもらった味を思い出しました。年を経て味わいがまったく異なるスコッチに驚きました。マスター、店、街角の雰囲気といい、魔法の飲み物。

ベオグラード

鋼板の厚みが見えるような2両連結の路面電車やポールが目立つトロリー・バスが、町中の細い道まで駆け抜ける。いつか見たのか、東欧の国々を思い出す風景だ。外国人への素朴な気遣いがとても嬉しい。一方、市中へ流入する人々の生活の混乱を見るような、小さな犯行の横行が悲しい。

                 

ICM

セルビアの会議において、International Conference on the Mechanical Behaviour of MaterialsのChairmanのDas教授にお会いしました。第1回は材料学会の諸先輩方の努力で京都開催、第6回も井上元会長や星出元会長をはじめとする多くの方々のご尽力により京都で開催されています。懐かしさと発展を祈る気持ちでいっぱいです。 メルボルン(オーストラリア)10-14 June, 2019

                      

六枚刃

20代からの習慣で、毎朝剃刀で顔を当たります。若い頃は髭が濃く、当時の安い電気シェーバーでは満足できませんでした。二枚刃剃刀が簡単に手に入るようになったのは、いつだったでしょうか、思い出せません。近年は六枚刃の使い捨て;剃り味がスッキリ。少しはハンサムになった気がする。

北大路橋西詰

先日紹介した[日本の古本屋]の脇の路地を入ったところに、携帯椅子・ベンチやバスケットなどをたくさん壁に掛けたカフェが出来ています。Take-outのカフェは世の中に一杯ありますが、散歩がてらに河原の木陰まで出掛けて山紫水明を堪能できるピクニックを提供するなんて洒落たものですね。

温暖化

地球は困らない。困るのは人類。学術は、人類を救うための知恵・知識。

堂島の紅茶

大阪・堂島の紅茶屋さんでよく朝食のためにイングリッシュ・ティを買っていた。ミルクをたっぷり入れると美味しい。ところが、数年前にお店が移転して残念な思いをしていた。今夏、プーシキン美術館展へ行った折に、堂島での一休みでロイヤル・ミルクティの美味しい店を見つけ、ほのかな甘さに元気回復。その日の大収穫でした。

日本の古本屋

北大路橋西詰にポツンと1軒の古本屋があり、歴史や文学の難しい全集が、文字通り店の通路に零れ落ちそうになっています。子供のころから不思議な雰囲気を醸し出していました。京大今出川通りの軒を連ねる古本屋街とは少し変わった趣があります。 看板に、日本の古本屋!

幸運

科研費ヒヤリングの結果は、成功の報を頂きました。胸をなでおろしたのは一瞬で、すぐに難しい提案に後悔の念と冷や汗が出てきます。でも、何とかなるでしょ・・・・。仲間の先生と自分達の提案である研究を進めることができるのは、研究者にとって最高の幸運の一言です。

材料学と力学

材料学の研究は物質の多様性・機能の探求であり、物性の発見・発掘への外向きの指向性を持っている。一方、力学の研究は、新しい物性を咀嚼して、背後にある世界を深く広く理解しようとする普遍性への指向性を持っている。両者は別の方向性を持っており、呼吸のように連動しているのが材料力学である。

窓の花火

1年に何度か、夕刻に家の窓から近くの低い山越しに打ち上げ花火が間近に見えます。宝ヶ池で打ち上げる国立国際会館での晩餐会のアトラクションのようです。そんなときは、リビングでワイングラスを片手にご相伴にあずかります。それにしても、リッチなグループですね。今日のスポンサーは、フランスだったようです。

材料の力学

物質(もの)から有用な機能を引き出して人間生活に役立てる情報を導き出すのは工学の本質的な役割の一つであり、この世界に無限とも言える多様な機能を有する材料(もの)があることは人間にとって大変な恵みである。

