部門・研究委員会

本学会には,以下の部門委員会があります.


☆☆部門委員会制定の賞☆☆

部門委員会への入会は本会会員であることが必要です。未入会の方は入会手続きをおとり下さい。入会案内 

※活動報告:会誌「材料」6月号(Vol.62,6)掲載
※各部門委員会の活動を紹介しています。→ 紹介頁へ

部門・研究委員会名

委員長(所  属)

活動報告※

疲労部門委員会

小茂鳥潤(慶應義塾大学)

高温強度部門委員会

伊藤隆基(立命館大学)

PC構造部門委員会

西山峰広(京都大学)

X線材料強度部門委員会

栗村隆之(三菱重工業梶j

腐食防食部門委員会

藤本慎司(大阪大学)

地盤改良部門委員会

勝見 武(京都大学)

木質材料部門委員会

金山公三(京都大学生存圏研究所)

塑性工学部門委員会

岡村一男(新日鐵住金梶j

岩石力学部門委員会

芥川真一(神戸大学)

コンクリート工事用樹脂部門委員会

鎌田敏郎(大阪大学)

極限環境部門委員会

木村佳文(同志社大学)

コンクリート用骨材部門委員会

大野義照

コンクリート用混和材料部門委員会

鶴田浩章(関西大学)

複合材料部門委員会

大窪和也(同志社大学)

フラクトグラフィ部門委員会

上野 明(立命館大学)

信頼性工学部門委員会

白木 渡(香川大学)

セラミック材料部門委員会

塩野剛司(京都工芸繊維大学)

破壊力学部門委員会

西川 出(大阪工業大学)

高分子材料部門委員会

櫻井伸一(京都工芸繊維大学)

衝撃部門委員会

板橋正章(諏訪東京理科大学)

強度設計・安全性評価部門委員会

河嶋壽一(龍谷大学)

マルチスケール材料力学部門委員会

泉 聡志(東京大学)

半導体エレクトロニクス部門委員会

矢野満明(大阪工業大学)

ナノ材料部門委員会

大塚浩二(京都大学)

生体・医療材料部門委員会

久森紀之(上智大学)

金属ガラス部門委員会

才田淳治(東北大学)


《材料学会概要》 
《事務局紹介》 《入会案内》 

部門担当者ページ
   ☆☆部門から本部へ提出する各種申請書等ダウンロードできます。☆☆


(平成25年 6 月現在)
本会に設置されている各部門・研究委員会は,各種材料の構造,物性ならびにその応用に関する研究を目的として日々活発な活動を行い,顕著な成果を挙げております.
 以下に,それぞれの委員会の発足から現在までの活動内容および今後の活動方向を紹介するとともに,加入を希望される場合の要領についてもお知らせいたします.

疲労部門委員会
(1) 委員会の沿革と活動内容
  本委員会の設立は,本会の前身である日本材料試験協会創立の翌年,昭和28年5月であり,本会で最も長い歴史を有している.本委員会設立以来,既に60年を経て,委員も設立当初の30名足らずから,現在では年度によって多少増減はあるものの220〜230名となり,本会において最大の委員会に発展してきている.
本委員会では,疲労事故の防止と疲労問題の解決に向けて,大学・研究所のみならず,設計の現場において疲労の問題に携わっている幅広い関係諸氏が多数参加され,活発な活動を行っている.活動内容としては,既存の材料のみならず新素材も含め,それらの疲労現象の本質や疲労破壊の機構に関する基礎的研究から,現場における疲労設計技術の開発に関する応用的研究に至るまで,広範な疲労に関する課題を取り上げて情報交換を行うとともに,社会的ニーズにも応えうるような活動を行っている.原則として年5回開催している委員会では,委員会運営や疲労研究に係わる諸事項を審議するとともに,最近の話題を取り上げた研究討論会を企画している.有償ではあるが,研究討論会が公開になり委員外の方も参加できるようになっている.また,企業や研究所等における関連施設の見学も随時実施している.なお,本委員会委員以外の方でも,本委員会の研究討論会(演題は本会の当委員会ホームページhttp://fatigue. jsms.jpで閲覧可能)で配付された資料の入手を希望される方は,本会事務局にその旨を申し出ることによって,有償で入手できることを付記しておく.
(2) 本委員会への加入方法
  新委員の委嘱にあたっては,幹事会の議を経て,委員会に諮って承認を得ることになっている.原則として,本委員会委員の推薦によるが,加入希望者は所属・連絡先等を明記した文書により本会事務局宛に直接申し出られてもよい.ただし,本委員会の委員となるには本会の会員でなければならない.また,資料費(委員会費)として,大学・官公庁・企業等から個人委員として加入される場合は年間1,500円を,企業から法人委員として加入される場合は年間25,000円を,それぞれ納入いただくことになっている.
(3) 本委員会による企画事業
  疲労シンポジウム
  本会の破壊力学部門委員会と協調し,隔年開催で10月または11月に「疲労シンポジウム」を企画している.平成20年に開催した第29回疲労シンポジウムでは,初めての試みとして,中国側からの要請に応じる形で第1回日中合同疲労シンポジウムを併設した.平成23年に第2回を中国成都市で開催し多数の参加者により活発な議論が行われた.今後3年間隔で交互開催する予定であり,次回は平成26年の秋に岐阜県高山市で開催することが決定している.疲労シンポジウムでは,特に若手研究者の今後の更なる活躍を奨励するため,当該年度末で37歳未満のシンポジウム講演者のうち審査により優秀と認められた方に「優秀研究発表賞(学術分野,技術分野)」を授与している.詳細については上記ホームページにも掲載しているが,同賞への応募者から講演論文の事前審査により候補者を厳選し,さらに最終的な講演発表の審査を経て,5名程度の受賞者を幹事会で決定している.授与式は,シンポジウム開催の翌年3月の疲労部門委員会にて行い,受賞者には賞状ならびに副賞として楯を授与している.
また,疲労シンポジウムの開催年度の2月には,同じく本会の強度設計・安全性評価部門委員会と共催で「機械・構造物の強度設計・安全性評価シンポジウム」も開催している.
  疲労講座
  疲労問題に関する啓蒙と疲労の基礎的知識を広く普及することを目的とし,疲労講座を年1回開催している.併せてその時々のトピックスや開催地での地域性も織り込んで,多彩な企画を行い,毎回好評を博している.近年は基礎的な内容をベースとした「初めて学ぶ金属疲労」というテーマで初心者にも分かり易い講座を開設し,好評である.今後,これまで疲労問題に触れてこなかった方々への勉強の場として提供していくことを計画している.
  初心者のための疲労設計講習会
  本講習会は,疲労問題に直面している若手技術者,あるいはこれから直面すると予想される技術者を対象に企画したものである.本講習会では,疲労の基本現象から実際の設計手法に至るまでの基礎をできるだけわかりやすく講述し,また演習も実施することにより,基礎的な疲労設計について修得いただけるようにしているので,積極的にご参加願いたい.なお,本会制定の技能検定・認証制度による材料試験技能士1級(疲労試験)を取得するには,事前に本講習会を受講しておく必要がある.
  通常総会・学術講演会併設行事
  本会の通常総会・学術講演会の併設行事として,関連部門委員会とも連携を取りながら公開研究討論会,あるいは学術講演会ではオーガナイズド・セッション等も企画担当し,学術講演会活性化に対しても積極的に貢献している.
(4) 分科会活動
  本委員会には,特定のテーマを集中的に討論できる場を提供するため,分科会を設置している.現在活動中の分科会は二つであり,「軽量航空機疲労設計分科会」は他学協会との連携のもと,軽量航空機に関する研究テーマを中心に活発な活動が推進されている.「超高サイクル疲労研究分科会」は,軽金属材料を中心としてギガサイクル領域の疲労特性を明確にするため共同研究を実施している.
(5) 出版等事業
  一般図書
  本委員会が中心となってこれまでに出版してきた主な書籍としては,「疲労試験便覧」,「金属の疲労」,「金属材料疲労設計便覧」,CJMR Vol. 1, Current Research on Fatigue Cracks,CJMR Vol. 2, Statistical Research on Fatigue and Fracture, CJMR Vol. 14, Cyclic Fatigue in Ceramics,「疲労設計便覧」,ならびに「初心者のための疲労設計法(第4版)」がある.また,後述のデータベースに基づいて「金属材料疲労強度信頼性設計資料集」も発行している.さらに,1955年から2001年にかけて約50年分に及ぶ「材料の疲労に関する研究の趨勢」を,毎年本委員会に設置した編集委員会が中心となって毎年編集・刊行してきた.この書籍の特徴としては,疲労研究の歴史的推移が明確に把握できるだけでなく,掲載の研究論文については抄録を含む書誌情報があるため,疲労研究の実施に際して関連情報を容易に入手できるというデータベース的な役割も果たしてきた.本書についてはバックナンバー(一部品切れ)があるので,疲労研究の動向にご関心のある方は是非これらをご活用いただきたい.
  データベース
  本会の信頼性工学部門委員会との共同により昭和57年に「金属材料疲労強度データ集」(Vol. 1〜Vol. 3) を,平成4年には「同データ集」のVol. 4とVol. 5を,さらに昭和58年には「金属材料疲労き裂進展抵抗データ集」(Vol. 1およびVol. 2) を,それぞれ出版した.これらのうち疲労強度データ集に収録された
データについては,本委員会に設けられたデータベース管理委員会がその後デバッグ作業を精力的に行い,データ内容の信頼度を大幅に向上させた.それらの成果は,既刊のVol. 1〜Vol. 5を再編集したDatabook on Fatigue Strength of Metallic Materials (Vol. 1〜Vol. 3) としてまとめられ,平成8年に本会とエルゼビア社による共同出版を行った.これにより,頒布も国内のみならず広く海外にも向けて開始し,好評を博している.現在,先進材料の疲労強度ならびに超高サイクル領域の疲労強度データの収集,公開に向けた作業を行っている.今回はweb上でデータ検索,S-N曲線の作図ができるオンラインシステムも構築することになっている.上記「金属材料疲労き裂進展抵抗データ集」は完売したため,その復刻版を作成し,併せてその頒布価格も求めやすく改定した.また,セラミックス強度に関して収集したデータをもとに,Ceramics Strength Database (Vol. 1) も刊行している.なお,上記のいずれのデータ集についても,それに収録された全データはコンピュータ可読のデータベース化がなされており,電磁気媒体による頒布も実施していることを付記する.ご購入に係わる詳細については,前述の当委員会ホームページに掲載しているので,そちらをご参照されたい.
  学会標準
  本会の創立50周年記念事業の一環として学会標準の策定も行った.本委員会としては,平成13年に「圧子圧入法によるセラミックスの残留応力測定法」を,また信頼性工学部門委員会と共同で平成14年には「金属材料疲労信頼性評価標準−S-N曲線回帰法−」をそれぞれ発刊している.なお,後者については改訂版を発行するともに,平成19年にその英文版 Standard Evaluation Method of Fatigue Reliability for Metallic Materials-Standard Regression Method of S-N Curvesを出版した.多くの方々にご利用いただき,これらの標準に対して貴重なご意見等を賜りたい.
高温強度部門委員会
(1) 沿革と趣旨
  本会は,1954年に「クリープ部門委員会」として発足した.クリープに限らず高温疲労など高温強度全般にわたる問題を扱うようになったことから,1959年に「高温強度部門委員会」と改め,今日に至っている.この間,我国を代表する多くの研究者を輩出し,我国のみならず世界における高温強度研究をリードして来た.また,高温機器の信頼性向上など産業界の発展にも寄与してきた.本会は“学会活動を通じた社会貢献”を趣旨としており,産業界からも多くの委員に参加いただいている.以下に,その活動の概要を紹介する.
(2) 部門委員会および表彰制度
  本会の活動内容を委員の皆様に協議していただく場として,部門委員会を年5回開催している.同時に,講演会を開催しており,活発な討論の場を設けている.
また,将来性に富む研究成果を挙げた人に対する「躍進賞」,研究開発において顕著な業績を挙げた人に対する「貢献賞」さらに,社会の発展および人材育成に功績を残した人に対する「功労賞」を設け,毎年,後述の高温強度シンポジウムの場で表彰している.
(3) 研究発表
  毎年12月初旬に「高温強度シンポジウム」を開催している.学界のシーズと産業界のニーズの交流の場として重要な行事であり,例年,活発な議論が行われている.また,本シンポジウムは人材育成の場としても重要であり,若手の優秀な発表に対して「ベストプレゼンテーション賞」を設けている.本シンポジウムは1959年に始まり,昨年,第50回記念大会を開催した(文末の写真参照).これまでの講演前刷原稿を収録したDVDは,本分野の研究の趨勢や変遷を知る貴重な資料であり,本分野に携わる方に購入をお勧めする.
その他,研究発表の場としては,毎年5月に開催される学術講演会のオーガナイズド・セッションがある.また,論文投稿の場としては,会誌「材料」に2年に1回のペースで「高温強度特集号」を企画し,最新の研究成果を発信しているので,活用いただきたい.
(4) ワーキンググループ活動
  本会では,ワーキンググループ活動を積極的に推進している.活動は課題研究あるいは技術伝承を目的とするものと,試験法標準およびデータベースを社会に提供するものとに大別される.これらの活動に興味をお持ちの方は是非,参加いただきたい.また,活動の成果は報告書として発刊されているので,興味のある方は購入されたい.これまでに設立されたワーキンググループを目的別に列挙する(括弧内は設立年,下線は現在も活動中).
課題研究あるいは技術伝承を目的とするワーキンググループ
熱応力と熱疲労 (1970),高温用材料の組織と強度 (1970),非弾性解析法 (1982),高温疲労破損のクライテリオン (1986),金属基複合材料の高温強度 (1991),高温材料ミクロ組織・強度特性調査 (1994),超合金とそのコーティング材の高温強度評価技術 (1997)
試験法標準およびデータベースの提供を目的とするワーキンググループ
高温疲労試験のあり方 (1982),寿命・余寿命評価法検討 (1991),はんだの強度評価法 (1997),高温低サイクル疲労試験法標準 (2000),損傷評価 (2006),微小サンプルクリープ試験法 (2006),高温き裂進展試験法 (2008),余寿命診断技術評価(2011)
(5) 情報提供
  ワーキンググループ活動等を通じて,これまでに作成した試験法標準およびデータベースを以下に列挙する(括弧内は発刊年).「はんだの引張,クリープ,低サイクル疲労,クリープ疲労試験法標準および同データベース」(2000,2004),「高温低サイクル疲労試験法標準」(2003),「微小サンプルクリープ試験法標準」(2012).
また,会誌「材料」には,時代の要請に応じた課題について第一線の研究者による解説を連載講座として発信している.これまでに連載された課題を列挙する(括弧内は発刊年).「構造物の高温強度について」(1969),「金属および合金の高温変形挙動」(1981),「高温機器設計の現状と将来」(1987),「高温変形のコンピュータシミュレーション」(1995),「高温破壊のコンピュータシミュレーション」(1995),「超あるいは極の技術と高温強度」(2002),「熱疲労破壊の新展開」(2007),「高温機器における劣化・損傷の検出と寿命診断」(2009),「高温機器における余寿命診断技術開発の最前線」(2012),
(6) 国際交流
  1992年から中国機会学会高温強度部門と日中高温強度シンポジウムを開催してきた.第1回(1992年,洛陽),第2回(1995年,長岡),第3回(1998年,南京),第4回(2001年,つくば),第5回(2004年,西安),第6回(2007年,仙台),第7回(2010年,大連)と回を重ね,今年は第8回を旭川市で開催予定である.今後は,本シンポジウムをアジアに拡大することや,本分野の研究が盛んな欧州との技術交流も検討している.
(7) 技術伝承支援
  昨今,企業や大学において高温強度に係わる技術を伝承・習得することが難しくなっているため,本会はこれを支援すべく,「若手研究者および技術者のための高温強度講習会」を2008年,2010年,2012年に明石市で開催した.2日間で第一線の研究者から高温強度の基礎から応用を学び,関連する実験技術を習得できるように企画されている.今後も,注力して行きたい催し物なので,奮って参加いただきたい.

