講習会
「破壊力学の基礎と最新応用」
(実習付,修了証発行)

開催日 2025年5月20日(火),21日(水)

※日本機械学会関西支部と交互で開催している本講習会は,本年度,日本材料学会関西支部が主催として開催いたします.

主催

日本材料学会関西支部

協賛

日本機械学会関西支部,日本金属学会関西支部,日本原子力学会関西支部,日本航空宇宙学会関西支部,高分子学会関西支部,自動車技術会関西支部,精密工学会関西支部,日本塑性加工学会関西支部,土木学会関西支部,地盤工学会関西支部,溶接学会関西支部,資源・素材学会関西支部,日本鋳造工学会関西支部,日本建築学会近畿支部,日本複合材料学会,日本接着学会,プラスチック成形加工学会,炭素材料学会,日本材料強度学会,日本材料科学会,日本鉄鋼協会関西支部,日本非破壊検査協会関西支部,日本セラミックス協会関西支部,腐食防食学会関西支部,日本コンクリート工学会近畿支部,大阪府溶接技術協会,日本船舶海洋工学会関西支部,日本高圧力技術協会,強化プラスチック協会,複合材料界面科学研究会,日本ロボット学会(予定)

主旨

破壊力学は,構造物の強度計算や余寿命評価のみならず,製造法や品質保証を検討する上できわめて有用なツールとなることから,橋梁などの大型構造物からLSIなどの電子部品の設計・生産・評価にいたるまで様々な産業分野に広く普及するようになっております.本講習会では,各分野の第一線でご活躍の方々を講師としてお迎えし,破壊力学の基礎から最新の技術開発動向にいたるまで,平易かつ具体的にご講演いただきます.また,講義で学んだ内容を体得していただくために,破壊じん性試験の実習および応力拡大係数計算の演習を設けております.企業・研究所の若手技術者・研究者,理工系の学生の方などはもちろん,すでにこの方面に携わっておられる方々にも有益な内容となっておりますので,多数の方々のご参加をお待ちしております.

日時

2025年5月20日(火),21日(水)

会場

(株)島津製作所 三条工場 研修センター
https://kansai.electrochem.jp/shimadu2009access.pdf
京都市中京区西京桑原町1,Tel:075-823-1111

プログラム

【5月20日(火)】(8:40 集合)

1.開会の挨拶

(8:45〜8:50)
日本材料学会関西支部 支部長

2. 破壊力学の考え方

(8:50〜10:50)
久保司郎(大阪大学)

破壊力学の基礎となる「き裂の力学」を,破壊力学に特有のき裂先端近傍で支配的な特異応力場の概念およびエネルギーバランスに基づいて解説し,き裂の強度評価に際して必要となる応力拡大係数,J積分,CTOD,エネルギー解放率などの破壊力学パラメータの意味と役割について,具体例を交えながら説明する.

3.破壊じん性値とその試験方法

(11:00〜12:10)
田川哲哉(JFEスチール(株) スチール研究所)

主として,金属材料の破壊じん性の評価法,破壊じん性を構成する要因,破壊じん性値に影響を及ぼす各種因子の影響などについて解説するとともに,ASTM,ISO,BS,日本機械学会などの試験規格とその動向について紹介する.

4.疲労き裂進展問題に対する破壊力学の適用

(13:00〜14:10)
菊池将一(静岡大学)

疲労き裂進展特性とその破壊力学による評価法,ならびにASTM規格を中心とする疲労き裂進展試験法およびき裂開閉口の計測法などについて説明する.

5.環境強度問題に対する破壊力学の適用

(14:20〜15:30)
箕島弘二(阿南工業高等専門学校)

応力腐食割れおよび腐食疲労き裂進展に対する破壊力学の適用法について解説するとともに,腐食環境中で使用される構造部材の余寿命評価に対する破壊力学の応用について述べる.

6.先進複合材料の強度評価に対する破壊力学の適用

(15:40〜16:50)
北條正樹(近畿職業能力開発大学校)

異方性材料への破壊力学の適用について解説するとともに,先進複合材料の破壊の特徴について説明する.破壊じん性と疲労き裂伝ぱの評価法と特性,破壊機構とその破壊モード依存性について述べる.

【5月21日(水)】(8 : 55 集合)

7.高温強度問題に対する破壊力学の適用

(9:00〜10:10)
北村隆行(滋賀県立大学法人)

高温クリープ条件下におけるき裂先端近傍の応力・ひずみ速度場とそれを規定する破壊力学パラメータについて解説するとともに,高温疲労き裂伝ぱに対する破壊力学の適用法について述べる.

