公開部門委員会
第351回疲労部門委員会
「『疲労に関する表面改質分科会』における取組と今後の展望 」

主催

日本材料学会 疲労部門委員会

期日

2022年10月14日(金) 13:00〜16:30

会場

京都テルサ 東館3階D会議室(ROOM 10)
〒601-8047 京都市南区東九条下殿田町70番地
TEL 075-692-3400
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/

交通

JR線「京都駅」八条口から徒歩約15分,近鉄「東寺駅」から徒歩約5分,京都地下鉄「九条駅」から徒歩約5分,市バス「九条車庫」南へすぐ

趣旨

機械部品や構造物において,疲労損傷は構成部材間の接合部に生じることが多く,その疲労特性を向上するためには,接合技術と,これに応じた強度評価技術の両方の進歩・発展が望まれます.今回は「接合技術とその強度評価に関する最新動向」と題し,「材料WEEK」の企画に基づいた公開部門委員会を開催いたします.本会では,上記主題に即して接合技術に関する1件と,強度評価技術に関する2件の計3件の話題提供による研究討論会を企画しました.疲労部門委員会の委員のみならず,接合技術とその強度評価に関心をお持ちの方々のご参加と,積極的な意見交換を期待しております.

プログラム

1. 13:00〜13:30 疲労部門委員会ビジネスミーティング

2. 13:30〜16:40 研究討論会

(1) 13:30〜14:20
薄板アーク溶接部の微小亀裂の観察と 微小凹凸を考慮した疲労強度推定(疲労部門論文賞受賞講演)

九州大学 松田 和貴 氏

自動車足回り部材で広く用いられる薄板アーク溶接部の疲労試験を実施した.疲労限の応力を107回載荷し,未破断と判定された試験片を顕微鏡で観察したところ,溶接金属表面の微小なリップルから微小な疲労亀裂が発生していることが分かった.さらに,微小亀裂は溶接金属表面の粗大なフェライト組織において生じている場合が多かった.そこで,溶接金属表面の微小な凹凸形状と巨視的な止端形状の双方が疲労強度に及ぼす影響を定量的に評価する方法を提案した.また,溶接金属表面のフェライト組織を微細化することで,疲労強度が向上することを見出した.

(2) 14:20〜15:10
マグネシウム合金の摩擦攪拌接合特性について

茨城県産業技術イノベーションセンター 行武 栄太郎 氏

構造体の軽量化材料として自動車等の輸送機器へのマグネシウム合金の適用拡大が進んでいる.また,Ca添加による難燃性を付加した新しい難燃性マグネシウム合金の開発も進んでおり,更なる用途拡大が期待されている.本講演では,これら各種マグネシウム合金の接合手段としての摩擦攪拌接合技術の適用について,摩擦攪拌接合に用いるツール特性(形状や材質),さらには,接合条件(ツール回転数,接合速度等)が接合部の機械的特性,金属組織等へ及ぼす影響について系統的に試験評価した結果を報告する.

<休憩>15:10〜15:25

(3) 15:25〜16:15
散逸エネルギに基づく疲労限度推定法の各種接合継手に対する応用

神戸大学 小川 裕樹 氏

高い水準での安全性および信頼性が要求される溶接構造物に対しては,破壊の主要因である疲労に対する評価を正確かつ迅速に行う必要がある.そこで本研究では,短時間で疲労限度推定が可能な散逸エネルギ測定に基づく疲労限度推定法に注目し,FSW継手およびレーザ溶接継手に対する適用性について実験的検討を行った.その結果,散逸エネルギ分布より継手の破壊起点を明瞭に観察できるとともに,各種接合継手に対しても散逸エネルギに基づき疲労限度を推定できることが明らかになった.

(4) 16:15〜16:30 総合討論

参加費

無料

事前登録制です.参加ご希望の方は,以下のいずれかの方法で回答してください.

  1. フォームURL(https://forms.office.com/r/9FLFE1qFzh)で回答
  2. QRコードを読み込んで回答
  3. 庶務幹事(secfatigue@fatigue.jsms.jp)までメールにてご連絡

[参加受付期限:10/7(金)まで]

注意事項

会場とオンラインのハイブリッド開催です.新型コロナウィルスの感染拡大状況 によっては,オンライン開催に変更となる可能性がございます.