最後に,本会は今後も高温強度研究の発展と社会貢献を目指して活動していく所存なので,より多くの皆様が入会されることを期待している.
(本会ホームページ http://hightemp.jsms.jp/index.htm

PC構造部門委員会

本研究委員会は,プレストレストコンクリート(以下PCと略記)構造に関して主に材料的な側面を調査・研究することを目的としている.特に,高強度コンクリートのPC構造への適切な利用法を検討するために,高強度コンクリートの材料としての問題点,および,部材として利用した場合の利点と設計法,さらには,建築構造物として高強度コンクリートを利用する利点および欠点などについて討議している.2012年度は,前年度に続き,中塚佶大阪工業大学教授が委員長を務めている.
2012年度に開催された委員会では,道路橋の維持管理とライフサイクルコスト,PC梁の想定外曲げひび割れに対する必要鉄筋量,既存鉄筋コンクリート造建物に対するPC圧着型外側耐震補強,乾燥収縮とクリープに関する課題などについて検討・議論した.
今年度も引き続き,PC構造物の設計法の性能規定型への移行に伴い必要となる材料レベルでの性能の明示方法とその実現方法,PC構造物の耐火性能,乾燥収縮,クリープ,ひび割れ等の問題について調査研究を行っていく予定である.
(委員会ホームページhttp://pckouzou.jsms.jp./index.html

高分子材料部門委員会

本委員会は1950年にレオロジー部門委員会として発足し,日本レオロジー学会が設立された後,1983年委員会の名称を高分子材料部門委員会と改め,活動範囲を広げ現在に至っている.本委員会では,広く高分子材料についての諸問題と関連技術の向上に役立つことをまず念頭において活動を行ってきた.現在,大学官公庁60%,企業30%,その他10%で,約26名の委員会となっている.
高分子は金属および無機材料と並ぶ3大構造材料の1つである.近年,材料としての耐久性・信頼性が飛躍的に改善されたが,まだ多くの未解決の課題を抱えている.この問題の解決は本委員会の中心的関心事項の1つである.さらに,最近では技術の高度化および多様化に伴い,種々の機能をもつ高機能性材料としての高分子の開発が期待されている.また,地球環境保護の観点から,リサイクル高分子,バイオマスプラスチック,および生分解性プラスチックの開発も進んでいる.本委員会では,構造材料と機能材料という高分子材料の2つの側面を,有機的に関連づけ広く深く討論する場を提供している.
2012年(平成24年)度の活動は以下の通りである.
1. 第161回第77回高分子材料セミナー「高機能性エポキシ樹脂の最前線」,講演3件:長谷川喜一 氏((元)大阪市立工業研究所)「最近の高機能性エポキシ樹脂−接着性を中心に」,小椋 一郎 氏(DIC梶j「高性能特殊エポキシ樹脂の分子設計 (高耐熱性,低吸湿性,低誘電特性など)」,早川 晃鏡 氏(東京工業大学大学院理工学研究科)「高熱伝導性エポキシ樹脂の設計とその発現機構」(平成24年7月4日).
2. 第162回第78回高分子材料セミナー,講演2件:第1部 井上正志 氏(大阪大学大学院理学研究科高分子学専攻)「ボトルブラシ状高密度分岐高分子の粘弾性とダイナミクス」,
第2部 中 建介 氏(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科物質工学専攻)「かご型シルセスキオキサンを基盤とした固体材料の開発」(平成24年7月6日).
3. 第163回第79回高分子材料セミナー「発泡体最前線」,講演3件:宮田 篤史 氏(三井化学 ウレタン事業本部)「バイオマス由来ポリウレタンフォームの開発と応用展開」,佐々木 秀浩 氏(開SP 新事業開発室),大嶋 正裕 氏(京都大学大学院工学研究科)「マイクロセルラーの先になにがあるか−ナノセルラーと連結孔のマイクロセルラーの創製と応用について」(平成24年9月27日).
4. 第164回第80回高分子材料セミナー「特徴的な一次構造を持つモデル高分子の物性」,講演3件:高野 敦志 氏(名古屋大学大学院工学研究科)「リングポリマーの粘弾性」,中村 洋 氏(京都大学大学院工学研究科)「ブラシ状高分子の形態と物性」,松宮 由実 氏(京都大学化学研究所)「(SIS) n型マルチブロック共重合体が示す高伸張性」(平成25年1月18日).
また,平成24年11月27日には,“「高分子材料の耐久性評価」に関する講習会”と題して5名の講師による講習会を行った.この講習会は,本部門が,隔年,あるいは3年に一度開催することにしている歴史の長い講習会である.すなわち,上述のように高分子材料は,金属材料および無機材料と並ぶ三大材料の一つとして,工業の広い分野で使用されているが,他の二者の材料と異なり,その特性が使用環境条件によって多様な経時変化を示す特徴をもっている.そのため,その耐久性の評価や寿命の予測は,信頼性のある製品設計や高性能材料の設計などを行うに際し,重要な問題となってくる.そこで,高分子材料の耐久性評価に関する基礎と応用について,それぞれの専門の方にご講演いただく講習会として企画した.今年のプログラム内容は次の5件である.:1. 武田 邦彦 氏(中部大学 総合工学研究所)「高分子材料の劣化の原理と自然の材料」,2. 深堀 美英 氏(ロンドン大学 クイーンメリーカレッジ)「ゴムの疲労破壊と耐久寿命」,3. 加藤 洋史 氏(住友化学 基礎化学品研究所)「高分子材料の劣化と安定化」,4. 漆原 勝 氏(潟fンソー 材料技術部)「自動車用樹脂部品の信頼性設計の考え方」,5. 三谷 徹男 氏(三菱電機 先端技術総合研究所)「電気・電子機器における高分子材料の耐久性評価」 
これらの活動を通じて,高分子材料の製造,構造と機能,物性と加工について情報と討論が深まり且つ広がり,技術の発展に寄与することを願っている.関連分野の研究者・技術者のますますの参加を期待する.

X線材料強度部門委員会

X線材料強度部門委員会は,1961 年(昭和36 年)にX線応力測定部門委員会として発足し,1965 年に委員会の名称を変更して現在に至っており,設立以来半世紀が経過しました.本委員会は,X線回折を主とする材料評価手段を通じて材料の強度特性を解明しようとする学術分野,すなわちX線材料強度学に関する学術の発展および技術の向上に寄与することを目的としています.
本委員会は,当初よりX線回折を主要な手法として結晶質のさまざまな材料のひずみを測定し,残留応力や微視的変形機構を解明するために研究を続けています.回折面依存性,相応力,3 軸応力および集合組織などX線応力測定の優位性を生かしながら,多種多様な材料を対象に研究を広げてきました.さらに,疲労損傷,塑性変形過程などの研究にも取り組んできました.これまでの成果は,「X線応力測定法」(養賢堂,1961 年,1981年),「X線材料強度学 −基礎編・実験法編−」(養賢堂,1973 年)にまとめられています.最近では,X線回折のみならずさまざまな手法による非破壊的な材料強度評価に関する研究を展開しています.
X線応力測定の実用化の面では,フェライト・マルテンサイト系鉄鋼材料,オーステナイト系鉄鋼材料,セラミックス材料へと応力測定の方法を適用してきました.1973 年以来,これらの成果は「X線応力測定法標準」(鉄鋼編,セラミックス編)日本材料学会の標準としてまとめられています.また,中性子の透過力を生かし深部の応力測定の方法を検討し,その成果を2005 年に中性子応力測定標準(X線材料強度部門委員会標準)としてまとめました.さらに,これまでの鉄鋼およびセラミックス材料のX線応力測定法標準を世界に普及し,また国際社会での産業界の活動を支援するために,Standard Method for X-RayStress Measurement(英文版X線応力測定法標準)を発行しました.その他,VAMAS-TWA20 に参画し,この活動を通して,中性子,高エネルギー放射光およびX線による応力測定の国際標準の策定にも協力しています.
本委員会は,毎年3 回の定例委員会を開催しています.本委員会では活発な議論とその結果としての合意を尊重した研究活動を展開しています.定例委員会では,幅広く世の中の研究動向を把握するため積極的に部門委員会以外からも講師を招いて講演会を開催し,委員の研究活動の活性化に努めています.本委員会ではX線材料強度に関する研究および技術において顕著な業績を挙げた方や将来の発展が期待される成果を挙げた方を対象とした部門委員会賞(業績賞および研究・開発賞)を設けております.平成24 年度は,業績賞に西田真之氏(神戸高専)「繊維強化複合材料のX線および中性子回折線を用いた応力評価」,研究・開発賞に橋本匡史氏(橋本鉄工梶j「溶接部におけるX線回折法による応力測定精度評価」がそれぞれ受賞されました.
現在,当委員会内では,放射光小委員会,中性子小委員会および回折弾性定数データベース小委員会が活動しています.昨今,シンクロトロン放射光および中性子の新しい光源を利用した応力評価がめざましい発展を遂げています.これらの光源は放射光施設や原子炉などの施設を利用するために,各小委員会は積極的に利用の促進・調整を図り,有効に実験を遂行できるようにサポートしています.今後も,放射光,中性子源での応力測定の実験ハッチの確保が重要となり,当委員会への多くの支援と協力が求められています.特に,大強度陽子加速器(J-PARC) では,工学材料回折装置「匠」が稼働を開始し,高輝度の中性子源による新たな応力評価へ期待が寄せられます.回折弾性定数データベース小委員会では応力測定に不可欠な回折弾性定数のデータベースを公開するなど,部門委員をはじめとして回折法を利用して応力を測定する方のために情報提供を行っております.本年度は新たに2 次元検出器を用いた応力測定法に関する小委員会が発足します.
委員会による企画として開催されるX線材料強度に関するシンポジウムは昨年で46 回を迎え,測定法,複合材,溶接,薄膜,表面改質,疲労・損傷,微視組織など幅広い分野に関する31 件の講演と熱心な質疑応答がなされました.それらの中から代表的論文は査読を経てX線材料強度特集号として発刊され,X線材料強度部門委員会の研究活動を広く発信する役割を担っています.また,このシンポジウムでは若手研究者による講演に対し最優秀発表賞を設けており,厳正な審査の結果,平成24 年度は大阪大学大学院の辻明弘氏並びに徳島大学大学院の城鮎美氏の2 名が受賞されました.今年度は平成25 年7 月18 日,19 日の2 日間にわたり東京で開催されます.平成24 年12 月7 日にはX線材料強度に関する討論会が開催され昨年で49 回となりました.最近の重要な課題となっている「大型構造物の応力測定および健全性評価技術」をテーマに8 件の講演がなされ,多くの参加者による熱心な討論が展開されました. また,平成24年10 月に第9 回残留応力に関する国際会議ICRS-9(4 年毎の開催)がドイツのガルミッシュ・パルテンキルヘンで開催され,日本からも多くの委員が参加しました.なお,このICRS のInternational Scientific Committee のメンバーには当委員会の秋庭義明氏(横浜国立大学)と秋田貢一氏(日本原子力研究開発機構)の2 名が加わっており,国際的な研究動向を把握するとともに日本の研究成果や活動の広報に貢献しています.
本委員会は,大学・高専,研究所,企業などの約90 名の個人および会社委員から構成されています.本委員会の活動および最新の動向は,委員会のホームページ(http://x-ray.jsms.jp/)から知ることができます.特性X線のみならず,放射光,中性子,電子,レーザーなどによる非破壊的な材料強度評価に興味のある方,またひずみ・応力測定を必要とする方の入会を歓迎しています.ぜひ,現委員または日本材料学会へご連絡ください.

木質材料部門委員会

木質材料部門委員会は,木材および木質材料に関する研究の推進と情報の交換を目的として,昭和37年4月に理事会の承認を得て発足し,同年5月には第1回の委員会を開催した.それ以来,50年に亘って活発に活動し続けてきている.
木材および木材を原料とする木質材料や紙は,古くから建築,家具,楽器,包装や情報・文化の伝達材料として人々の生活を支えてきた.木材は基本的に再生産可能な資源であり,これを有効に利用することによって,永続的な利用が可能な極めて有用な材料になり得る.このような木質材料の利用が,人類の生存にとって極めて重要であるとの認識が近年高まりつつある.
木材は,人類にとって最も身近な材料の一つである.木材が本来的に持っているヒューマン・フレンドリーな面は,人類との長い関わりによって築かれてきたものであり,今後も決してなくなることはない.一方,地球上で最も豊富なバイオマス資源である木質バイオマスの生物・化学変換による化学品・エネルギー等の生産や高機能性・高耐久性木質複合材料の開発など,以前にもまして多くの異なる分野からの研究開発が必要となってきている.このような状況の中,多様な専門分野の研究者や技術者が集まる本委員会の重要性は極めて高い.
木質材料部門委員会は,木材および木質材料に関係の深い大学や研究機関の研究者および企業の研究者・技術者など,約60名の会員から構成されている.会員相互の連携の強化による研究・開発の更なる活性化と利便性の向上を図ることを目的として委員会の企画,運営を行っている.これをより円滑に進めるために,本委員会では委員長の下に運営委員会を設け,定例研究会を原則として年3回開催している.研究会には多くの会員の参加を促すとともに,参加できなかった会員には講演要旨集を配布している.2012年度には,第61期学術講演会にてオーガナイズドセッション「木材の利用促進に向けた技術開発」も企画・開催している.また,本委員会はその設立目的を達成するために,発足以来,会誌「材料」に特集「木質材料」を企画,発行している.さらに2008年度より木質材料に関する優れた業績に対して,本委員会から木質材料部門委員会業績賞を授与することとした.2012年度は,「木質感に関与する画像的要因の抽出と表現に関する研究」(仲村匡司 氏)に授与し,第281回の研究会(2013年1月28日,京都大学楽友会館)において,記念講演を開催した.なお,2012年度に開催した第279回以降の定例研究会の活動状況は以下に記す.

第279回 定例研究会――2012年6月15日:日本材料学会(京都市)
文化財建造物の修理工事
井上年和 氏(一般財団法人 建築研究協会)
文化財建造物の地震被害と耐震対策
西川英佑 氏(文化庁文化財部)
第280回 定例研究会――2012年11月16日:日本材料学会(京都市)
結晶性ナノファイバーを骨格とする高強度ゲル
阿部賢太郎 氏(京都大学生存圏研究所)
木材の破壊と細胞壁構造との関係
中井毅尚 氏(島根大学大学院総合理工学研究科)
第281回 定例研究会――2013年1月28日:京都大学楽友会館(京都市)
木質感に関与する画像的要因の抽出と表現に関する研究
仲村匡司 氏(京都大学大学院農学研究科)
竹繊維束を圧密成形して作るスタンパブルシートの剛性改善に関する事例紹介
ニードルパンチングおよびPVA処理の効果
大窪和也 氏(同志社大学理工学部)


2012年度の研究会では,文化財建造物の保存・修理の実例と課題について考え,公共建築物での木材の利用を意識したテーマを扱った.特に,2011年に発生した東日本大震災を踏まえ,文化財建造物における地震・津波被害の傾向と今後の耐震対策について議論した.後半では,主に木材の主成分であるセルロースに焦点を合わせ,ナノ・ミクロレベルでの微細化繊維としての利用からマクロレベルでの木材破壊や質感評価といった,幅広いスケールでの取扱いを意識したテーマを設定した.木材などバイオマス系の天然素材をベースとした材料利用の新規開拓のためには,それらが生来有する階層的構造を正確に捉えた上で,潜在特性を発掘・解明していく基礎研究が重要である.分子レベルでの化学的改質からバルク体レベルでの応用利用に至る幅広い領域を網羅し,リニューアブル・エコ素材としての木材利用を多角的に促進させることが,木質材料部門委員会の役割である.
現在の委員長および運営委員会メンバーは,下記の通りである.

委員長:
中野隆人(京都大学大学院農学研究科)

運営委員会委員:
  久住亮介(京都大学大学院農学研究科:庶務幹事)
  澤田 豊(京都大学大学院農学研究科:会計幹事)
  大越 誠(京都府立大学大学院生命環境科学研究科)
  田淵敦士(京都府立大学大学院生命環境科学研究科)
  宮藤久士(京都府立大学大学院生命環境科学研究科)
  板倉修司(近畿大学農学部)
  簗瀬佳之(京都大学大学院農学研究科)
  冬木敏夫(大建工業梶j
  村田功二(京都大学大学院農学研究科)
  森 拓郎(京都大学生存圏研究所)
  杉元宏行(産業技術総合研究所)

腐食防食部門委員会

腐食防食部門委員会は1962年10月に委員の研鑽と情報交換を目的として設立され,2012年に設立50周年を迎えた.これまでに291回の例会と59回の研究集会を開催している.21世紀に入ると省エネルギーや省資源の意識が高まり,安全でかつ高効率な社会資本の再構築に向けた技術の再編は産業基盤技術としての腐食・防食に対する意義を高めており,本部門委員会が貢献する領域はより一層拡大している.部門委員会設立50周年を経て,さらに未来に向けてますます活発に活動していく予定である.
2012年度は6回の例会を実施した.概要は以下の通りである.