8.接合・接着問題への破壊力学,特異場パラメータの適用

(10:20〜11:30)
服部敏雄(岐阜大学)

ほとんどの機械・機器はその生産性,メンテナンス性などから多くの締結・結合部を有している.しかしこれら機械・機器の強度,信頼性のトラブルの多くはこの締結・結合部で起こることに注意する必要がある.この原因は,そもそもこれら締結・結合部での力の流れが複雑で,詳細な強度解析が困難な点にある.ここでは,接合・接着部の最大の弱点部位となる界面および端部について破壊力学および応力特異場パラメータを適用した強度評価法について概説する.

9.破壊じん性測定の実習

(A班:12:30〜14:30,B班:14:40〜16:40)
(株)島津製作所

CT試験片を用いて,金属材料の破壊じん性試験およびき裂進展試験の実習を行う.

10.破壊力学に基づく機器の構造健全性評価

(A班 :14:40〜15:50,B班:12:30〜13:40)
野村雄一郎(三菱重工業(株) 総合研究所)

構造物の強度設計,余寿命評価,保守などに破壊力学がどのように適用されるかを解説するとともに,原子力機器・配管における考え方,基準をもとに圧力容器や配管等への適用法を紹介する.また,関連する最近のトピックスについても論ずる.

11.応力拡大係数の計算演習

(A班 :16:00〜16:40,B班:13:50〜14:30)
塩澤大輝(神戸大学 工学部)
早川守(日本製鉄(株) 技術開発本部)

各種き裂の応力拡大係数について,ハンドブックなどを参考に計算演習を行うとともに,計算の際に留意すべき事項について解説する.

定員

50名

参加費(テキストおよび発表資料代を含む)

会員個人・法人35,000円
大学・官公庁17,500円
学生10,000円
非会員個人・法人55,000円
大学・官公庁35,000円
学生17,500円

※会員は,協賛学協会会員を含みます.

申込締切日

2025年4月30日(水)
ただし,申込み人数が定員に達していない場合には,締切日以降でも参加申込みを受け付けます.

申込方法

E-mail(kansai@office.jsms.jp宛)またはFAX(075-761-5325)にて,「破壊力学の基礎と最新応用講習会申込」とし,(1)氏名,(2)年齢,(3)勤務先,(4)職名,(5)連絡先(郵便番号,住所,電話,FAX,E-mail),(6)所属学協会 を明記の上お申込いただき,下記の口座に参加費をお振込み下さい.

参加費振込先

注意

  1. 会場の島津製作所三条工場 正門守衛所で入門の確認をお受け下さい.
  2. 参加者には参加証をお送りしますのでご持参下さい.
  3. 講師その他にやむを得ない事情がおきた場合,プログラムの一部を変更することがありますのであらかじめご了承ください.
  4. 参加費の払い戻しはいたしません.
  5. 昼食はご持参ください.
  6. テキストおよび発表資料は電子ファイルで配布します.
    講習会当日は電子ファイルを表示できる機器をご持参下さい.
  7. 平方根や三角関数が計算できる電卓と筆記用具を必ずご持参下さい(計算演習で使用します).
  8. 不測の事態に備えて団体傷害保険に加入いたしますが,各自安全には十分ご注意下さい.万一事故が生じた場合,責任は負いませんので,実習測定の際は十分注意して作業して下さい.

その他

  1. 本講習会の受講者に限り「STRESS INTENSITY FACTORS HANDBOOK(K値ハンドブック)」を以下の価格で販売いたします.
    購入を希望される方は,参加申込書に「K値ハンドブック購入希望」と明記してお申し込み下さい.

    <Vol. 1&2: DVD版(K値ハンドブック電子版)>
      会 員価格:27,500円
      会員外価格:33,000円
      (送料:430円)

    <Vol. 3,4,5: ハードカバー3冊セット>
     (定価101,852円)
      会 員特別価格:81,481円
      会員外特別価格:91,667円
      (送料無料)

  2. 本講習会に2日間通して参加された受講者に修了証を発行します.
    学生の方は就職活動,すでにお勤めの方はキャリアアップ等にお役立て下さい.

連絡先

〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町1-101
日本材料学会関西支部
TEL: 075-761-5324  FAX: 075-761-5325
E-mail: kansai@office.jsms.jp

※参加申込みの際にお届けいただいた個人情報は,参加証等の送付,諸連絡,行事案内等の日本材料学会の事業運営のみに使用させていただきます.