1954

自分が生まれた年のアメリカを舞台にした警官小説を読み始めました。粗筋より題目に惹かれて購入したものです。昔に推理小説はたくさん読みましたが、現在と異なる異次元感覚とともに親近感のあるようなスローな雰囲気もあって、不思議な気分です。

研究費審査

今年は、何故か外国からの研究費審査の依頼が来ます。3カ国6件は今までで最多です。研究費の性格についての詳細な事情は分からないのですが、若手・中堅・ベテラン研究者の従来の領域を越えようとする元気ある挑戦提案が多く、その活発さに驚いています。でも、夢見る人の話は楽しい。

花の御所

美しい同志社大学今出川キャンパスを歩く。そして、烏丸通を渡って、御所の斜め向かい。このあたりが、花が咲き乱れていた将軍邸宅(花の御所)かと想い描く。材料学会帰りに地下鉄まで散策はいかがでしょうか。

疑い

状況を検証し、解答用紙を何度も見直しては、また考え込みます。学生の将来を考え、教育効果を考え、祈るような思いで面談に臨みます。試験の不正行為には、教員も悩みます。

ファフォスの丘

キプロスのリゾートで学会。討議の後、海に陽が傾く中、丘に点在する提督邸の遺構の中を歩く。地中海屈指と言われる小石を敷き詰めたモザイクの美しい神話の世界が作られている。陰影の立体感まである。リベラル・アーツよりも、その対極としてのメカニカル・アーツに想いが流れる。

太陽と木陰と風

リゾートでの国際会議も終わって、帰りの飛行機まで半日の時間があります。夏の陽射しは強く、お土産を探しに行く気にもなりません。仲間とホテルの向かいのカフェの木陰で風に吹かれながらビール。話し疲れると、ワールドカップの喧騒が遠くのテレビから聞こえてきます。そろそろ昼のサンドイッチか。4時間も、楽しく過ぎてゆきます。

眠りにつく

友の突然の逝去を知った。最近は年に1度会うかどうかの付き合いではあったが、中学高校と受験勉強をともにした仲間の喪失感の大きさに自ら驚いている。わずかずつ増える仲間の訃報に自らの齢を振り返る。 [永遠はただの一夜よりも長くは見えまいから。]   ソクラテスの弁明より

いつもの四条界隈のお茶の店のおじさん

自分の家用やったら、いつもの煎茶にしとき。 そこの抹茶を混ぜてあるのは、観光客用や。

工学系学会

技術の発展によって人類社会へ寄与することを目的とする高い志と倫理性を有する専門家の自主的な集まりであり、それらの専門家自身の運営による開かれた公正・公平・平等な組織である。

遠距離博士

パッドを使ってネット経由で話し、オーストラリアに赴任している社会人博士課程の学生さんの指導をしている。もどかしいような、緊張が生まれるような、微妙な距離がある。もう少し臨場感のある会議システムになりませんかね。

インターン

技術者に育つためには、企業体験はとても大切である。一方、教育は考え方(理念)や内容(カリキュラム、シラバス)を事前に提示するものである。教育の一環としてのインターンであることを明確にしない企業は信頼されませんよ。

エンジニアリング

Engineeringのもとになったengineは、天才genuineと関連する。genuineは造る・創造するという意味があり、engineは内燃機関ばかりでなく「人間の創造的能力によって造り出されたもの」を指す。工学の歴史と技術の倫理(村上陽一郎著)より要約

雲ケ畑

賀茂川(鴨川)の源流は、くもがはた。 紫雲が立ち上る場所だそうだ。 小さい頃は、北山の奥を遠く眺めては雲がモクモク生まれるところと思っていた。梅雨がやってくる。

キャンセル

エジプト出張がラマダンの影響もあってキャンセルになりました。慣れた人々も行けないとのことでは、仕方がありません。研究科長時代はほとんど海外へ行けなかったので、取り返すつもりなのに。ぽっかり空いた1週間の予定。一方、少し嬉しい気もする。