1. 第286回例会(2012年5月23日,神戸市建設局東水環境センター)
主題「新エネルギーの最近の動向と将来展望」
自然エネルギー利用の観点で取り組んでいる事例として太陽光発電および地熱発電を取り上げ,それらの現状と課題,さらに神戸バイオガス事業の概要についての講演を通して,今後のエネルギー創出に関する諸問題を議論した.併せて,バイオガスエネルギー施設の見学会を実施した.参加者は36名であった.
2. 第287回例会(2012年7月17日,たかつガーデン)
主題「輸送機器の腐食防食」
使用環境,耐用年数,材質,環境規制などが異なる船舶,自動車,航空機,鉄道車輌を取り上げ,それらの分野における特徴的な腐食現象,腐食事例,当該分野に特有の防食技術やそれらを適用するにあたっての基本的考え方,今後の課題,さらには国際基準に関する4件の講演を実施した.参加者は52名であった.
3. 第288回例会(2012年9月13日,たかつガーデン)
主題「金属材料の表面処理・表面改質技術の最前線」
表面処理・表面改質技術は耐食性付与だけではなく,耐摩耗性,意匠性,光学特性など様々な機能を付与できる表面高機能化技術として利用されている.本例会では,種々の処理技術のなかからドライプロセス表面処理・表面改質技術を取り上げ,イオン・電子ビームを用いたドライコーティングの最前線,溶射技術,耐食性を兼ね備えた低温浸炭・窒化技術についての3件の講演を実施した後,講演者を交えて総合討論を行った.参加者は26名であった.
4. 第289回例会(2012年11月14日,たかつガーデン)
主題「Workshop 若手技術者による腐食・防食 XVIII」
冷却水系の銅配管の腐食に及ぼす堆積物の影響,バイオファウリング防止剤とその汚れ防止効果,ライニングにおけるすき間腐食に対する陰極防食,ステンレス鋼の硫化物環境下の耐食性に及ぼすCu添加効果,エタノール環境中のAl合金の腐食,実プラントへの電気化学ノイズSCCセンサーの適用に関する6件の講演を行うとともに,トーカロ鰍フ高谷泰之氏より腐食事例に関する特別講演を実施した.参加者は41名であった.
5. 第290回例会(設立50周年記念例会,2013年1月21日,シーサイドホテル舞子ビラ神戸)
主題「腐食防食の科学・技術の現在と今後の発展への期待」
部門委員会設立50周年を記念して,腐食防食の研究や開発において指導的な立場にある研究者・技術者から,腐食工学・腐食科学,防食技術への期待,世界の発展と防食に求められること,鉄鋼の防食研究の進展と将来動向,電気防食・冷却水用防食技術の今後の展望に関する6件の講演を実施いただいた.これらの講演を通して腐食防食工学の未来を俯瞰して,今後の腐食防食技術者や本部門委員会の役割を議論した.さらに,例会終了後に公益社団法人日本材料学会の坂根政男会長を来賓として迎えて,部門委員会設立50周記念技術交流会を開催した.参加者は61名であった.
6. 第291回例会(2013年3月13日,たかつガーデン)
主題「ステンレス鋼活用の基礎知識」
本部門委員会の企画で会誌「材料」に連載した講座「ステンレス鋼活用の基礎知識 −歴史,特性,耐食性−」を基に,ステンレス鋼の発展の経緯とステンレス鋼の種類,加工特性ならびに溶接割れ・溶接部のじん性を踏まえたステンレス鋼の溶接法,合金元素と組織の観点からのステンレス鋼の耐食性,クロム炭化物による耐食性劣化機構,孔食・すき間腐食・応力腐食割れ機構,各種腐食試験の目的・方法および試験・評価時の注意事項,ステンレス鋼の選択指針に関する5件の講演を講座執筆者より実施いただいた.これらの講演を通してステンレス鋼をより深く理解する場とした.参加者は54名であった.

本部門委員会の例会・研究集会は日本材料学会が公益法人として認定された2011年4月以前の本部門委員会設立時から腐食防食部門委員会委員のみに限定して開催するのではなく,日本材料学会会員以外の一般の方々も出席いただけるように公開している点に特徴がある.例会・研究集会の資料は腐食防食に関する理論や解析技術のみならず,市販の専門書やデータブックにはない数多くの現場の生の腐食事例データを掲載し,しかも多くの事例を相互に比較できるように事例データを盛り込んでいることを特徴としている.このため,技術者,研究者にとって必携の書であり,手元に置けるデータベースとして活用できる.このような資料の性格を背景として,部門委員会設立40周年記念事業として,それまでの例会,研究集会資料の内容を網羅した3枚組のCD-ROMを発行した.さらに,設立50周年記念事業の一環として前述のCD-ROMを改訂し,50年間の講演資料を網羅したDVDを発行のうえ,設立50周年記念例会時に部門委員会委員に無料で配付した.なお,部門委員会に新たに入会される方々には残部のある限り本DVDを無料で配付する予定である.
これらの例会,研究集会資料の出版以外にも,2009年5月に腐食・防食に関する事例集(「事例で学ぶ腐食損傷と解析技術」,腐食防食部門委員会編,さんえい出版社発行)を発刊した.また,本部門委員会主催で20年間にわたって開催したデヘマ方式腐食防食実験講習会で得られた腐食防食の基礎理論と実験に関するノウハウを「実験で学ぶ腐食防食の理論と応用」としてまとめて出版し,それを基に若手技術者を対象とした日本材料学会方式腐食防食実験講習会を10年にわたって開催した.ここで取り上げた書籍以外にも今までに多数の図書を編集・出版し,また数多くの講習会を実施して,腐食防食分野の知見の整理と活用,さらには若手技術者の教育・養成に貢献してきた.現在も50周年記念事業の一環として「腐食防食事典(仮題)」の出版のために部門委員会内にタスクグループを立ち上げて,出版に向けた作業を鋭意進めている.
本部門委員会は法人委員(企業所属委員),個人委員(大学・公的研究機関所属委員),および名誉委員から構成されている.このうち,企業所属委員の割合が70%を超えるように,企業と大学・公的研究機関の委員のバランスがとれた構成となっており,これが企業と大学・公的研究機関の密接な連携をもたらし,部門委員会活動の源泉となっている.本部門委員会は現場に密接に関連した腐食防食問題や防食技術・解析技術を中心として取り扱うところに特徴があり,例会ごとに作成する委員会資料を無料で委員に配付しているが,これは前述のように研究の指針のほか,現場における防食技術に活用できる極めて有益なものである.
このように,本部門委員会は腐食防食分野において活発に活動しており,企業・個人技術者,研究者の方々の積極的な腐食防食部門委員会への参加をお待ちしている.部門委員会のホームページのURLはhttp://fushoku.jsms.jp/index.htmであり,行事予定や委員会活動について随時更新して広報している.

地盤改良部門委員会

「地盤改良」は土木・建築構造物を支える基礎として,あるいは,盛土や築堤などの構成材料として所定の要件を備えていないような地盤・土質材料の使用を可能とし,その状態を維持するために行う物理的,化学的および生物学的な処理をいう.地盤改良に係る分野は広範であり,また,その原理も多様であることから,地盤改良に携わる技術者や研究者は多岐にわたる技術・学術情報を迅速,かつ,的確に入手する不断の努力が肝要である.
地盤改良部門委員会は地盤改良を施す上での種々の問題点について学術的な調査,研究を行い,その適正利用の促進を設立の趣意としている.当該部門委員会の源は1962年11月に発足した土質安定材料委員会にあり,以後の多様化した地盤環境の創造・保全技術にも対応するべく1998年4月に現在の名称に改めた.
したがって,2012年は委員会設立50周年にあたり,原点を回顧しつつも,さらなる飛躍を目指して新たな道しるべを築く節目の年となった.
これまでに290回の全体委員会を開催し,このうち2012年度は4回開催した.全体委員会では審議や報告に加えて,数件の調査,施工,研究事例の講演・話題提供を行っており,登壇者は委員に限らず外部(企業,官公庁,大学等)からも招聘している.
2012年度の講演・話題提供は以下のとおりである.

i. 地盤改良資材への廃石膏ボードの利用に伴うフッ素対策技術[第287回部門委員会]
ii. 土壌中の放射性物質の挙動,措置,リスクについて[第287回部門委員会]
iii. Outline of Canterbury Earthquake[第288回部門委員会]
iv. 浅層改良土による自立山留め壁の設計・施工の考え方[第288回部門委員会]
v. 回転式破砕混合工法(ツイスター工法)の最近の活用事例[第288回部門委員会]
vi. Sustainable site remediation techniques[第288回部門委員会]
vii. 遮水工に用いるベントナイト混合土層の変形特性について[第290回部門委員会]
viii. 液状化による被災住宅の調査と対策 −兵庫県南部地震の事例から−[第290回部門委員会]

2000年度以降,当該部門委員会が重きを置いている活動の一つに『地盤改良に関わる技術認証事業』がある.これは学会創立50周年を機に始めた事業であり,個々の技術や工法を公平,かつ,適正に評価することで技術開発の活性化に寄与しつつ,それらの建設現場への速やかな普及を図って技術水準の向上に資する旨を目的としている.
評価の対象となる項目は

 @ 地盤改良,地盤環境改善技術に関わる新素材,新材料
 A 地盤改良,地盤環境改善に関わる技術または工法
 B 汚染地盤の診断技術,汚染地盤修復技術
 C 廃棄物の地盤材料としてのリサイクル技術

であって,2012年12月の時点で13件の技術を認証している.ここに,評価証明の有効期間は5年であり,すでに4件が2回目の更新を,1件が1回目の更新を終えている.現在,新規に申請のあった3件について,個別に技術評価委員会を設置して厳正に審査を進めている.
『地盤改良シンポジウム』は隔年に開催している研究発表会であり,そのつど委員長,幹事長および幹事委員を核に実行委員会を組織し,論文の募集・審査,プログラム編成・運営を行っている.このシンポジウムでは優秀発表者賞(対象年齢35歳未満)を設けて若手研究者・技術者の奨励を図るとともに,論文の中から10数編を選抜し,学会誌『材料』の地盤改良特集号への投稿を依頼している.
第10回のシンポジウムは2012年10月18日,19日に京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)で開催した.発表件数が過去最多の85にいたったことから,初の試みとして2つの会場で同時に進行する形式を採った.これらを内容に応じて13のセッションに分類,質疑応答を通して活発な意見が交わされた.2日間で175名が参加,また,優秀発表者賞には8名が輝いた.
その他の活動として,当該部門委員会内に研究分科会を設置して図書の出版を行っている.近年では,2010年2月に「実務者のための戸建住宅の地盤改良・補強工法 −考え方から適用まで−」を刊行した.これとは別に,学会創立60周年と委員会設立50周年とを記念して,部門委員会の企画により発刊した論文集や書籍等を検索機能とともにDVDに収録し,2012年3月に「地盤改良技術の変遷」と題して発行した.
さらに,次世代の技術者・研究者を継続的に育成することを主たる目的として,2009年10月に『地盤環境研究会』が発足した.この研究会は「遮水壁・遮水材の信頼性に関するワーキンググループ」と「自然由来重金属含有土に対する試験・評価手法に関するワーキンググループ」とから成り,およそ3ヶ年にわたる活動の成果は学会誌『材料』の連載講座(2013年3〜6月号)や「地盤環境汚染封じ込めの遮水壁・遮水材Q&A」の出版(2013年3月)をもって公表することにしている.
以上のように,当該部門委員会では学術的,社会的に重要度の高い問題を取り上げて技術者,研究者の立場で慎重に検討を行い,その結果が地盤工学や材料学を含めた建設分野全体への貢献につながるべく,将来にわたり積極的な活動を展開していくことにしている.
最後に,地盤改良部門委員会への加入について,通常は“当人からの申請”もしくは“委員からの推薦”に拠り,いずれも部門委員会に諮って承認を得る手続きを採っている.なお,委員に配布する資料の作成・印刷費などに賛助会員には年額20,000円を,個人会員には2,000円をご負担いただいている.地盤改良に限定せず,広く地盤や土質材料に直接あるいは間接に関与されている方々のご参加を心待ちにしている次第である.

コンクリート工事用樹脂部門委員会

建設材料の中で最も多く利用されている材料の一つであるセメントコンクリートは,種種の合成樹脂材料と併せ用いることによって,各々の単独使用では得ることのできない各種の優れた性能を発揮させることができる.
このような試みは世界的にも種々の観点から行われており,これらの成果は“コンクリートにおけるポリマーの利用に関する国際会議”,第1回ロンドン(1976年5月),第2回オースチン(1978年10月),第3回は日本材料学会共催のもと郡山(1981年5月)で,さらに第4回ダルムシュタット(1984年9月),第5回ブライトン(1987年9月),第6回上海(1990年9月),第7回モスクワ(1992年9月),第8回オーステンデ(1995年7月),第9回ボローニア(1998年9月),第10回ハワイ(2001年5月),第11回ベルリン(2004年6月),第12回春川(2007年9月),第13回マデイラ(2010年2月)などで発表され,第14回は上海(2013年4月)が予定されている.また,1989年京都で,日本材料学会共催のもとで開催された“第8回アルカリ骨材反応に関する国際会議”においても,主として補修関係で,種々の成果が紹介されている.
コンクリートと合成樹脂との使用に当たっての組合せとしては,次のような形態が一般的である.

(1) レジンコンクリート (REC),ポリマー含浸コンクリート (PIC) あるいはポリマーセメントコンクリート (PCC) としての構造材料への利用.
(2) 表面処理,ひび割れ注入,鋼板接着,パッチングあるいはオーバーレイなどのコンクリート構造物の補修・補強用材料としての利用.
(3) 耐久性,遮水・遮塩性,発水性,耐磨耗性等に注目した,含浸,塗装,コーティングあるいはライニング用材料としての利用.
(4) プレキャスト部材等における構造用接着剤としての利用.
(5) 建設分野における繊維強化プラスチック,連続繊維補強材としての利用.

