第7回フラクトグラフィ講習会
開催日 2019年10月15日(火),16日(水)
主催
日本材料学会
協賛(予定)
日本機械学会,日本金属学会,日本材料強度学会、日本材料科学会、日本原子力学会、日本航空宇宙学会、高分子学会、日本複合材料学会、応用物理学会、溶接学会、日本セラミックス協会、日本鉄鋼協会,土木学会,日本高圧力技術協会,腐食防食学会,精密工学会,日本船舶海洋工学会,日本溶接協会,日本建築学会,日本ばね学会,日本ばね工業会 (順不同)
期日
2019年10月15日(火),16日(水)
会場
京都テルサ 東館2階 視聴覚研修室
〒601-8047京都市南区東九条下殿田町70番地
京都府民総合交流プラザ内
http://www.kyoto-terrsa.or.jp/
趣旨
フラクトグラフィは破壊の研究や事故の解析に最も有効な手段の一つでありますが破面の解析手法や見方についてはある程度の経験が必要であります。フラクトグラフィ部門委員会では約40年にわたるデータと最新のデータをまとめた単行本、『フラクトグラフィ』を刊行いたしております。前回の講習会と同様、フラクトグラフィ技術の関連分野への浸透を図ると同時に、経験の浅い研究者や技術者についても適切な破面の解釈が行われるようこれをテキストとした第7回講習会を企画致しました。第一日目の講習会終了後、講師を交えて情報交換していただく場として「交流会」も行います。皆様の積極的なご参加を希望いたします。今回の講習会は「第5回材料WEEK」の併設行事として開催されます。
プログラム
第1日 10月15日(火)
- フラクトグラフィの基礎と展開(10:00- 11:30)
物質・材料研究機構 長島伸夫
フラクトグラフィの基礎となる破面観察とその手法について、マクロ破面観察、ミクロ破面観察および破面の情報解析などの概要と、破面の保存と除錆法などの留意点を述べる。また、代表的なフラクトグラフィ用語、マクロ破面観察による破壊起点の確認方法などを紹介する。
- ガラスの破壊(12:40-13:50)
都立産技研 上部 隆男
ガラスの破壊の特徴について金属と比較して紹介する。ガラスの破損事故では、破片がバラバラになることもあり、破片の収集、製品の復元などが事故解析のはじめとなる。復元したガラス製品のクラックの見方や破面の見方、起点の見つけ方などについて、事例を交えて解説する。また、最近話題になる強化ガラスの破壊ついて、トピックを交え紹介する。
- 新素材の破壊(13:50-15:00)
長岡技術科学大学 宮下幸雄
セラミックスおよび金属間化合物は高温構造材として注目され、開発が進んできた。その利用は着実に増大しており、それらの特性を効果的に利用する設計が求められている。本項では、セラミックスと金属間化合物の室温ならびに高温疲労の基本的特性、疲労破壊機構について述べるとともに、それらの破面の特徴について解説する。
- 環境破壊(15:15-16:25)
東北大学 秋山英二
金属材料の環境破壊現象は広範かつ多岐にわたるが、なかでもSCCは代表的な損傷事例と言える。SCCは金属材料が特殊なアニオンを含む腐食環境下で引張応力を受けて破壊する現象であり、電気化学的には金属溶解によるものと金属内に吸蔵された水素による水素脆化割れに大別される。ここでは、それらの環境破壊現象についてその影響因子に注目しながら割れの発生箇所、破面性状やその面方位などのフラクトグラフィ的検討例を概説する。
- 質疑応答(16:25-16:45)
司会 物質・材料研究機構 長島伸夫
交流会(17:00-18:30) - 疲労(9:40-10:50)
埼玉大学 荒居善雄
先ず過去に起きた重大疲労破壊事例を歴史的に展望する。疲労破壊の発生、進展に伴う豊富な破面形態事例を解説し、疲労破壊事故解析に役立つ破面形態情報を如何に読み取られるか概説する。具体的には、発生部破面形態の特異性、材料組織と破面形態、進展速度に伴う破面形態の変化、ストライエーションの形成機構、モードU進展破面について講習会テキストを中心に解説する。
- 腐食疲労(10:50-12:00)
福岡大学 江原隆一郎
先ず、腐食疲労現象、腐食疲労強度への影響因子および腐食疲労防止対策など腐食疲労の特徴について概説する。その後、気相、水溶液および極限環境など各種環境下における構造材料の腐食疲労き裂発生機構、進展機構および腐食疲労破面の特徴について平易に解説する。
- 事故解析(13:00-14:10)
労働安全衛生総合研究所 山際 謙太
破損事故解析とフラクトグラフィとのかかわりについて、破面処理、起点の観察、ミクロ破面の観察、破壊力学による定量解析(稼動応力,疲労寿命推定など)を中心として解説する。また、実機の事故破面の解析事例と共に、破断面の解析方法について述べる。
- フラクトグラフィの今後の展望(データベースと機械学習)(14:25-15:35)
立命館大学 上野 明
破面観察を行い,破面が有する特徴(破断時の負荷様式,破壊起点,き裂進展方向など)を得るためには,「場数を踏む」が必要である.効率よく「場数を踏む」ためには,破面写真集や破面データベースが有用である.日本材料学会フラクトグラフィ部門委員会で構築した破面データベースを紹介する.加えて,近年の発展が著しい「AI」を用いた,破面形態自動識別の試みの事例についても紹介する.
- 質疑応答(15:35-16:00)
司会 物質・材料研究機構 長島伸夫
第2日 10月16日(水)
定員
30名
参加費
会 員(協賛団体会員を含む): | 一般 | 20,000円 |
学生 | 3,000円 | |
非会員: | 一般 | 30,000円 |
学生 | 5,000円 |
テキスト
『フラクトグラフィ(丸善出版)』
14,000円
既にテキストをお持ちの方は参加費のみで結構です.
交流会参加費(京都テルサ内レストランにて開催予定)
一般 2,000円 学生 500円
申込締切日
2019年10月1日(火) → 10月7日(月)※締め切りました.お申込みありがとうございました.
[連絡先]
〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町 1-101
日本材料学会フラクトグラフィ講習会係
TEL: (075) 761-5321 FAX: (075) 761-5325 E-mail: jimu@jsms.jp
[送金先]
- 銀行振込みの場合:みずほ銀行出町支店
普通 No.1005419 口座名義 公益社団法人 日本材料学会 - 郵便振替の場合:01000-1-26625
- 参加者には参加証をお送りしますので,会期中ご持参ください.
- 講師その他のやむを得ない事情により,プログラム,講義内容に一部変更が生じる場合がありますので,予めご了承願います.
- 参加費の払い戻しはいたしません.