末吉町

旧友のなじみの店で、クリフトンカーフの版画を横目に一献。料理を楽しむつもりが、上の階からは三味線の音色とともに優雅に舞妓さんと楽しむ空気が流れてくる。そんなこともあるのが祇園。

破壊力学の歴史

会誌 材料に、破壊力学の歴史が掲載されている。今月号の岸本先生reviewは、破壊力学に限らず学会の他の基礎学理の変遷にも当てはまるような気がする。70年代から90年代への発展と同時に、それから類推される10年代からの年代に求められる相変化。日本の工学基盤の発展経緯であろうか。  刺激的でもある。

ヒヤリング

科学研究費補助金のヒヤリングに行ってきました。もう何度目だろうか;いつも緊張するものだ。練習のみが、すべての不安を癒すことができる。後は、天が決める。

さきの戦争

京都では戦争と言えば応仁の乱のことだと言うのは有名である。昨年は岩波新書で応仁の乱が有名になり、早速その本を読んでみた。乱の勃発の地は、私の実家近所の上御霊さんの森ですよ。

前髪

これは、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉だったのか   「幸福」が来たら、躊躇わず前髪をつかめ。うしろは禿げているからね。

時空間

時間と空間が混じり合う世界の物理は面白い。「宇宙をおりなすもの」Brian Greene著は大部だが、説明が丁寧で分かりやすい楽しい読み物。  でも、これが工学になるのは何時の日か・・。

シシャモ

1年ぶりの中学時代のクラス会に出席しました。退職後に毎日自転車で京都中を駆け回り、パン屋を食べ歩くという友。福大路の近くの店にはシシャモパンあるぞ、とのこと。一方、いつも賑やかな女性陣「コーヒか?」「ワインか?」「気持ち悪い」「美味しかった」・・・。

応力とひずみ

2回生に材料力学を教えながら、毎年、応力やひずみのことを考え直す。上手い概念。よく考え着くものだと感心するのだが、やはり説明は難しい。学生の顔:頭が混乱したまま単位だけ取った自分の昔が蘇る。

鼻水が・・・

天気予報等で話題が出なくなってから、発症するのが私の花粉症。なにごとにもタイミングが遅れてしまう私らしい。

琵琶湖疎水船

今春から京都蹴上と大津三井寺を結ぶ第一疎水の観光船が運行されています。水路は狭く水深も浅い上にすり鉢状の底部のため、操船が難しいとのこと。クラス会のメンバーから、同年同窓生が選ばれて操っているとのこと。さすがの腕前だそうです。乗ってみたい。

GPA

2回生の専門科目を担当している。基幹になる科目なのに、最近履修者が少ないようだ。Grade Point Averageが導入されたため、履修に慎重になっているのだろうか。一方、熱心さは大いにUP。講義中にいくつも質問が出るようになった。就寝者ゼロ。

橋とトンネル

学会理事会の懇親会に出席しました。土木工学の先生方の和気藹々の論争。「コストか」「安定性か」「景観か」。さすがに材料学会の議論ですね。みんなの教養講座にしたいほどの質の高さと品格でした。

           

二刀流

学会から電車で二駅の一乗寺。宮本武蔵が名をあげた決闘場があります。彼の二天一流は、片手でも刀を使えるようにするための剣でもあったという説もあるとか。本当に二刀(打者と投手)を使いこなしてしまう野球選手がいるとは、何という才能と努力でしょうか。学会も技術と学術の二刀を自在に操ることができますように。

うぶすながみ

実家の産土神の上御霊さん(神社)は、5月がおまつり。小学校の時、楽しみにワクワクして行った夜店が並んでいた境内は、今になってみると結構狭いものだ。一方、眼前に幻視の世界が拡がってゆく。

野菜の一皿

秘書さんに教えてもらった綾小路のフレンチで、旧い友人と久しぶりに会食。たった8席の小さな可愛い街角のレストラン。たっぷり30種以上の野菜を盛り込んだ一皿がとても印象的。また誰かと行こう。