以上のように樹脂は多方面で利用されており,これらの用途のそれぞれで要求される目的・方法に適する樹脂の種類も多い.しかし,細部ではこれらの樹脂の持つ性能は異なる点が多く,しかも,目的・方法に対して必要とされる性能についてもまだ明確にされたとは言い難い面を持っている.このため,コンクリート工事に樹脂を利用するうえでの問題点について調査研究を行い,樹脂の適正利用について検討し,さらにこれら樹脂の用途に応じた試験方法ならびに使用指針の作成を目的として1963年(昭和38年)2月に本委員会は設立された.
委員会の活動成果として,1967年(昭和42年)には“コンクリート構造用接着剤(エポキシ樹脂)試験方法および施工指針(案)”を作成した.また,ポリマーセメントコンクリート小委員会およびレジンコンクリート小委員会を設け,“試験室におけるポリマーセメントモルタルの作り方”,“ポリエステルレジンコンクリートの強度試験用供試体の作り方”など計10種のJIS原案の作成に協力し,1978年(昭和53年)4月にJIS A 1171〜1174,1181〜1186としてこれらの制定をみている.2000年(平成12年)10月〜2002年(平成14年)3月にはレジンコンクリート関連JIS改定等検討WGを設け,JIS A1181〜1186の統合改正に協力し,2005年(平成17年)には統合された新たなJIS A 1181が制定された.一方,レジンコンクリート設計(施工)小委員会を設け,1985年(昭和60年)に“ポリエステルレジンコンクリート構造設計計算指針(案)”を,1991年(平成3年)に“ポリエステルレジンコンクリート配合設計の手引き(案)”を作成した.2002年(平成14年)10月〜2005年(平成17年)5月にはレジンコンクリート関連事項検討WGを設け,前者を改訂し“レジンコンクリート構造設計指針(案)”を作成した.なお,本指針(案)については,2008年に英訳版を作成した.
補修材料関連としては,1989年(平成元年)3月には,阪神高速道路公団の委託のもとに設けた橋梁用樹脂小委員会によって,“コンクリート構造物の表面保護工便覧(案)・同解説”および“コンクリート床版防水工設計施工指針(案)・同解説”を作成している.さらに,この小委員会を発展的に改組して補修用樹脂小委員会を設け,その成果として,1995年(平成7年)には“コンクリート構造物の診断と補修 −メンテナンスA to Z−”を出版し,これをもとに,翌1996年(平成8年)3月には日本材料学会関西支部との共催で講習会を開催した.さらに,表面被覆材,ひび割れ注入材・充てん材および断面修復材などの補修材料の性能試験方法に関する土木学会規準の作成に協力し,これにあわせて,2006年(平成18年)より表面被覆材の共通試験を開始し,現在に至っている.なお,共通試験の一部成果について,第8回高性能・高靭性コンクリートに関するシンポジウム(2008年10月)の技術展示にてポスター発表を行った.
シンポジウム関連としては,1996年(平成8年)〜2000年(平成12年)に,日本学術会議材料研究連合会においてコンクリート構造物の補修,補強,アップグレードに関するオーガナイズドセッションを開催したが,これを発展させ,2001年(平成13年)10月に“第1回 コンクリート構造物の補修,補強,アップグレードシンポジウム”を開催し,2012年(平成24年)までに第12回の開催を重ねている.なお,2003年(平成15年)10月開催の第3回以降は,投稿論文に対して査読を行うことにより,「コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集」として発刊し,内容をさらに深化している.また,第10回より,最も優れた論文の著者に対して最優秀論文賞を授与し,きわめて質の高い論文報告集として認識されるに至っている.
本部門委員会では,学校,官公庁関係者,設計および施工技術者,材料および製品メーカーなど,外国からの出席者も含めて参加し,樹脂ばかりでなく,ゴム,繊維,なども視野に入れた活発な活動を行っている.今後の活動としても,コンクリート構造物の計画,設計,施工,維持管理において,合成樹脂,ゴム,繊維の特性を有効に利用した新しい種々の使用方法を検討するとともに,コンクリート・樹脂・ゴム・繊維複合系の耐久性能,変形性能,各種強度の把握など様々な問題を取り上げ,本委員会と小委員会,または他関連委員会との合同委員会活動を適宜組合せて運営する予定である.
本部門委員会への加入に際しては,形式的には本部門委員会開催時に部門委員会の承認を得ることになっている.関心を持たれる会員の加入の申し出をお待ちしている.本部門委員会の年会費として,日本材料学会の年会費(正会員または賛助会員)に加え,20,000円(部門委員会の賛助会員:民間会社から加入する,日本材料学会の賛助会員.1社につき何名でも参加可)または2,000円(部門委員会の正会員:学校・官公庁等から加入する,日本材料学会の正会員)をいただいている.なお,小委員会についても,別途会費を頂いている.

岩石力学部門委員会

岩石力学の対象とする分野は,土木・資源といった工学から鉱物学・地質学・地球物理学といった理学にまで非常に広い範囲に及んでいる.例えば,ダム,トンネル,地下空洞に代表される岩盤構造物の解析・設計・施工を扱う土木工学分野,石油や近年話題になっているメタンハイドレートといった地下資源の探査・採鉱を含めた資源開発工学分野,鉱物学・地質学分野,あるいは地殻変動や地震発生メカニズムの解明等に代表される地球物理学の分野にまたがっており,その領域や学問体系はこれまで時代のニーズにあわせて常に変化してきた.特に最近では,二酸化炭素の地中貯留あるいは放射性廃棄物の地層処分といった地球環境問題の解決のために必要な学問として貢献していることからも,岩石力学の領域の多様性がうかがえる.
このような背景から,岩石力学部門委員会は,幅広い分野の研究者・技術者が集まり,岩石力学に関する研究・技術情報の交換および討議の場を提供することを目的として,昭和38年に設置された.以来,現在に至るまで,ほぼ年4回,これまでに合計208回(平成25年1月末現在)の部門委員会を開催し,活発な活動を続けてきている.また,原則として毎年1回は部門委員会を兼ねた現場見学会を実施し,岩石力学に関連するサイトを訪問し委員と現地の技術者との意見交換を行っている.本部門委員会は,地質,地球物理,資源,土木,地盤等の多岐にわたる理工学分野の研究者・技術者が自由に討議できる場として,他の学会に例を見ない非常にユニークなものとなっている.
また,本部門委員会は,土木学会,資源・素材学会,地盤工学会の各委員会とともに,国際岩の力学会議 (ISRM) の国内委員会である「岩の力学連合会」を組織し,関連する委員会には理事・幹事をはじめ,多くの専門委員を送り出しており,国内および海外における岩の力学分野の研究技術開発に貢献している.さらに,本部門委員会は国内における岩石力学に関する各種シンポジウムや講演会等の開催にも,共催あるいは協賛の形で協力している.
平成24年度の岩石力学部門委員会においては,4回の委員会(第205回〜第208回)を開催した.毎回の部門委員会においては2題の講演会を企画し各委員による活発な質疑応答および意見交換がなされた.以下,平成24年度の部門委員会の概略を記述する.
第205回委員会(平成24年5月18日開催)は現場見学会を兼ねて開催した.国土交通省京都国道事務所管内の第二外環状道路を見学させていただいた.

第206回委員会(平成24年7月31日開催)では以下の2題の講演が行われた.

(1) 「砂山崩しの実験と地震」
(公財)深田地質研究所 吉岡 直人 氏
(2) 「岩盤内部の亀裂の可視化と評価」
関西大学 環境都市工学部 特任教授 寺田 直道 氏

第207回委員会(平成24年9月28日開催)では以下の2題の講演が行われた.

(1) 「The Way to Reach the Best Rock Stress Model of a Site or an Area」
スウェーデン王立工科大学名誉教授,
ドイツ・ポツダム地球科学研究センター客員教授
Prof. Ove Stephansson 氏
(2) 「Recent development of discontinuum based numerical approach」
京都大学大学院工学研究科 助教 小山 倫史 氏

第208回委員会(平成25年1月25日開催)では以下の2題の講演が行われた.

(1) 「岩盤の力学的な異方性を調べる新しい試験方法」
(独)防災科学技術研究所 谷 和夫 氏
(2) 「岩石の疲労劣化挙動」
京都大学大学院エネルギー科学研究科 助教 陳 友晴 氏

このように本部門委員会は,岩石力学はもとより,多岐にわたる幅広い分野でその時々のトピックスを活発に議論する場を提供しており,また,委員にオブリゲイションは無く,毎回の講演題目により自由に参加いただき,委員間の交流の場となっている.会員の皆様にはぜひ本部門委員会への加入をお願いするとともに,周辺の研究室の学生や職場の若手エンジニアに積極的に参加を勧めていただきたい.

塑性工学部門委員会

塑性工学部門委員会(委員長:志澤 一之,慶應義塾大学)は,材料の塑性に関する基礎研究(材料の微視的組織観察,解析,塑性変形のメカニズムの解明・モデリングおよびそれらに基づくマイクロ/メゾ/マクロ塑性力学の構築)からその応用(材料設計・創製技術,塑性加工技術,機器構造物塑性設計,マルチスケールモデリング)にわたる広範囲なテーマについて関心を持つ大学・公設研究機関および企業の研究者,技術者から構成されている(会員数100名弱).当部門委員会では,3つの分科会:塑性力学分科会(主査:今谷 勝次,京都大学),材料データベース研究分科会(主査:岡村 一男,新日鐵住金),地盤力学分科会(主査:岡 二三生,京都大学)を中心に活動を進めている.これらの分科会の担当で,第61期(平成24年度)に開催された研究集会は以下の通りである.

第61期第1回塑性工学部門委員会(第67回材料データベース研究分科会)
日 時 : 平成24年6月22日(金)13:00~17:00
場 所 : 日本材料学会3階会議室
参加者 : 14名

講演 (1) 「相変態を考慮した熱処理シミュレーションとその関連試験技術の紹介」
高階 真二 氏(コベルコ科研)
講演 (2) 「鉄鋼の結晶粒微細化と相変態」
辻 伸泰 氏(京都大学)

第61期第2回塑性工学部門委員会(第1回地盤力学分科会)
日 時 : 平成24年6月15(金)14:00~15:30
場 所 : 京都大学桂キャンパス
参加者 : 25名

講演   「地盤工学に関する諸問題」
Prof. Kam Tim Chau (The Hong Kong Polytechnic University)

第61期第3回塑性工学部門委員会(第1回塑性力学分科会)
日 時 : 平成24年8月30日(木)14:00~17:20
場 所 : 慶應義塾大学日吉キャンパス
参加者 : 19名
テーマ : 「離散転位動力学シミュレーションの現状と今後の展開」

講演 (1) 「離散格子欠陥モデルによる力学解析の基礎」
中谷 彰宏 氏(大阪大学)
講演 (2) 「離散転位動力学シミュレーションの非均質体への応用」
高橋 昭如 氏(東京理科大学)
講演 (3) 「離散転位動力学と原子・電子シミュレーション」
都留 智仁 氏(原子力機構)

第61期第4回塑性工学部門委員会(第2回塑性力学分科会)
日 時 : 平成24年9月11日(火)08:45~14:30
場 所 : 金沢大学角間キャンパス
参加者 : 12名

講演 (1) 「シンクロ型LPSO構造相を含む高強度マグネシウム合金における変形組織の特徴」
東田 賢二 氏(九州大学)
講演 (2) 「シンクロ型LPSO相の塑性変形機構,Mg合金強化機構」
萩原 幸司 氏(大阪大学)
講演 (3) 「結晶性材料の回位像」
中島 英治 氏(九州大学)
講演 (4) 「高強度マグネシウム合金のLPSO相における変形特性の結晶塑性解析」
大橋 鉄也 氏(北見工業大学)
講演 (5) 「長周期積層構造相における粒内方位変動の結晶塑性解析」
眞山 剛 氏(熊本大学)
講演 (6) 「LPSO構造におけるキンク形成と回位密度に関する転位−結晶塑性解析」
志澤 一之 氏(慶應義塾大学)
只野 裕一 氏(佐賀大学)

第61期第5回塑性工学部門委員会(第68回材料データベース研究分科会)
日 時 : 平成24年10月5日(金)13:00~17:00
場 所 : 日本材料学会3階会議室
参加者 : 12名

講演 (1) 「熱・変態応力解析におけるリターンマッピング と整合接線剛性」
岡村 一男 氏(新日鐵住金)
講演 (2) 「窒化における窒素と応力分布の簡易解析の試み」
井上 達雄 氏(福山大学)
講演 (3) 「曲げおよび2軸応力場における変態塑性の実験的検討」
長岐 滋 氏(東京農工大学)

第61期第6回塑性工学部門委員会(第69回材料データベース研究分科会)
日 時 : 平成24年12月20日(木)13:00~17:00
場 所 : 日本材料学会3階会議室
参加者 : 14名

講演 (1) 「変態塑性を利用した 異材接合体の開発」
堤 一之 氏(神戸製鋼所)
講演 (2) 「材料の圧縮試験における摩擦に及ぼす細長比の影響ならびにTRIP鋼の衝撃変形試験における最近の話題」
岩本 剛 氏(広島大学)
講演 (3) 「日本刀の焼入れシミュレーションに及ぼす鋼種の影響」
井上 達雄 氏(福山大学)

第61期第7回塑性工学部門委員会(第2回地盤力学分科会)
日 時 : 平成25年1月11(金)10:30~12:00
場 所 : 京都大学桂キャンパス
参加者 : 30名

講演   「Bearing capacity of plate anchors : plasticity and numerical solutions(プレートアンカーの支持力:塑性と数値解)」
Prof. Giovanna Biscontin (Texas A&M University)

第61期第8回塑性工学部門委員会(第3回塑性力学分科会)
日 時 : 平成25年3月12日(火)13:00~17:00
場 所 : 日本材料学会2階会議室
参加者 : 13名
テーマ : 「階層間の相関と粒界を跨ぐ塑性変形」

講演 (1) 「場の理論FTMPに基づく階層性認識と不均質場発展・相関の数理表現 〜なぜ新しい理論が必要なのか?〜」
長谷部 忠司 氏(神戸大学)
講演 (2) 「PSBから変形双晶まで:場の理論FTMPの12の応用例 〜新理論によって拓かれる新たな地平とは?〜」
長谷部 忠司 氏(神戸大学)
講演 (3) 「粒界相互作用指数とマイクロピラーの圧縮試験による検証」
渋谷 陽二 氏(大阪大学)

第61期第9回塑性工学部門委員会(第4回塑性力学分科会:学生向け特別企画)
日 時 : 平成25年3月1日(金)14:00~16:30
場 所 : 関西電力電力技術研究所
参加者 : 6名

見学会 (1) 事業所紹介
  (2) 「火力高温部材の損傷評価研究の紹介」
香川 裕之 氏(関西電力)
  (3) 研究所内施設見学

第61期第10回塑性工学部門委員会(第70回材料データベース研究分科会)
日 時 : 平成25年3月22日(金)13:00~17:00
場 所 : 日本材料学会3階会議室
参加者 : 13名

講演 (1) 「プレス部品の耐久評価に及ぼす製造履歴の影響」
伊藤 彰宏 氏(日本イーエスアイ)
講演 (2) 「構造用炭素S35Cを用いた板鍛造部品試作と解析精度検証 〜第一報:自動車駆動系部品の成形性予測〜」
奈良 正功 氏(JFEスチール)
講演 (3) 「熱処理および鍛造加工における熟練技術の継承ツール化」
篠崎吉太郎 氏(産業技術総合研究所)

この他,下記のような講演会等に関する活動も合わせて行った.
第61期学術講演会(平成24年5月25日〜27日,岡山大学津島キャンパス)にてオーガナイズドセッション「塑性挙動のモデリングとシミュレーション−ナノからマクロまで−」を開催(オーガナイザー:志澤 一之(慶應義塾大学),奥村 大(名古屋大学),今谷 勝次(京都大学),講演件数19件,参加者27名).
第56回日本学術会議材料工学連合講演会(平成24年10月29日〜30日,京都テルサ)にてオーガナイズドセッション「マクロ/ミクロ変形におけるモデリングとシミュレーション」を開催(オーガナイザー:岡村 一男(新日鐵住金),志澤 一之(慶應義塾大学),奥村 大(名古屋大学),講演件数15件,参加者22名).
平成24年度の優秀講演発表賞を下記3名に授与した.
<塑性工学部門委員会優秀奨励講演発表賞>
 受賞者:村松 眞由(産業技術総合研究所)
<塑性工学部門委員会優秀学生講演発表賞>
 受賞者:磯川 克洋(岡山大学),岩井 裕正(京都大学)
なお,平成23年度より,シニア会員特典として,65歳以上の個人委員の部門運営費分担金(年会費)を無料にした.また,平成24年度より,部門委員特典として,部門委員会での講演ハンドアウト資料が部門ウェブサイト(http://sosei.jsms.jp/)から閲覧できるようになった.

コンクリート用骨材部門委員会

現在,わが国ににおいては良質の河川産骨材の枯渇とともに,資源的および地域的制約により,コンクリート用骨材はきわめて多様化してきている.すなわち,細骨材では川砂・陸砂・海砂・砕砂がほぼ等量,粗骨材では砕石がほぼ半量で残りを川砂利・陸砂利・山砂利その他が占めているのが全国的な概況である.このような状況の下では良質骨材の入手が必ずしも容易でなく,その結果として,骨材の品質管理がますます重要となり,骨材品質とそれを用いたコンクリートの強度,変形,耐久性などとの関係について,さらに科学的な検討を加えることが必要となる.骨材資源は今後さらに多様化が進行し,いわゆるゼロエミッション達成に向けてコンクリート廃材から得られる再生骨材ならびにスラグ・フライアッシュに代表される産業副産物を利用した新しい骨材の有効利用を図っていくことも重要であることは言うまでもないが,このような骨材の開発のためには,目標とする骨材品質に対して明確な指標を与えることが,コンクリート工学に課せられた重要な課題であると考えられる.
本委員会は昭和39 年人工骨材研究委員会として設立以来,社会的なニーズの方向を反映させて運営されてきた.設立初期より昭和40 年代は,各種の人工軽量骨材の利用についての研究が最重要課題として取り組まれ,「施工指針」や「配合設計指針」を発表するなど,その普及に指導的役割を果たした.昭和50 年代に入ってからは,研究対象が多角化し,砕砂,スラグ骨材などの新しい骨材の問題点,海砂の適正使用などを取り上げるとともにコンクリート物性の改善法やコンクリートの耐久性能なども研究テーマに組込む方向で運営されている.最近取り上げられているテーマとしては,表面形状を改良した砕石,砕砂の有効利用,高炉スラグやフライアッシュの骨材原料への利用,超軽量骨材の利用によるコンクリートの軽量化,再生骨材の有効利用,外国産骨材の利用に関する諸問題,低品質骨材を使用する際の配合設計や構造設計面における問題点,RCD やRCCP 用コンクリート骨材,骨材の品質試験法の改良,反応性骨材の調査試験法や実用骨材の実態調査さらにエココンクリートなども挙げられる.一方,今後の課題としては,より広い視野に立った新しい骨材の開発,未利用資源の有効利用,各種骨材を用いたコンクリートの最適製造法など,骨材の開発,品質改良に直接関連した問題の他に,繊維補強など新しい複合法によるコンクリートの物性改善や連続繊維補強材(FRP) のコンクリート構造への適用,高温・低温環境,海洋環境など過酷環境下のコンクリートの挙動,これらに適した構造設計法の開発など研究対象を拡大しようと意図している.このような方向性を明確にするために会の名称を平成10 年度に「コンクリート用骨材部門委員会」と改めた.
平成21 年度からは,コンクリートの乾燥収縮と骨材との関係を問題として取上げ,地産池消を原則とするコンクリート用骨材の合理的使用法に焦点をあて,日本コンクリート工学会近畿支部の「性能評価型コンクリートに向けた骨材調査研究委員会」と連携し,調査研究活動を実施してきた.平成24 年度には3 年間にわたる活動の成果報告会を以下のように部門委員会として開催した.
? 平成24 年度第1 回部門委員会議 題:近畿地区コンクリート用骨材の需給と諸特性
 場 所:大阪科学技術センター
 日 時:平成25 年3 月28 日(木)13 時30 分〜
出席者は55 名であった.近畿地方で使用されているコンクリート骨材の需給の現状調査の報告および乾燥収縮を中心とするコンクリートの諸特性に関する実験研究の成果報告が行われ,活発な質疑・応答が行われた.
本委員会の特色は,本学会の性格を反映して,その構成メンバーが多彩である点にもある.すなわち,いわゆる土木・建築という縦割りはまったく意識されない運営であり,骨材メーカー,セメント・コンクリート技術者,設計技術者,施工技術者など多方面の関係者が委員として参加している.また,委員会開催に際して,委員以外からも広く適任者をスピーカーに選んで話題提供していただいている.ご関心のある各位の積極的なご参加を希望している.

極限環境部門委員会

2005年度より名称を高圧力部門委員会から「極限環境部門委員会」に改称した.最近は超高真空,減圧,大気圧,高圧力,超高圧力などの広い圧力範囲を視野に入れた材料開発が盛んになってきており,圧力をパラメータとする科学と技術を包括し,当該分野の研究者・技術者が参加しやすい部門名とすること,および,圧力パラメータのみならず,超高温,極低温,非平衡過程も含めた極限環境下における物質挙動と材料開発に関心のある多数の研究者・技術者が参加しやすい部門名とすることを目的とした.広く会員を募り,現在個人会員20名,法人会員3社の会員数である本部会をさらに魅力的なものに発展させることを目指して活動を続けてきた.以下に,(旧)高圧力部門委員会を含め,部門委員会の活動を報告する.

(1) 公開シンポジウム
  1973年に「高圧力下における高分子材料」という主題で最初のシンポジウムが開催されて以来,1983年からは公開シンポジウムとして継続して開催されている.これまでの公開シンポジウムの主題は次の通りである.
第 1回(1983年) 「高圧流体,基礎と応用」
第 2回(1985年) 「材料の高圧合成」
第 3回(1987年) 「高圧固体物性」
第 4回(1989年) 「高圧力技術と固体合成・物性」
第 5回(1991年) 「高圧流体物性の新展開」
第 6回(1993年) 「等方圧加工プロセスによる材料開発」
第 7回(1995年) 「水および水溶液の機能開発と利用技術」
第 8回(1997年) 「固体の高圧物性,反応,実験技術」
第 9回(1999年) 「高圧流体の物性測定最前線」
第10回(2000年) 「高圧力と塑性加工」
第11回(2002年) 「高圧の可能性に挑む」

なお,第10回のシンポジウムは高圧力部門委員会と塑性加工部門委員会と共同で開催し,他部門との横断的学術交流も積極的に行ってきた.
(2) オーガナイズドセッション,フォーラム
オーガナイズドセッション,フォーラムと多彩な学術活動を毎年行っている.以下にそれらの主題などを記す.

1) 第53期学術講演会(2004年) 「圧力効果―その理論と応用」(フォーラム)
2) 第54期学術講演会(2005年) 「極限環境下の材料挙動」(フォーラム)
3) 第55期学術講演会(2006年) 「極限環境下の溶液物性と反応」(フォーラム)
4) 第56期学術講演会(2007年) 「極限を利用した材料の創成と物性」(フォーラム)
5) 第57期学術講演会(2008年) 「極限環境における生物・化学の最前線」(フォーラム)
6) 第58期学術講演会(2009年) 「極限環境を利用した材料科学の最前線」(フォーラム)
7) 第59期学術講演会(2010年) 「極限環境下における溶液科学の展望」(フォーラム)
8) 第60期学術講演会(2011年) 「極限環境下での固体材料の合成と物性評価」(フォーラム)
9) 第61期学術講演会(2012年) 「各種極限環境下での新物質の創製と物性評価」(フォーラム)
(3) 部門委員会編集の図書出版
1)「高圧力実験技術とその応用」丸善(1969)
2)‘High Pressure Liquids and Solutions’, (Current Japanese Materials Research, Vol.13), Elsevier (1994)
(4) 会誌「材料」での講座や特集の掲載
1) 「講座」(42巻,No.472-476 (1993))
2) 「特集」(33巻,No.365 (1984)),(37巻,No.413 (1988)),(41巻,No.462 (1992)),(43巻,No.486 (1994)),(45巻,No.3 (1996)),(47巻,No.10 (1998)),(55巻,No.3 (2005),(59巻,No.6 (2009) など.なお,61巻,No.5 (2012)では,5件の論文が掲載された.
(5) 部門委員会での講演会・見学会
毎年数回開催される定例の部門委員会では,情報交換と話題提供の場として広範な学術領域にわたる講演会や見学会が開催されており,最近5回では下記の講演・見学会が行われた.

第20回(講演・見学会,防衛大学,2011年1月)
1) イオン液体−水混合系の階層構造(防衛大学・阿部 洋)

第21回(第60期学術講演会・フォーラム,大阪大学,2011年5月)
1) 超高圧力・極低温下の超伝導検出(大阪大学・清水 克哉)
2) 極限環境下での磁性体・超伝導体の物性評価(京都大学・吉村 一良)
3) Diamond-SiC複合焼結体のHIP合成と高圧アンビルとしての利用(大阪大学・大高 理)
4) 超高圧高温下での直接変換による超硬質材料の合成とその機械特性(住友電工・角谷 均)
5) ZrO2/25mol%Al2O3固溶体セラミックスの高圧 (1GPa) 焼結(同志社大学・廣田 健)

第22回(見学会,金属技研梶C2012年1月)
金属技研兜P路工場,GIGA-HIP装置見学

第23回(第61期学術講演会・フォーラム,岡山大学,2012年5月)
1) 脂質膜の圧力誘起指組み構造形成:疎水鎖長依存性と形成限界(徳島大学・松木 均)
2) 水熱酸化法をベースにフェントン型促進酸化触媒を用いた難分解性有機化合物の処理(大阪市立大学・米谷 紀嗣)
3) ピストンシリンダ型高圧容器を用いたL−バリンの圧縮歪み測定(立命館大学・澤村 精治)
4) 液−液界面析出法によるフラーレン溶媒化合物の合成における高圧気体の影響(三重大学・高橋 裕)
5) 生体分子水溶液に対する新規凍結防御剤としてのイオン液体の可能性(防衛大学・吉村 幸浩)

第24回(講演・見学会,岡山大学,2012年9月)
1) サブミリメータ級微小試料の弾性定数測定あれこれ(岡山大学・米田 明)
2) 焼結ダイヤモンドアンビルによる超高圧力発生とその応用(岡山大学・山崎 大輔)
3) 50MPa〜1GPaの圧力下での新素材合成(同志社大学・廣田 健)

このように,本委員会では,これまで高圧力の静的・動的発生,圧力測定,高圧装置,高圧下の固体・流体物性と反応,高圧加工技術など,圧力をパラメータとする極限環境を利用する材料科学,工学,理学のすべての学術分野や技術開発に多大なる貢献をしてきた.今後,さらに広い視点から新しい科学技術の創成・発展を理念とする極限環境部門委員会活動を発展させるため,圧力パラメータのみならず,超高真空,超高温,極低温,非平衡過程も含めた極限環境下における物質挙動と材料開発を学術領域とし,これらに関心のある多くの研究者や技術者の方々の委員会活動への参加を積極的に働きかけている.入会ご希望の方は,材料学会までお申し出下さい(年会費2,000円).

複合材料部門委員会
(1) 委員会の沿革と活動の概要
本委員会は,複合材料および関連する材料・構造の複合化・機能化・知能化に関連する諸問題に対し,この解決に向けて幅広い研究者,技術者の方々の参加を得て,活発な調査・研究活動を行っている.本委員会は1965年7月に「強化プラスチックス部門委員会」として設立された我が国最初の複合材料に関する学術組織であり,1997年12月に現在の名称に改称されている.このような本委員会活動の歴史は,我が国の複合材料研究と開発の発展を先導してきた足跡と認識している.
近年における複合材料の飛躍的な産業用途として,炭素繊維強化樹脂複合材料 (CFRP) を主翼や胴体にまで利用拡大し,複合材料が構造重量の50%を占めることになった中型旅客機B787が挙げられる.「複合材料」は従来の金属や高分子材料を単純に置換するものではなく,微視的な構成素材から構造までの種々の階層での「複合化」「機能化」「知能化」を集結できる新しい材料・構造の「概念」であり,その材料用途の可能性は今後も広く深まっていくものと予想している.現在のフロンティアとして,スマートコンポジット,グリーンコンポジット,ナノコンポジットなどの分野での研究が展開されており,本委員会の果たす役割は今後益々重要になるであろう.
(2) 委員会の主な活動

1) 定例委員会:
定例委員会は,主に複合材料に関する先端的トピックスの紹介や解説,関連分野を含めた特定のテーマについて情報交換することを目的とし,委員および委員外の各専門分野で活躍されている方々の研究討論会として年4回開催している.定例委員会は本委員会の基本的な活動の場であり,研究討論のほか,運営に関してもビジネスミーティングの時間をとって忌憚のない意見交換を実施している.委員会の開催にあたっては,他の部門委員会や関連学協会との連携にも努めている.2012年度には以下の定例委員会を開催した.
第232回定例委員会では,平成21,22年度部門賞記念として4件の講演「1. CFRPの圧縮強度と圧縮による連続脆性破壊挙動に関する研究」,「2. 天然長繊維強化樹脂ペレット製造装置の開発」,「3. Ti/GFRP積層板の低速衝撃損傷に及ぼすTi層の影響」,および「4. 断面積変動を考慮したクラワ繊維の強度評価」を実施した(部門賞授賞式を併設).
第233回定例委員会は,第7回グリーンコンポジットに関する国際ワークショップ(The 7th International Workshop on Green Composites, IWGC-7)併設行事として,ヤマハリビングテック株式会社の見学会を開催した.
第234回定例委員会では,3件の話題提供による研究討論会「1. テキスタイル・プリフォームとその複合材料への適用の動向―欧米での開発状況の紹介―」,「2. 炭素繊維複合材料の先進成形加工技術と輸送構造体への展開」,および「3. 複合材料への期待とプリフォーム」を実施した(見学会を併設).
第235回定例委員会では,3件の話題提供による研究討論会「1. 半導体の熱活性を利用した繊維強化プラスチックの完全分解と強化繊維のリサイクル」,「2. 炭素粒子分散エポキシ樹脂の電気抵抗」,および「3. ポリマーゲルのアクチュエーションと人工筋肉への応用について」を実施した(見学会を併設).
以上の詳細については末尾に示す部門委員会ホームページを参照されたい.

2) 第3回日本複合材料合同会議 (JCCM-3):
シンポジウムは当委員会の最大の企画事業であり,旧称「FRPシンポジウム」として1972年より毎年3月に開催している.近年は単に「FRP」という材料の視点だけでなく,「複合」の思想や概念をもとに新たな発展が見られ,JCOM:JSMS COMPOSITESのサブタイトルを付し,2007年3月より正式名称を「JCOM」に改称した.さらに,「日本を代表する複合材料の会議」を目指し,日本複合材料学会が毎年5〜6月に開催してきた研究発表講演会と統合して,両組織が共同で主催する「日本複合材料合同会議 (Japan Joint Conference on Composite Materials, JCCM)」を2009年度より新たにスタートさせた.昨年のJCCM-3(於:キャンパスプラザ京都)に引き続いて,2013年3月に開催したJCCM-4(於:東京大学・本郷キャンパス)では,実質的に東京での最初の開催となり,複合材料の最先端研究の公表とともに活発な討論がなされ,日本を代表する会議にふさわしい内容であったと認識している.学生を対象とした優秀講演賞セッションも設け,学生の研究奨励もサポートした.今後も多数の研究技術者の積極的な参加を期待している.

3) 2011年度JCOM若手シンポジウム:
本委員会では,単独のシンポジウム「JCOM」において,優秀な論文を発表した若手に対して奨励賞や優秀講演賞,優秀ポスター賞を授与し,若手研究者の活性化に取り組んできた.JCCM-1においても,若手研究者だけの特別セッション「先駆け」を催し,若手研究者間の情報交換や人的交流の場を提供した.このような流れの中で,若手を対象にした講演討論会の設立を望む声が強くなり,2010年度よりJCOM若手シンポジウムをスタートした.今回,3回目となる2012年度JCOM若手シンポジウムを下呂交流会館において開催した.17件の講演と29名の参加者があり,最新の複合材料研究・開発に関する研究成果が報告された.若手・中堅・ベテランの垣根を越えて意見が交わされ,プログラムの設定時間を大幅に超過して討論する過熱ぶりであった.次回シンポジウムも2013年度に開催が決定しており,今後の若手研究者のさらなる活性化に繋がる会議であることを期待している(会誌2012年12月号に内容詳細を掲載).

4) 論文賞,奨励賞,技術賞:
JCCMの創設とともに,従来の本委員会単独で設けていた論文賞,奨励賞については2010年にその選考方法を見直し,複合材料研究の更なる活性化を図っている.また,複合材料技術の振興のため企業,団体あるいはそれに属する技術者に授与する技術賞,および優れた研究成果とともに本委員会へ多大な貢献をされた委員対象の功績賞については,従来どおり継続して設けている.2009〜2010年度部門賞については,移行期であることから2年をひと括りにして授賞が決定された.詳細は末尾に示す部門委員会ホームページを参照されたい.2011年度部門賞については,規定とおりに選考が行われた.

5) 研究ワ一キング・グループ (WG) 活動:
複合材料の種々の分野で特定のテーマを集中的に討論する場を提供するため,毎年,研究WGを設置している.2012年度は前年度に引続き,「グリーンコンポジット」と「量産車用コンポジットの開発」をテーマとする研究WG活動を実施してきた.グリーンコンポジットWGは,2012年8月に実施されたIWGC-7の運営に協力した.量産車用コンポジット開発WGは,昨年に続いて12月に第4回自動車用途コンポジットシンポジウムを同志社大学で開催した.それぞれのWGにおいて当該研究分野の発展を先導している.