菜の花

韓国機械学会材料破壊部門春季学術大会へ招かれてJeju島へ行きました。残念ながら、講演等のため有名な菜の花のお花畑は行けず、ホテルの庭の少しだけ。でも海の景色はたっぷりと堪能しました。

破壊のかたち

自然がパターンを作り出すメカニズムについて解説したフィリップ・ボール著の本「かたち」は有名ですね。考えてみると、日本材料学会の得意な現象である「破壊」も様々な自然のかたちを作り出します。例えば、アフリカ大陸や南アメリカ大陸などは、超大陸(ゴンドワナ大陸)が分離(破壊)したものとか。

2016年

変身

野菜を多く食べると身体の調子が良い。医者の言うとおりである。 神様は、年を取ると人間を草食動物になるように設計しているのか? それでも、肉の方が美味しいのは何故???

北山に住む狐か?

日曜日の昼に、家の向かいのピザ屋さんに注文して店へ取りに行く。 気に入ったワインを1本抜いて、たっぷりイタリアンな休日。  一夜明けると看板もなくなり、閉店していた。何の前触れもなかったのに・・・・。

ちょっと待って

時折、組織同士の合意文書等に署名を求められる。いままでの英文手紙程度のつもりで、安物ボールペンで先に署名した。そのとき、相手は、上着の内ポケットから、おもむろに高価そうな豪華万年筆をとりだしてきた。しまった、・・・・・・・

工学の本の本

昼休みに、金沢工業大学の貴重な科学技術書籍コレクションに関連して、工学の発展の軌跡を示す本の開設を楽しんでいる。一度、同大学のライブラリーセンターにも行ってみたいものだ。 工学の曙  世界を変えた書物 (金沢工業大学)

マケドニア

娘からメールが届く。この間はグアテマラ、今度はマケドニア。地球儀がないと場所がわかりません。

破壊力学の成果

大きな口でガリッといった途端に前歯が割れました。それが、裏表2枚に分離する剥離型の割れなのです。誰か、破壊力学で合理的に説明してください。

この頃の昼食

桂キャンパス研究科長室からの京都盆地の眺望は絶景というしかない。大きな窓を独り占めして、気分爽快にお弁当を開くときが最高。

雨雲レーダー

某ヒヤリングの準備で遅くなった8月16日夜、研究科長室から「大文字」の眺めを期待していたが、点灯のときに無情の激しい雨。それにしても雨雲レーダーは正確だった・・・。

学会憲章

日本機械学会において学会の根本を記述する学会憲章(案)を作る責任者をしていました。昨年1年間に論客連に磨きをかけていただいて、やっと形になってきました。 さて、日本材料学会の根本原則は・・・・・・? 考えねばなりませんね。

2015年

白昼の死角

自宅の近くにラーメン激戦区があり、昼夜を問わず、なが〜い行列の名店がいくつも連なっています。興味津々ながら、忍耐力もなく横目で通り過ぎています。しかし、稀に、全国的に有名な長時間待ちの店に列がない真空の時に出くわすのです。ラーメンの神様が呼んでいるのでしょうか?

高密度化

3つの部門委員会と他学会部門の合同委員会に出席しました。私の世代は、研究者個人としての独創性を求められた時代ですが、少人数研究者グループとしての独創性の協働部分が求められる時代になっているようです。共通部分の実質的な内容評価ができる体制が大切ですね。

洛中の酒

京都の清酒と言えば伏見ですが、洛中にも小さな酒蔵があります。材料学会から10分ほど歩いた鴨川の畔にも洛中最古と称する酒蔵が・・・。学会の委員会や会議に出席された折のお土産にいかがでしょうか?