6) 国際学術交流:
2012年8月にIWGC-7をグランドホテル浜松において開催し,3企業と1組織が協力した特別セッション「Industrialization of green composites」の他,口頭講演33件,ポスター講演22件があり,多数の参加者との国際的な交流を図った.また,2012年11月にクアラルンプールにて実施された第8回アジア-オーストラリア複合材料会議 (The 8th Asian-Australasian Conference on Composite Materials, ACCM-8) を本委員会として共催し.アジア,オーストラリアからの多数の参加者と交流した.さらに,ACCM-8終了後にマレーシアの複合材料関連の大学としてUniversiti Putra Malaysia (UPM) の複合材料製造関連の学科とUniversiti Technologi MARA (UiTM) のバイオコンポジット技術関連の学科を訪問し,研究発表会および見学会を実施し,マレーシアの研究交流活動を行った.今後も活発な国際交流を図っていく所存である.

7) 会誌特集号:
会誌への特集号に関しては,2012年5月号(第61巻5号)において,小特集号として複合材料関係の論文を掲載したのに続き,今後続けて.複合材料の損傷・破壊に関わる数値解析や,スマートコンポジット,テキスタイルコンポジット,グリーンコンポジットなど当該分野に関わる多岐にわたった論文の掲載を予定している.

8) 今後の取組み:
持続可能な社会の構築に向け,地球温暖化防止を始めとする種々の環境問題はあらゆる学術分野で取組むべき課題であるが,課題解決に向けた複合材料の貢献度は高く,本委員会の果たす役割は大きい.「軽量化」の観点においては,複合材料は既に普及の段階にある航空機のみならず,自動車分野においても重点的に研究が進んでいる.また,材料そのものをカーボンニュートラル化する「グリーンコンポジット」においても,本委員会は日本の研究の牽引力を担っている.2010年度から創設したJCCMやJCOM若手シンポジウムの発展を含め,今後も本委員会では,日本の複合材料研究の中心として,新たな研究展開の提案と情報の提供を続けていく所存である.
(3) 本委員会への加入方法
新しい委員の委嘱は,定例委員会に諮って承認を得て決定される.加入希望者は所属・連絡先などを明記した文書を添えて本部門委員会事務局(末尾に示すホームページを参照されたい)または本学会事務局に直接申し出られたい.当委員会では,特に若手研究技術者の増強を図りたいと考えている.複合材料に関心をお持ちになる会員諸氏の入会と委員会活動へのご参加を本紙を以ってお願いする次第である.
本委員会ホームページ:http://compo.jsms.jp/index.html
コンクリート用混和材料部門委員会

本委員会は,AE剤および減水剤の基準と試験法を確立し,フレッシュコンクリートおよび硬化コンクリートの品質向上に寄与することを目的として1965年7月に発足し,今年で48年目に入る.1999年度に化学混和剤小委員会と混和材小委員会の二つの小委員会を設け,コンクリートの構造用材料としての将来像を展望しつつ,コンクリート用混和材料の品質,適用方法,配合に用いる化学混和剤基準(調合)設計法,およびそれらを用いたコンクリート品質,施工規準,などを取り上げて,より実用的な動きになることを図った.2004年4月にA4版・475頁からなる「日本材料学会編・コンクリート混和材料ハンドブック・児島孝之(立命館大学)監修」を刊行した.本書籍は1972年刊行の「コンクリート用化学混和剤」の大幅な改訂版であり,これまでの混和剤に加えて混和材の項が新たに設定されている.2012年度は,以下の「委員会」と日本材料学会・コンクリート混和材料委員会と立命館大学の共催による「国際シンポジウム」を開催した.
【第79回委員会】2012年6月20日(水)1450から1700まで,日本材料学会・3階会議室にて開催し,出席者は14名であった.まず最新の話題提供から始まり,1455-1540では「コンクリート用混和剤の最新動向」を菅俣 匠氏(BASFジャパン)が最新混和剤(ポリカルボン酸系)の紹介と具体的な適用例を解説し,1545-1630では「国際協力による揚水発電所事業化評価の信頼性向上」を山岡 暁氏(ニュージェック)が開発途上国における水資源確保を目的したODA支援における「環境保護,民族性などに配慮した新しい開発手法」をインドネシア国における「揚水式発電ダム」を例にその建設過程を通じて述べた.最後に1630-1700「コンクリート用混和材料部門委員会の今後の活動」に関し,河野委員長から,2013年度から日本材料学会誌に「コンクリート混和材料(仮題)」を連載する旨の方針と執筆者人選の相談があった.
【第80回委員会】記念すべき第80回日本材料学会・コンクリート用混和材料部門委員会を開催するに当たり,以下の国際シンポジウムを計画し実施した.

T:国際シンポジウム

(1) 名称 : 日韓中・環境マテリアルシンポジウム(共催:日本材料学会・立命館大学)
(2) 日時 : 2012年11月9日(金)13時00分開始,
(3) 場所 : 立命館大学 びわこ・くさつキャンパス・エポック棟・1階「大ホール」
(4) 内容 (使用言語は英語):司会・市丸園子(立命館大学・環境マテリアル研究室・修士1回生),岡本享久(立命館大学・理工学部 教授)
  1305-1315 ; 開会挨拶; 神子直之 教授(立命館大学・理工学部・国際担当)
  1315-1345 ; 京都大学・河野広隆 教授「材料学会・コンクリート用混和材料部門委員会の活動」
  1345-1430 ; 青島農業大学・全洪珠副 教授「中国における再生骨材の有効利用の現状および基準化」
  1430-1500 ; 東京工業大学・坂井悦郎 教授「低炭素排出型セメントの開発」
  1500-1530 ; 青島農業大学・嵩英雄客員 教授「コンクリートの高温劣化について」
  1540-1620 ; 学術講演会:
    @ 立命館大学・M2加藤慎介「阪神大震災におけるねじりの影響の再考」
A 立命館大学・M1市丸園子「植物の自生力に配慮した新規ポーラスコンクリート」
  1620-1650 ; 立命館大学・児島孝之特命教授「コンクリートとクッキングの相関性 (C&C)」
  1650-1720 ; 特別講演:麻生ラファージュセメント・Chong-Hwa PARK「日韓・実ビジネスにおける環境貢献」
  1720-1730 ; 閉会挨拶;河野広隆教授(日本材料学会・コンクリート用混和材料部門委員会委員長)

U:見学会

2012年11月10日(土)9時00分・南草津・西口前⇒オランダ堰堤⇒琵琶湖疏水(南禅寺の水路閣⇒疎水施設見学⇒田辺博士像)⇒東本願寺(阿弥陀堂改修現場)⇒1640京都駅八条口解散

V:成果

青島農業大学から全准教授,顧学科長,麻生ラファージュから朴取締役,大阪大学・鎌田教授,神戸大学・三木准教授の2名,立命館大学・理工学部から神子教授,川崎助教をはじめ,環境システム工学科・環境マテリアル研究室から池本秘書,修士学生11名,卒論生10名,RC構造研究室から川崎助教と卒論生の5名,環境システム工学科から2回生,3回生,4回生,院生(環境マテリアル研究室以外)65名,日本材料学会・コンクリート用混和材料部門委員会から河野委員長以下15名,計114名の参加者があった. 今回のシンポジウムを通じ,日本材料学会・コンクリート用混和材料部門委員会の活動を広めることができた.

フラクトグラフィ部門委員会

材料の破壊に対して種々の解析手段があるが,中でも破断面の詳細解析を行うフラクトグラフィは破壊過程のもっとも如実な観察が可能であり,各方面においてますます浸透,活用されつつある.とくに,近年の分析機器および数値計算処理技術の進歩とともにフラクトグラフィは飛躍的な発展を遂げ,破壊事故解析においては事故原因の重要な証拠を提供し,また,破壊の研究に際して,ミクロとマクロの谷間を埋めるべく,破壊力学の今後の展開の最重要情報提供源の一つとして重視されている.
本委員会は,フラクトグラフィを主要な手段とする破壊の研究ならびに破壊事故解析技術のより一層の発展を推進することを目的とし,歴史的には,フラクトグラフィ研究会,フラクトグラフィ研究委員会,日本機械学会フラクトグラフィ分科会を経て本委員会に引き継がれた.得られた成果はフラクトグラフィシンポジウムおよび「材料」フラクトグラフィ特集として公表されている.
平成24 年度には,第56 回材料工学連合講演会にて疲労部門委員会,破壊力学部門委員会とフラクトグラフィ部門委員会でオーガナイズドセッション「疲労・破壊現象解明のためのフラクトグラフィ」を企画した(平成24 年10 月29 日(月),30 日(火),京都テルサ).また,以下に示す3 回の委員会を開催した.

第104 回部門委員会平成24 年7 月26 日(木)
東京にて開催
報告資料
508. 強化ガラスの破壊現象と破損事故解析への応用
東京都立産業技術研究センター○増田優子,上部隆男 509. 蒸気タービンロータ鋼の疲労破壊起点部フラクトグラフィ
に及ぼす異方性と試験温度の影響
帝京大学 ○森 要,内山 晃,小池 浩,増田昌弘
510. マグネシウム合金の疲労特性に及ぼす環境の影響
長岡技術科学大学 ○宮下幸雄,武藤睦治

第105 回部門委員会平成24 年11 月27 日(火)

大阪にて開催
報告資料
511. 疲労き裂発生のオンライン検出
住友金属テクノロジー梶@○田中健一
梶@本田技術研究所 浅井鉄也
512. ホイールボルト折損事例
三重県警察本部 科学捜査研究所 戸田 均
513. オーステナイト系ステンレス鋼の超音波腐食疲労挙動と破面解析
福岡大学 材料技術研究所 江原隆一郎

第106 回部門委員会平成25 年3 月14 日(木)
東京にて開催
報告資料
514. フラクトグラフィの研究を振り返って(伝承と期待)
橘内良雄
515. インモールド表面処理を施したCFRP/接着剤界面の評価
東京理科大学 ○松崎亮介
東京工業大学 轟 章,水谷義弘
516. Mechanism of crack growth during fatigue in cast hybrid metal matrix composite reinforced with SiC particles and Al2O3 whiskers
埼玉大学 ○ AKM Asif Iqbal,荒居善雄,荒木稚子

信頼性工学部門委員会

信頼性工学は,当初エレクトロニクス分野で産声をあげ,軍事関係の機器やシステムの信頼性向上,土木・建築構造物の信頼性確保などの分野で長足の進歩を遂げている.その後,機械構造物の安全性・信頼性確保の観点から機械工学,材料関連分野にも応用され,特に材料関連部門では疲労寿命・強度の確率モデルなど幅広い分野で研究されるようになり,航空機・原子力機器・橋梁など各種の構造システムの安全性と信頼性評価の貢献するようになる.しかしながら,その歴史はそれほど長くない.
一方,近年は,各種工業製品において多様化・高度化・知能化が複合的かつ重層的に進んでいる.こうした状況では,製品がシステムとして複雑化するほど,ひとたびシステムの一部に損傷や破壊が発生すると,その被害が従来以上に拡大される.このような被害を最小限にするため,人間の生命や社会の安全を保証するための基盤技術の確立が強く望まれている.信頼性工学部門委員会は,こうした広い観点から「材料」を介して種々の工学分野を横断的に結び付けながら,我国において信頼性工学を確立・普及させることを目的に設立され,本学会の他の部門委員会は言うに及ばず他の学会とも連携して幅広い委員会活動を展開している.
平成24年度の信頼性工学部門委員会活動としては,年3回の定例委員会(2012年4月20日/東京,2012年9月20日/滋賀,2012年12月12日/高松)を開催し,毎回研究討論会を設けて,下記に示す当該分野の最先端の諸課題に関する活発な研究討論を行った.

第130回 平成24年4月20日(金)
甲南大学ネットワークキャンパス東京

(1) 講師:松村 正三 氏((独)防災科学技術研究所)
「東日本大震災に関わる地震の解析と予測」
(2) 講師:高田毅士 委員(東京大学大学院工学研究科)
「原子力分野における地震工学的課題」

第131回 平成24年9月20日(木)
滋賀大学彦根キャンパス

(1) 講師:森田 聡 委員(関西電力)
「火力発電設備の損傷評価事例」
(2) 講師:藤山一成 委員(名城大学)
「設備保全を経営資源として生かすためのリスクベース工学」

第132回 平成24年12月12日(木)
サンポートホール高松55会議室

(1) 講師:高橋亨輔 氏(香川大学危機管理研究センター)
「複合特徴選択のためのアンサンブルシステムの提案とRC床版ひびわれ損傷度判定への適用」
(2) 講師:磯打千雅子 氏(香川大学危機管理研究センター)
「東日本大震災をふまえた香川県内企業の事業継続計画取り組み状況と課題想定外災害への対応 −防災から危機管理へ−」

さらに,年1回の幹事会(2012年8月21日/京都)を開催して次年度の活動計画を討議した.
また,2012年5月25日から27日の間,岡山で開催された第61期通常総会・学術講演会において,オーガナイズド・セッション6「材料・機械・構造物への信頼性工学の応用展開」を企画し, 13件の講演と活発な討論が行われた.併設行事として,信頼性フォーラム“機械要素の安全設計と信頼性保証”も企画し,明治大学清水茂夫教授の基調講演:“転がり軸受の新寿命理論 −転がり疲れと構造疲れの総合評価法−”,一般講演3件:“転がり軸受の疲労強度評価と信頼性確保”(富山大学 小熊規泰氏),“二段二重変動荷重下のボルト締結体の疲労寿命評価”(長崎大学 小山敦弘氏,高瀬徹氏,広島大学 菅田淳氏,立命館大学 酒井達雄氏),“各種ばねの疲労強度評価と安全性確保”(中央発條梶@榊原隆之氏,三村真吾氏,立命館大学 菊池将一氏,上野明氏,酒井達雄氏)3件の一般講演を行い,活発な意見交換を行った.
12月23日,24日には,第26回信頼性シンポジウム− 安心・安全を支える信頼性工学の新展開 −を香川県高松市のサンポートホール高松で開催した.このシンポジウムは,昭和52年以来,「安全性・信頼性」を共通のバックボーンとして種々の分野の研究者・技術者が一堂に会し,研究討論や情報交換を行う場として開催している.特に,平成17年からは,International Workshopを併設し,広く国際的な視野から当該分野の最新情報を提供している.今回のシンポジウムの,International Workshopは,「Unthinkable Events and Live Design」と題し,コロンビア大学(アメリカ)のGautam Dasgupta教授,荒川雅生教授(香川大学),岡田憲夫教授(熊本大学)をお招きして,想定外事象への対応等に関する議論を行った.また,香川大学工学部の長谷川修一先生の特別講演“自然災害の想定外を少なくするための応用地質学”と33件の一般公演を行い,安全・安心を支える信頼性工学の新展開に関して若手の技術者を交えて意見交換を行った.
その他,学会誌には,「日本材料学会疲労強度データベース事業の歴史的経緯・到達点と今後の展開」を3〜6月号に掲載し,60周年記念出版物として「材料強度の確率モデル」,疲労部門委員会との合同により,金属材料疲労強度データの収集とデータベースの構築を行った.
平成25年度の計画としては,年3回の定例委員会(4月:中部地区,9月:関西地区,12月:関東地区)と年1回の幹事会の開催を計画している.また,2013年5月17日から19日の期間に開催の第62期総会学術講演会において,オーガナイズド・セッション「材料・機械・構造物への信頼性工学の応用展開」と信頼性フォーラム「社会基盤の安全性・信頼性」を企画している.さらに,本年11月には疲労部門委員会との合同により,第26回信頼性シンポジウムを,阿蘇で開催する予定になっている.最近の信頼性シンポジウムの企画は,実行委員会を編成してシンポジウムの一層の活性化を図ることになり,会誌会告等にて別途案内のとおり,材料・構造・システムの信頼性,リスク解析・管理,防災基盤技術,災害・事故解析,社会安全とセキュリティ設計等の信頼性関連課題について,幅広く研究討論ならびに研究交流・情報交換を促進することになっている.なお,本シンポジウムにおける研究発表を対象にした優秀研究発表賞(学生・社会人部門)を設けており,本部門委員会が選定し,贈賞することになっており,多数の応募を期待している.
次に,疲労部門委員会と本部門委員会の合同企画として日本材料学会標準 (JSMS-SD-6-04) 金属材料疲労信頼性評価標準【S-N曲線回帰法】改訂版を発行し,その英文版も出版している.また,本組織を改組して新しい金属材料疲労信頼性データ集積評価委員会の活動が始まっている.本委員会では,2005年度より「軽量航空機信頼性分科会」を発足させ,災害救援用の各種軽量航空機の開発に取り組むことになり,2006年2月18日に第1回分科会を草津(立命館大学)で開催以来,2012年12月25日までに24回の軽量航空機信頼性分科会が開催された.こうして関連組織の合同研究会として本プロジェクトが年次的に着実に推進されている.
信頼性工学の守備範囲は極めて広く,人間の安全で快適な生活を保証し社会の持続的発展を可能ならしめる基盤技術として社会に定着させる必要がある.このためには,広範な分野における産・官・学の一層の連携が重要である.この観点から,種々の立場から本委員会へのご参加を期待している.ご参加については,主として本委員会委員の推薦によるが,参加希望の方は日本材料学会宛に直接申し込まれると,幹事会審議を経て本委員会の承認を得た上で委員に委嘱される.ただし,企業から参加される場合は,委員会資料費として年間15,000円を納付して頂き,その他の個人会員の参加者については,1,000円の年会費を徴収させて頂くことになっている.最後に,信頼性工学が今後ますます有用な学問として成長し,社会に広く普及・浸透することを期待する次第である.

破壊力学部門委員会

本委員会は,破壊力学という特徴ある力学体系と,それに基づくき裂材の強度評価体系を中心に,広く材料の破壊現象ならびにそれに関連した諸問題を取り扱う委員会としてスタートした.最近は,それに派生した接着端,接触端等の応力特異場問題にも展開している.破壊現象を取り扱うという点では,疲労,高温強度,腐食防食などの諸部門委員会と,また,強度問題一般という点では,マイクロマテリアル,信頼性工学など諸部門委員会とも共通する部分をもっている.本部門委員会が昭和54年に発足して以来,すでに四半世紀を経た.この間,産・官・学の各委員に興味をもたれている先端技術や新素材などの先端情報の紹介や解説を行い,講演会や討論を通じて委員相互の情報交換を行うため,年3回または4回の委員会と2年に1回のシンポジウムを開催してきた.また,本委員会は,幹事会で立案した各種議案や会の運営に関わる基本的諸問題を審議・決定する機関として機能している.
平成24年度には,以下に示す4回の委員会を開催した.

第140回 平成24年5月25日,岡山大学津島キャンパス
主題 「ナノオーダの局所負荷による変形・破壊」(公開部門委員会)
第141回 平成24年7月 2日,立命館大学東京キャンパス
主題 「非破壊的手法による材料強度評価」,(疲労部門委員会,X線材料強度部門委員会との合同開催)
第142回 平成24年11月15日,東北大学青葉山キャンパス
主題 「材料の脆化挙動に関する最新動向」
第143回 平成25年2月28日,大阪大学中之島センター
主題 「久保司郎先生紫綬褒章受章記念講演会」

これらの講演会資料は,小冊子にまとめ,各委員に無料で配布している.
隔年開催の第15回破壊力学シンポジウムは,高温強度部門委員会の高温強度シンポジウムと合同で,「高温強度・破壊力学合同シンポジウム」として,平成23年11月24〜26日に石垣市商工会館をメイン会場として開催した.次回の第16回破壊力学シンポジウムは,信頼性部門委員会の信頼性シンポジウムと合同で,平成25年11月頃に熊本での開催を予定している.本委員会では,Ohji-Ohtsuka-Okamura Award(功績賞,奨励賞)を設けており,破壊力学シンポジウムにおいて贈賞している.また,第15回破壊力学シンポジウムから,若手研究者・技術者の育成を主な目的とし,破壊力学シンポジウム開催最終日の時点で30歳未満の登壇者を対象とした「ベストプレゼンテーション賞」も設けている.
本委員会では小委員会を設け,以下のようなテーマを絞った活動も行っている.
FMニュース小委員会では,破壊力学に関連する国際会議や規格の制定・改正などの破壊力学関連のニュースを集録編集し,「FMニュース」として委員会およびシンポジウムの開催ごとに配布している.より広範囲かつ迅速にこれらの情報を集めることが可能となるよう,他の学会との連携も視野に入れている.
K値小委員会では,これまでの活動によって,応力拡大係数に関するハンドブックとして,STRESS INTENSITY FACTORS HANDBOOK, Vol. 1〜5を発行してきた.このハンドブックは,国内に限らず国外でも広く活用されており,国外を含め研究者からの精度などに関する問合せに対して,委員会として対応している.また,世界中の研究者から要望があったVol. 1, 2の携帯版も発行し,好評を得ている.要望の多いVol. 1, 2については,現在,電子版ハンドブックの出版のため電子出版WGが活動中であり,平成25年夏までに出版の予定である.
界面強度評価小委員会は平成18年度より設置され,界面強度評価(接合強度評価および皮膜はく離強度評価)に必要な試験法の具体例を収録するとともに,K値小委員会の成果を活用した新たな評価法の提案に取り組んできた.また,これらの成果をまとめた「界面強度評価ハンドブック」を平成22年度に出版し,現在好評発売中である.
さらに平成22年度には,若手育成と破壊力学のさらなる普及を目的とし,あらたに教科書出版検討WGを立ち上げ,活動を行っている.また,非破壊検査小委員会を立ち上げるべく,現在準備を進めている.
現在,本委員会は,法人会員数十社,名誉委員4名を含め,産・官・学約200名の委員により構成されている.本委員会の存在価値は破壊力学の実機構造物の設計など,実際面に活用されることにあるため,特に会社関係の方々の参加を強く希望している.委員会への加入は,委員会の承認を得ることになっている.加入希望者は日本材料学会事務局に直接申し出られたい.なお,会社委員には,原則として本会の賛助会員で,年間20,000円の資料費(全資料配布),その他の個人会員には年間2,000円の連絡・整理費をご負担いただいている.また法人会員は,代表者以外に4名まで本委員会のメンバーとして登録でき,登録されたメンバーは委員会へ自由に参加できる.

セラミック材料部門委員会

本委員会は,昭和54年6月に,セラミック材料の諸問題を扱う委員会として発足し現在に至っている.セラミックスの合成,製造,加工などの各種プロセス技術ならびに機械的,熱的,電子・磁気・光学的,化学的性質などの設計と評価技術に関する諸問題を対象に,産・官・学の研究者の情報交換・討論の場として,有用な機会を提供してきている.
本委員会の構成員には法人委員と個人委員がある.委員会への加入は,主として現委員の推薦によることが多いが,日本材料学会事務局に,加入希望する旨を直接申し出ていただいてもよい.幹事会と委員会の了承を得て,委員となって頂くことになる.なお,会の運営維持のため,法人会員には年間15,000円を,委員会での講演会や見学会の資料代等(欠席の場合も毎回送付される.各回参加費は無料)として,また個人会員には,委員会への出席各回毎に1,000円の費用負担をお願いしている.
平成24年度期には3回の委員会が開催された.委員会でのテーマ,講演,講演者,日時,場所などの内容は以下のようである.7月の委員会では,学術講演会「セラミックスの合成と評価」を行い,活発な研究発表と討論が行われた.これらの研究発表の一部は「材料」誌に寄稿され,小特集の論文として掲載される.委員会での識者による講演会と同時に,各方面の協力を得て,セラミックス技術の研鑚に役立つ貴重な施設の見学会を行っており,好評を得ている.また,本部企画の学術講演講演会などの併設行事として,オーガナイズドセッションを積極的に開催している.来期にも,意義ある委員会活動をめざして,講演会,公開討論会,見学会を計画しており,委員ならびに会員各位の一層のご支援をお願いする次第である.

第138回委員会(学術講演会)
平成24年7月13日(火)
京都工芸繊維大学 総合研究棟 多目的室
テーマ「セラミックスの合成と評価」,12件の研究発表
廃ガラスリサイクルによるゼオライト成形体作成と評価
田上 徹・熊谷空美・神谷昌岳・中平 敦
(大阪府立大)
ゼオライト・ジオポリマーハイブリッド材料の特性に及ぼす出発カオリンの影響
橋本 忍・武田はやみ・横山博昭
本多沢雄・岩本雄二(名古屋工業大)
水熱法を用いたガラスからのゼオライト合成と評価
辻口雅人12・小橋 正1・神原潤二1
内海康彦1・柿森伸明1・中平 敦2(1 シャープ梶C2大阪府立大)
Mg-Al系ハイドロタルサイトを用いたリン除去・回収に関する研究
久世賢明・塩見治久(京都工繊大)
ホタテ廃貝殻の有効利用による晶析型リン除去材の開発
吉村晃平・塩見治久(京都工繊大)
ガラスと金属の密着機構の熱力学的検討
塩野貴史・草場千鶴・若杉 隆・角野広平(京都工繊大)
SOFC燃料極用Ni-YSZ薄膜の構造と出力
大谷昌司1・津久井茂樹2・足立元明2
(1関西触媒化学梶C2大阪府立大)
Y-TZP/Al2O3複合体の高温変形機構
榎本 瞬・岡本泰則・塩野剛司(京都工繊大)
電極反応を利用したニオブ酸カリウムの合成と評価
金山大樹・林慎太朗・中平 敦(大阪府立大)
セリアジルコニア系固溶体の共沈法による合成と分光特性評価
網本正哉・羽田政明・小澤正邦 (名古屋工業大先進セラミックス研究センター)
ウレタン系ラテックスバインダーを用いたZrO2の凍結成形による多孔体の作成
糸井公一・塩見治久(京都工繊大)
低セメントキャスタブルの諸特性にアルミニウム粉末の粒度が与える効果
大庭康宏1・奥野浩英1・竹内信行2(1大光炉材梶C2京工繊大)
導電性金属酸化物薄膜の合成とプラズモニクス特性の評価
安原隆一郎・藤田晃司・村井俊介・田中勝久(京都大)
新規赤色蛍光体Eu3+添加Li1+x(Ta1-zNbz)1-xTixO3の合成と発光特性(1 豊橋技術科学大学,2階RI,3 慶應義塾大学)

第140回委員会
平成25年3月11日(月)
財団法人若狭湾エネルギー研究センター
◎講演 『狭湾エネルギー研究センターにおける研究』
「加速器による分析」
エネルギー材料グループ主任研究員 安田啓介 氏
レーザーによる除染
エネルギー開発グループ研究員 峰原英介 氏
◎見学会
学術講演会
オーガナイスドセッション(セラミック/ナノ材料の創成と評価)8件の研究発表
高効率イオン交換反応の実現に向けたバルク型マクロ多孔性層状腹水酸化物の作製
徳留靖明(阪府大院)
樽谷直紀,高橋雅英,中西和樹(京大院)
木質組織を利用したSiCセラミックス作製
塩野剛司(京工繊大)
星野浩志,三船有希,岡本泰則
新規プロセスによるゼオライト硬化体の合成
松田昌人(京工繊大),塩野剛司,岡本泰則
チタニア添加Y-TZPの熱的安定性と機械的性質
佐々木誠(京工繊大),塩野剛司,岡本泰則
SrTiO3基板上へのFeTiO3-Fe2O3エピタキシャル薄膜の作製
渡邉正治(京大院),藤田晃司(京大)
村井俊介,田中勝久
キチン・キトサンナノファイバーを用いる動電クロマトグラフィー法の開発
渡邉正登(京大)
川井隆之,末吉健志,北川文彦(弘前大)
大塚浩二(京大)
島状表面ナノ構造を有するTiN薄膜の創製と機械的特性
中谷正憲(兵庫県立大)
大澤拓也,花木 聡,内田 仁
クレイナノコンポジットの引張および疲労特性に及ぼすクレイ分散性の影響
松田祐樹(山口大院)
得能圭祐,合田公一(山口大),野田淳二

第56回日本学術会議材料工学連合講演会
オーガナイズドセッション(セラミック/ナノ材料の創製,評価と応用)をナノ材料部門委員会と共催し,8件の研究発表
平成24年10月29日(月)
京都テルサ
ナノマテリアル固定化基板の創成
久保拓也(京大院)
MingdiYan (Univ. of Massachusetts Lowell)
大塚浩二(京大)
ステイン法によるガラスへのカリウムイオンの導入と化学強化への応用
三澤智博(京工繊大),若杉 隆,角野宏平
金属クラスターを内包したアゾフラーレンSc3N@C79Nの電子構造とNMR量子コンピューターのスピン制御
鈴木厚志(滋賀県立大),奥 健夫
金属内包フラーレンY3N@C79Nの電子構造・磁気的性質とNMR量子コンピューターへの応用
中川仁史(滋賀県立大)
鈴木厚志,奥 健夫
金属ナノ粒子を組み込んだ逆型有機薄膜太陽電池の作製と評価
西田拓司(滋賀県立大)
松本泰輔,秋山 毅,奥 健夫
ポリシラン系太陽電池の作製と特性評価
中川純也(滋賀県立大)
奥健夫,鈴木厚志,秋山 毅,徳満勝久
山田昌宏(大阪ガスケミカル)
中村美香
銅酸化物無機系太陽電池の作製と評価
藤本和也(滋賀県立大),奥 建夫,秋山 毅
イオン交換により誘起されるガラスの分相における溶融塩組成および温度条件の影響
山脇憲吾(京工繊大),若杉 隆,角野広平

衝撃部門委員会

衝撃下における材料・構造の変形,破壊現象は,車両の衝突や地震による動的破損といった問題への対処から,逆にこれを積極的に利用する破砕や加工の問題まで,広範な分野で頻繁に見受けられる.しかし,こうした現象は,材料自体の変形特性の速度依存性と材料中を伝ぱする応力波に起因する力学的問題が複雑に絡み合い,一般に難解である.したがって,これらの現象を解明するためには,材料の物性面のみならず,解析方法や装置・実験法,計測法などのいろいろな視点から議論し,検討する必要があるが,従来そのような機会は少なかった.この点に鑑み,関連の諸分野の研究者・技術者が一堂に会して衝撃問題を議論し,情報交換できる場として,本部門委員会が1981年(昭和56年)2月に設立された.以来,年間3〜5回の定例の委員会(研究会)をはじめ,3年ごとの「材料の衝撃問題シンポジウム」の開催,それらを基にした学会誌「材料」での衝撃に関する特集号の刊行,さらに衝撃問題の基礎と最近の問題を解説した連載講座の掲載など,活発な活動を続けている.また,学会活動成果を社会へ還元し,産業社会へ貢献するため,初心者向けの技術講習会「衝撃工学フォーラム(初心者のための衝撃工学入門)」を,2002年より概ね年一回のペースで開催している.さらに,2006年の11月からは,ご要望の多い産業界からの衝撃関連問題の解決への支援の方策として,技術相談窓口を開設(ホームページアドレス:http://impactmb.jsms.jp/soudan.html)した.
平成24年度の活動としては,以下に示すような計4回の定例の部門委員会および研究会と特別講演会(日本実験力学会衝撃分科会,および,大阪大学 大学院 基礎工学研究科 機能創成専攻と共催)を一回開催した.
【平成24年度の活動】
特別講演会(参加者20名)
日 時 : 平成24年5月21日(月)14:00〜16:00
場 所 : 大阪大学基礎工学部D棟共用セミナー室 D404-408
講演題目/講演者

(1) Dynamic Fracture Toughness of High Strength Steels : Mode I, Mode II and I/II Mixed-mode
(2) Fracture Simulation for Composite Aircraft Structure Design-----Illustrated by composite T-joints analysis
Prof. Yulong Li, Northwestern Polytechnic University, China

第127回衝撃部門委員会研究会(参加者:27名)
日 時 : 平成24年6月28日(木)12:50〜17:00
場 所 : 大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス 学術交流会館 小ホール
講演題目/講演者

(1) マグネシウム合金の高速変形応答
神戸大学大学院 工学研究科 機械工学専攻
向井敏司
(2) 複合材の非線形材料特性を予測するツールDigimatの紹介
伊藤忠テクノソリューションズ渇ネ学システム事業部
津田 徹
(3) SHPB法によるCFRP材の衝撃破壊じん性評価
立命館大学 理工学部 機械工学科 日下貴之

第128回衝撃部門委員会研究会(参加者:22名)
日 時 : 平成24年10月5日(金)12:40〜17:00
場 所 : 広島大学 学生プラザ4階 多目的室
講演題目/講演者

(1) パルスデトネーション技術とその応用(爆発的な燃焼を有効利用するために)
広島大学 工学研究院 遠藤琢磨
(2) 自動車用新熱延高張力鋼板とその衝撃特性について
JFEスチール潟Xチール研究所
瀬戸一羊,上  力,稲積 透,吉武明英
(3) 高分子材料の圧縮応力−ひずみ特性―ひずみ速度と温度の影響
岡山理科大学 工学部 中井賢治,横山 隆