さくら

やっと、街にも色が帰ってきましたね。 清水へ 祇園をよぎる 桜月夜 こよひ逢ふ人 みなうつくしき   与謝野晶子

モラビア

お城の庭と繋がっている村の宿に泊まりました。半地下のワインセラーがあり、夕食はそこでハムやチーズを供に歓談。帰りには、ついついラベル の貼っていないボトルを買ってしまいました。

学会の定義

ある学会で、学会の本質的なミッションを検討する羽目になっています。広辞苑によると、学会とは「学者相互の連絡、研究の推進、知識・情報 の交換、学術の振興を図る協議などの事業を遂行するために組織する団体」だそうです。少し異論もありますが・・・

キャバリアーズ

若い時に長期滞在したことから、プロスポーツチームのブラウンズ、インディアンズ、キャバリアーズを何となく応援しています。しかし、近年 はどれも弱くて残念な思いばかりをしていました。今年は、キャバリアーズが頑張ったのでシーズン最後まで楽しめました。何処の町で、何のスポーツでしょうか?

前回の続き:ザ・ファイナル

ブラウンズ(アメリカンフットボール)、インディアンズ(野球 大リーグ)、キャバリアーズ(バスケットボール)は、クリーブランド(米国オハイオ州)を本拠としています。今年のキャバリアーズは、優勝戦(ザ・ファイ ナル)まで進出(惜しくも負けた)しました。でも、嬉しかった・・・・

やるなぁ

月曜日午後か ら東京出張の折、新幹線の隣席に観光帰り2人組の若い女性が 乗 り込んで来ました。数本の京都ビールと関西では有名な笑顔になる豚饅が お供 のようです。こっちは、これから仕事なんだけど・・・・

学生会員

執行部において材料学会の学生会員のあり方について検討しています。学 会 は、時代の移り変わりとともに変える部分と変えない部分をしっかり自己 認識し なければならない時代だと思います。学生会員に関する 議論について も、今秋 あたりから皆様にお伝えしたいと準備を進めています。

木の教会

久しぶりに北大路堀川あたりを歩いていた折、幼稚園(キリスト教系)の 扉 が開いていたのでつい中へ入ってしまいました。先生に建物内へもどうぞ と言って頂いたので、50年ぶりに懐かしい教会へも。ミニ チュアのように可愛く、見上げた木組みが美しいのに感動。当時から何も変わっていないとの説明に、また感動。

ティポット

河原町のBALに大きなポットいっぱいの紅茶を出してくれるお店 が あった。数年前にビルの改築でなくなってしまったが、今夏に帰って くるそうな。数えきれない種類の紅茶の販売だけではなく、お茶やケ ーキを楽しめるスペースの復活を期待しているのだが。

テロ

別の龍馬を読んでいる。凄惨な京都のテロは民心の荒廃を示している。 英雄が現れるのは、追い詰められた時代の証拠。静かな改革で良い時代 が一番。三条小橋から先斗町でも歩いてみるか。,/p>

博士30人

10年ほど前に目標をたてた。 博士学位者30名を指導教員(審査会主査)として育てたいというものである。 現在までに、20名の方々の主査をさせていただいた。 研究室に在籍する博士課程学生は7名。 少し無理なような気がするが、良い目標だったねと、ときどき自分と対話している。

をけら火

年の瀬が近づくと、中高生の頃の大晦日の深夜を思い出します。家族で見てい た紅白の途中で友達連と飛び出し、幾重にも鳴る鐘の音の街を通り 八坂神社へ 行く「をけら参り」です。込み合う神社で火をもらい、火縄をくるくると廻しな がら持ち帰って元旦の雑煮の火種にします。いまは、観 光の一コマになってし まったでしょうか?

主塔

阪上先生(神戸大学)から明石大橋の検査についてお教えいただき、同時にそ の主塔に上る機会をいただきました。破壊力学の現場での大切さを 再認識する とともに、役得にも預かりました。生憎の雨模様でしたが、両岸もくっきりの素 晴らしい眺望に大感激でした。高所恐怖症も一時忘れて いました。土木工学に転向しようかなぁ・・・・などと・・・・。

課外活動

学会の主な任務は、学術や技術の知識・知恵に関する情報交換の場の提供で す。一方、社会における情報交換の手段は変革が著しく、使い方も大 きく変 わってきています。これは、社会の中での「学会」の位置づけから考えて、その 変革のペースは緩やかではありますが、学会活動の在り方や ニーズが変わるこ とを示唆していると思っています。とくに、ソフトな接点を提供するようなネッ トを利用した媒体や仕事に直結しないソフトな活 動(しかし、広い意味の知 識・知恵を涵養する)の価値の向上が大切になるでしょう。 準備をしなくっちゃ。

 

味噌カツ

先端科学セミナーの講師を仰せつかり、名城大学へ行ってきました。緊張の講 演の後、藤山先生(名城大学)や講演者の北岡先生(ファインセラ ミックセン ター)と夕食。ひつまぶし、名古屋コーチン親子丼・・・・。目移りがして眩暈 がします。また、名古屋へ行きたくなりますね。藤山先生は、高校3年間のクラスメートの上、大学・学部・学科・専攻・研究 室も同じだった材料強度学の盟友。楽しかった。

wine emergencyその1

中欧の田舎町へ滞在した 時、友人曰く、「この街にはwine emergencyがあるから安心だ よ」。 さて、いったいどんな所でしょうか?

wine emergencyその2

住宅街の端に少し大きなワイナリーがあり、入り口に守衛所のような小さな建物が あります。ここで24時間いつでもワイ ンを買ったり飲んだりすることができ、wine emergencyと言うそうです。ベッドに行くタイミングを失ってしまいそうです・・・ 。

技術と工学

工学は、技術に関 する学術です。学術は、体系化された(されつつある)知識・知恵です。 大学は、技術は教 えませんが、その知識・知恵の体系を教えるとともに発展させます。

怒り

京都にもマンションが数多くあります。観光地として有名なためか、 景観保護の一線を少し越えていると思われるようなものも見られます。 残念に思っても仕方がないかと思っていましたが、由緒ある神社(材料 学会本部の近く)が正面玄関に建てたマンションを見て、宗教的には無 色の人間でも怒りが湧いてきました。京都人の怒りを買っているぞ。

高温強度論

90分の講義を15回は、1回限りの講演とは大違い。とくに、大学院で初歩から最先端まで 体系的に話すのは、計画を立てるだけでも大変。先生から受け継いだ高温強度論の講義を、 専攻の都合もあって数年前に閉じた。 いつか、どこかでシリーズとして再開したいと思いながら・・・・・。

油揚げじゃないよ

日曜の お昼に、チーズパンとワインの小瓶を持って夫婦で御所ピクニック。 上空にトンビ。気をつけて二人の間を詰めた。ヤツは右隣の家内の目前を通り抜け、 3/4ほど食べていた私の手のパンを掻っ攫い、約70度の急展開で左前方へ離脱。 翼が家内に触るほどの接近飛行で、私の中の小目標のみを掴 みとる技術に脱帽。

たくましい

トンビ にピクニックのパンをさらわれた時、去り行くトンビからパンのかけらがポロリポロリ。 すぐに、2羽のカラスがそれを啄ばむ。トンビの腕?も確かだが、それを信じて後を追うカラスも すごいものだ。ボケて いるのは私だけ。

感性

メールが浸透して学会の流通が変化し、便利さは大きく変わっ たが感性に大きな変化はなかったように思う。 郵便や電話がメールになったシステムとしての変化であった。 スマホの普及では別の変化が学会に忍び寄っているように思う。 手軽・楽しいとしった個人の感性の情報交換も大切になるような。 学会運営にこの変化を導入しなければならなくなるだろうが・・・・。

2014年

夏空

トーストにノルウェー土産のタラコペーストをのせてブランチ。 窓の外は夏の青空、蝉の音シャワー、木陰くっきり・・・・・ 冷えた白ワインが1杯ほしくなったりして・・・・・ 宵まで、がまん、がまん

安全

安全の定義を記載している国際規格の一つにIEC 62278 があり、安全は「許容できない危害が発生するリスクがないこと」と定義されています。すなわち、安全は、リスクゼロということではないのです。技術者・研究者は、リスクの「許容範囲」についての認識がとても重要ということですね。

水の流れ

京都は南には山がない盆地で、南へゆくことを 「下がる」、北へ行くことを「上がる」と言うことは良く知られています。白川、鴨川、桂川、・・・すべて、水は北から南へ流れてゆき ます。   待てよ!  ひとつだけ南から北への流れがある!! さて、何処でしょう?

北へ

前号の続き 南禅寺の山手に抜けてきた京都疎水、その分流は 東山に沿って「北へ」流れ、永観堂を過ぎたあたりから哲学の道となり、松ヶ崎方面へ続いています。日本材料学会本部がある百万遍から15分ほど東に歩けば、下から上への流れを見ることが できますよ。

インパクト

ジャーナルのインパクト・ファクター(IF)は、 意味のないような・評価に関わるような・・気になる係数です。日本材料学会誌「材料」にはIFは ついていませんが、ScopusにはIFに 類似した数値として SJR (SCImago Journal Rankings) (2012) :0.243
SNIP (Source Normalized Impact per Paper) (2012) :0.455
があります。いずれも「材料」に掲載された論文の平均的引用度を表す数値です。

衝動買い

神戸の博物館へ北斎展を見に行った帰り、初夏の 陽気に何気なく入った街角の帽子屋さんで紙のように薄い中折れハットを発見。パラグアイ産の麻科のシゾールという植物の繊維を裂いて 編んだとか。美しい3次元造形と繊細な網目のイタリア技術の粋に脱帽。 いったん店を出て、一区画二区画歩いて、頭を冷やして、決断。

龍の眼

台湾で友人に土産に蜂蜜を勧められました。京都 の老舗蜂蜜屋を時々のぞきますが、昨今は淡い香りと上品な甘みが好まれているようです。龍眼から採取した台湾産は濃厚で、しっかりと した主張が頼もしい限りです。もっと買ってくればよかった。

ピザ生地も

マニュアルは凄いものですね。卵を割ることも出 来なかったのに、指示に忠実に従うと料理ができるのです。謙虚に、忍耐強く、学生実験と同じように計量・攪拌・加熱といった要領で す。数年前から中華からイタリアンまで:それなりの出来上がり。

お試し

材料学会は多くの分野を有する学際性に特色が あり、部門委員会が各専門分野の活動拠点になっています。部門委員会に所属すると、その分野の最新・有用な情報が得られます。正会員 は、希望の部門委員会に1年間お試し入会し、拠点の活動の様子を体験するこ とができます。味見をしてみては如何でしょうか?
http://www.jsms.jp/index_12.html

副会長

改革を目差して第63期 本部が始動しています。もっとも重い荷物を背負っていただいているのは
 小澤正邦 先生(名古屋大学)  部門委員会担当
 武正文夫 様(IHI)    支部担当
 北条正樹先生(京都大学)  将来課題担当
です。強力布陣は大変心強く、確実に歩みを進めたいと思います。

七野

京都には、かつてしちの(七野)と呼ばれる場所があったようです。 内野、北野、平野、点野、紫野、蓮台野、上野のうちいくつかは現在も地名が残っていますので、時折耳にすることがあります。 私の出身高校がそのひとつにあったからでしょうか。それは、この中でもっとも優雅なヤツです。

企画・広報

来年秋からの材料WEEKを はじめとして、企画・広報委員会において学会活性化の アイデアを練って いただいています。 この委員会は、学会の将来を左右する重要なグループと位置づけており、
菅田 淳 企画・広報担当理事(広島大)
荒 井政大 企画・広報担当理事(名古屋大)
小 林孝一 企画・広報担当理事(岐阜大)
が 中核の強力メンバーです。

北大路橋

8月16日 は 五山の送り火。鴨の河原は格好の見学場所です。 河原の同じ場所から五山すべてを見ることは不可能でしょう。 人はビルの上へ向かいますが、木々の中のそぞろ歩きの方が風情がありますよ。 秘密の場所:北大路橋の上を歩くだけで、4つの送り火をみることができます(一部ずつです)。  さて、見えない送り火はどれでしょうか?

機械工学って?

自分の専門領域を専門外の人に説明するのは、大変難しいものです。それができることが、技術者・科学者の「教養」のひとつといわれるのも、納得できます。私は機械工学を専門にしていますが、日本学術会議の参照基準にそれが出ています。
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-h130819.pdf

参照基準

工学の各分野の定義や大学にて教育すべき内容を纏めたものが、日本学術会議の参照基準です。 前回に紹介した「機械工学」以外に「土木・建築工学」がすでに出ており、今後に「材料工学」および「電気電子工学」が出る予定です。 大学の分野別評価と関わっていますので、大学評価機関から注目されているようですよ。
土木・建築工学分野
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-22-h140319.pdf

学者

アニメーション「天空の城ラピュタ」に登場する「ポム爺さん」の静かな言動に、心がざわめきます。  一途に石を愛する情熱と飛行石の知識・・・。  いつまでも変人型学者でいたい自分の願望ですね。

大黒柱

日本材料学会は、「庶務理事でもつ」と言われています。 難しい学会運営のパイロット役で、苦労を一身に背負っていただいています。
 日下貴之 庶務理事(立命館大)
   鎌田敏郎 庶務理事(大阪大)
   岸本 哲 庶務理事(物材機構)
皆さんのサポートをお願いします。

持ち主に似て

40年近く前に父からクォーツ腕時計を(無理やり?) 貰い受けた。 セイコーの特許公開からブームになりかけたばかりの父自慢のものだった。 大切にしているが、いつのころからか1週間に1分程度進むようになってしまった。 部品の不具合によるのだが、「このせっかち」の原因の交換部品はないとのこと。 年をとって、気短になって・・・・

戦略的イノベーション創造プログラム

この夏、所謂SIP(内閣府)資金が話題にのぼっていた。資金の大 きさもさることながら、 日本材料学会の中心に近い課題(インフラ維持管理・更新・マネジメント技術、革新的構造材料など)が いくつも並んでいたからでしょう。興味深いのは、各課題の詳しい説明が
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/
のpdfにあり、国の工学研究に対する方向性が見えることです。 とくに、自分の専門ではない分野を読む方が率直に透けて見えてきて、 材料学会の社会的重要性と使命を認識できます。資金獲得の目とは異なる視点で冷静に眺めてみてはいかがでしょうか。

時間の矢

大学生の頃はSF(サイエンス・フィクション)小説をよく読んだ。 出版が始まったばかりのペリー・ローダン シリーズとか。  未来予測能力を具えたミュータントが描かれたものも多いが、未来の見え方は作者によって大きく異なる。 時間という次元に対する多様なイメージと華やかな拡がりは楽しい。  しかし、何故この次元は後戻りできないのか??? 

目に見える改革

歴史ある学会誌ほど、その改革には時間が必要です。 強い忍耐と大きな勇気を持って、現在、「材料」の改革が編集委員会で進められています。 それを主導していただいているのが今期の編集理事です。
上野 明   編集理事 (立命館大)
望月正人 編集理事 (大阪大) 

ボケ防止

年齢を重ねてくると、無趣味の自分が怖くなり ます。 周囲から、停年になると呆けるタイプと脅され、成る程と納得して情けなくなったりして。 数年前まで、趣味:出張と言っていました。これでは、救われません・・・・・