第129回衝撃部門委員会研究会(参加者:17名)
日 時 : 平成24年12月13日(木)12:20〜17:00
場 所 : 東京工業大学 大岡山キャンパス石川台3号館3階304会議室
講演題目/講演者

(1) 水撃現象における円管の固液連成衝撃応答
東京工業大学 大学院 理工学研究科 因幡和晃
(2) 高出力パルス中性子源における衝撃問題
日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター 二川正敏
(3) 整形外科バイオメカニクスにおける衝撃問題 ―
Impaction Bone Graftingによる人工股関節再置換術
新潟大学 工学部 田邊裕治

第130回衝撃部門委員会研究会および部門賞授与式
(参加者:21名)
日 時 : 平成25年3月28日(木)12:30〜17:00
場 所 : 公益社団法人 日本材料学会本部3階 大会議室

(1) 平成24年度衝撃部門委員会 部門賞 授与式
受賞記念講演
(2) 【功労賞受賞記念講演】
材料の変形・破壊の動的問題を考える
東京大学名誉教授 塩谷 義
(3) 【業績賞受賞記念講演】
衝撃工学に関する研究のこれまでとこれから
豊橋技術科学大学 大学院 工学研究科 足立忠晴
(4) 【奨励賞受賞記念講演】
接着継手および相変態を伴う材料の衝撃変形挙動ならびに衝撃圧縮試験法の高精度化
広島大学 工学研究院 機械システム 応用力学部門
岩本 剛

研究会以外の活動としては,平成24年5月26日〜27日にかけて,岡山大学津島キャンパスで開催された,本学会第61期学術講演会にて「衝撃負荷に対する材料・構造の応答」と題したオーガナイズドセッションを企画し,基調講演を含めて21件の講演が行われ,多数の参加者(30名程度)の活発な討議と意見交換が行われた.また,平成24年10月29日(月)に京都テルサで開催された第56回日本学術会議材料工学連合講演会においても,「衝撃問題の現状と新たな展開」と題したオーガナイズドセッションを組み,単日ながら9件の講演と30名程度の参加者を得て活発な議論が行われた.なお,今年度の「衝撃工学フォーラム」は,その内容と開催地区を変えて新たな立ち上げを予定しており,本年度後半での実施を延期し,来年度の夏から秋に向けての開催に向けて準備中である.最後に,部門委員会委員は平成25年2月現在,87名(うち法人委員7名)で,運営分担金として法人20,000円,個人2,000円を納入して頂いている.年度始めには,前年度の委員会の講演資料集を委員全員に配布している.衝撃問題に関心のある方々のご参加をお待ちしている.

強度設計・安全性評価部門委員会

機械や構造物に関する強度と安全の問題を議論する場として,本部門委員会は活動している.昨今の様々な機械・構造物に関連する事故例を見るまでもなく,設計者と製造者のみならず,その管理者においても強度と安全性に対する認識の不足,あるいは欠如が大事故につながり,尊い人命が失われていることがわかる.一度,人身事故が発生すると機械・構造物の製造企業の損失はもとより,社会全体が被る損失は甚大なものとなる.このことを,今日のように複雑化した社会システムにおいて,関係者は益々強く認識しておかなければならないと考えている.また,報告されない様々な損傷事例を設計者や製造者は経験し,その対策に従事することがあるが,判断資料が不十分であることも経験していることである.
機械や構造物の経年変化による材料劣化や予想外の外力,あるいは結果的に人為的な間違い等が原因で損傷や事故が発生している.特に強度設計とその評価は経験的なことがらも含むことから,学理と実機の情報を総合的に議論することは重要である.また,そのような経験は,たとえ体系的に取りまとめられていなくても,多くの技術者にとって非常に参考になる.
本部門委員会では,材料強度,振動・応力解析,実機の強度評価,事例解析などに関する話題を取り上げて議論している.また,関連する要素技術に関しても実機の視点に立って考究し,研究の深化に役立つことを意識して取り上げ,またその研究成果の報告としてのシンポジウムを二年に一回開催している.
平成24年度は実例を中心にして,関連する要素技術の研究等に関して討論を実施した.

第59回の委員会は平成24年6月28日に近畿大学にて実施し,材料強度関係の実験設備見学もさせていただいた.
具体的な話題を下記に記す.
  (1) 風力発電装置の動向と設計課題について
近畿大学 東康嘉 氏
  (2) 混合モード下における表面き裂の応力拡大係数の評価と有限要素モデル生成技術
近畿大学 和田義孝 氏
  (3) 計算力学手法による不均質材料の強度設計・安全性評価のための確率特性解析とV&V
近畿大学 坂田誠一郎 氏
H24年11月17日には設計工学会関西支部との共催により,「設計工学会関西支部研究発表講演会」を,大阪電気通信大学にて実施した.
さらに,H25年2月22日には,「第13回機械・構造物の強度設計,安全性評価に関するシンポジウム」を,疲労部門委員会との共催により,材料学会にて実施した.
新材料・余寿命,実機の強度評価・解析 (1) & (2),実機の強度評価・解析,強度設計・安全性の5つのセッションにて,13件の講演があり,活発な討論が行われた.

以上のような本部門委員会での活動を通して,機械・構造物の破損事故を未然に防止することにつながり,また,グローバル化・複雑化した社会に対応する企業および大学等の技術者・研究者の皆様にとって有意義なものになることを確信している.
本部門委員会への入会については,通常は「当人からの申請」あるいは「委員からの推薦」により,部門委員会の承認を得ることになっている.なお,委員会資料・連絡などに,賛助会員(1社につき何名でも参加可)には年額20,000円を,個人会員には年間2,000円をご負担いただいている.
ご関心をお持ちの方々の入会をお待ちしていますので,ぜひとも,現委員または日本材料学会へご連絡ください.なお,現在の本部門委員会の委員長および幹事は以下の通りである.

委員長: 河嶋壽一(龍谷大学)
幹事: 森本精洋(近畿大学)
辻上哲也(龍谷大学)
服部信祐(佐賀大学)
堀川 武(龍谷大学)
西村誠一(元大阪産業大学)
分子動力学部門委員会

各種材料の変形,破壊,組織変化等の評価および予測が求められており,実験による検証・考察は然ることながら,力学理論にもとづく数値シミュレーション手法による解析が有効になっている.昨今の計算機(コンピュータ)環境の変化は凄まじく,パーソナルコンピュータの社会への浸透が始まった1990年代を経て,現今に至っては誰もがコンピュータを触るようになった.その間に,材料解析は有限要素法(FEM)に代表される連続体力学的・構成論的アプローチに加え,さらに小さいスケールで実存する材料内部の原子間結合にまで踏み込んで議論する状況になった.そのような状況を見越し,平成6年(1994年)8月に本委員会,「分子動力学部門委員会」が発足した.
分子動力学部門委員会では,力学理論をベースとした原子・分子レベルのシミュレーション手法(分子動力学計算や第一原理計算)を中心に,様々な材料・物質を解析し,それらを理解し,さらに応用へと導くための方法論を追求する.そのため,様々な学術分野を横断的に計算力学的アプローチという共通項で捉えていく特徴を持つ.よって,研究対象は幅広くかつ興味深い分野にまたがっている.例えば,ミクロ−マクロを繋ぐマルチスケール的解析方法の開拓,ナノメートル実験観察とシミュレー
ションの連携,先進機能材料の力学的および量子・電気的性質の解析,非線形力学の数理科学,離散系・粒子法シミュレー
ション,有機ポリマー材料の微視解析と材料設計,シリコン・カーボンナノテクノロジー,弾塑性金属材の格子欠陥解析,材料組織形成(フェーズフィールド)シミュレーションなどの諸々の興味深い研究分野が関連している.さらに,シミュレーション結果のリアルな可視化やスーパーコンピュータ利用による超大規模計算,近年では汎用GPUによる高速演算手法などの,計算機を効率良く集中的に扱うためのコンピュータ科学的な方法論にも研究が及んでいる.
ここ数年,定例の委員会は年間3〜5回の頻度で開催されている.委員に限らず参加可能な公開委員会とし,その時々で興味深いトピックに沿った講演が編み込まれている.例えば,平成24〜25年度(第61期)におけるテーマおよび講演内容を以下に示す(講演者の敬称略.以下同).

第61期 第1回委員会 平成24年6月5日(火)
    (東京大学生産技術研究所)
  ※ 第18回分子動力学シンポジウムに併設
第61期 第2回委員会 平成24年9月7日(金)
    (大阪大学コンベンションセンター)
  ※ 金属ガラス部門委員会との合同委員会
  テーマ「非晶質材料の構造と物理」
  1. 「ガラス転移の平均場描像」
筑波大学大学院数理物質科学研究科 宮崎州正 氏
  2. 「過冷却液体の非平衡・非線形力学応答」
京都大学大学院工学研究科 山本量一 氏
  3. 「金属ガラスの変形機構に関する原子構造論的検討」
大阪大学大学院基礎工学研究科 譯田真人 氏
  4. 「実験モデル材料としてのコロイドガラス」
大阪大学大学院基礎工学研究科 中村暢伴 氏
第61期 第3回委員会 平成24年10月8日(月)
    (神戸国際会館)
  テーマ「材料における欠陥組織と力学特性〜実験観察から のアプローチと原子シミュレーションの役割〜」
  1. 「超高圧電子顕微鏡による転位の観察と破壊靭性」
九州大学大学院工学研究院 材料工学部門
田中將己 氏
  2. 「マグネシウム合金の微細組織制御による機械的特性の改善」
物質・材料研究機構 元素戦略材料センター
染川英俊 氏
  3. 「TEM 内引張その場観察法による運動転位と照射欠陥の相互作用に関する研究」
福井大学付属国際原子力工学研究所
野際公宏 氏
第61期第4回委員会 平成25年5月17日(金)
    (東京工業大学)
 ※ 第18回分子動力学シンポジウムに併設(予定)

さらに本委員会では,広く研究者が集って深い議論および情報交換をする場として,平成7年から毎年,「分子動力学シンポジウム」を開催してきている.この一連のシンポジウムにおいては,分子動力学に精通する大学・企業所属の一般研究者のみならず,大学院生など研究の緒についた若手の活躍も目覚ましい.毎年,シンポジウムでの優秀講演者には部門賞である,MD賞(一般),MD部門若手奨励賞(学生)が各々授与され,意欲的な研究を奨励している.第61期に行なわれた「第17回分子動力学シンポジウム」では,「電子・原子レベルから力学特性評価/金属材料の欠陥と変形/ポスターセッション/変形・拡散・ダイナミクス」の各セッションが行なわれ,その中で合計で44件(口頭発表8件,ポスター発表36件)の発表があり,大変盛況であった.平成25年度は,5月17日(金)に学会総会併設行事として,東京工業大学にて第18回シンポジウムが開催される予定である.
さらに,「分子動力学およびその周辺技術」を企業の若手技術者や大学生などの初学者にも広く伝えるための講習会をほぼ毎年開催しており,こちらも盛況である.平成24年12月10-11日には東京大学山上会館で恒例の「第9回ノートパソコンで出来る原子レベルのシミュレーション入門講習会〜分子動力学計算と電子状態計算」を開催し,分子動力学法の基礎理論とソフトウェアの利用方法に関する講義を提供した.詳しい講習内容は以下の通りである.
【1日目】 講義1(分子動力学の基礎・物性値算出)東京大学 泉 聡志/分子動力学ソフト ヤSCIGRESS MEユ 演習富士通潟eクニカルコンピューティングソリューション事業本部/講義2(分子動力学のポテンシャル)東京大学 泉 聡志/フリーディスカッション
【2日目】 講義3(電子状態計算の基礎)大阪大学 尾方成信/電子状態計算演習・電子状態計算ソフト(ABINIT等)の紹介 大阪大学 尾方成信,君塚 肇/分子動力学・電子状態計算質問・フリーディスカッション(個別相談あり)
以上のように,分子動力学部門委員会は,原子・分子レベルの計算機シミュレーションを礎として,今後の材料・物質系シ
ミュレーションの発展へ寄与すべく精力的に活動を行なっている.他の学会・部門・学術的グループと比較してみても,次世代を担う若手研究者の活躍が目立っている.既成枠に囚われないアイデアでの研究活動をさらに推進したい所存である.また,委員会とはいえ敷居は非常に低いと思われるので,老若男女問わず,本委員会に興味をもたれた様々な分野の研究者・技術者・学生の参加を待ち望んでいる.正会員・賛助会員ともに,参加ご希望の方は下記のメールアドレスまで連絡をお願いしたい.
e-mail:md@md.jsms.jp
URL:http://md.jsms.jp/

マイクロマテリアル部門委員会

マイクロマテリアルは近年のナノマテリアル研究以前の創世期に始まり基礎から産業にわたる多く分野を啓蒙してきたパイオニアとしての重要な役割を担ってきた経緯がある.その後半導体素子の微細加工技術と機械工学を結集したMEMS の振興に伴い,航空・宇宙から携帯電話や携帯ゲームなど広い分野の基盤技術となり,新しい産業分野として世界的に活発な研究・開発競争が行われ,それに伴ってナノマテリアルも含めた幅広い分野に不可欠なものとなった.ところがマイクロ・ナノマテリアルはあまりにも基盤的な材料であり本学会でもナノ材料部門委員会が創設されるなど部門としての境界が広くなり外部から特徴が見えにくくなってきた.
本部門委員会では他分野との差別化とともに材料を使う側のニーズ,言い換えれば材料研究の先が見えるマイクロ材料を用いる分野との連携の方策を模索してきた.その結果本部門委員会が扱う分野と連携は,次のように当面行うこととした.活動分野は以下の5 分野に重点を置いて展開していく.ここで言うマイクロマテリアル,マイクロエレメントとは,その最小寸法がマイクロメートルあるいはナノメートルオーダーのものを指し,寸法の微小化と薄膜製造方法に基づく未知の材料の問題点と機能を解明するとともに,その応用・展開の知識と可能性を研究することが目的である.

1 微小材料理論
微小材料の製造理論,物性・強度評価に対する従来の材料力学や破壊力学の適用範囲,分子動力学法等のシミュレーション理論の適用研究
2 微小材料加工法
スパッタリング,メッキ,マスキング,リソグラフィなどのプロセスと電子ビーム,集束イオンビーム(FIB) 等の加工法の研究
3 微小材料計測法
ナノインデンター,スキャニングプローブ顕微鏡,ラマン散乱,イオン顕微鏡,FESEM によるEBSD やEDX,微小材料試験機などの最新の試験・計測・分析手法および種々の試験環境境による影響,AFM ナノフラクトグラフィなどの研究
4 微小材料評価法
微小材料の計測法を用いた微小材料の機能・機械的特性や耐久性・剥離強度評価法,および材料特性のデータの集積,設計基準等に関する研究
5 微小材料,マイクロエレメント応用技術
微小材料の成型・集積・積層による機能と耐久性創製などによる実MEMS デバイスへの展開の分野

1 と2 はマイクロマテリアルの特徴でもあるがプロセスと加工がかなり重複しており区分けが難しいことに御留意いただきたい.
連携方策は
材料分野が重要であるが中心ではなく,多くの研究者が参加している学会や継続的なシンポジウム等で上記5 分野が積極的に連携・交流が可能な場所を検討した結果,本学会と本部門委員会が主催するマイクロマテリアルシンポジウムを,電気学会,日本機械学会,応用物理学会の3 学会が協力して同一会場で同時開催することにより参加者が相互に参加交流可能な電気学会主催のセンサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム,日本機械学会主催のマイクロ・ナノ工学シンポジウム,および応用物理学会主催の集積化MEMS シンポジウムと共同開催することにした.
平成24 年度は,平成24 年10 月22 〜 24 日に小倉の北九州国際会議場および西日本総合展示場で開催された電気学会主催の第29 回「センサ・マイクロマシンと応用システムシンポジウム」と同時に同一の会場でマイクロマテリアルシンポジウム開催し,講演7 件を行った.参加者は,午前16 名,午後30 名の盛況で,活発な意見交換が行われた.講演演題と講演者は次のとおりである.講演1「微細針の接触による室温再結晶(電顕下観察とシミュレーション)」:藤田博之(東大),講演2「動的モンテカルロ法を用いた薄膜成長の原子シミュレーション」:松中大介(阪大),講演3「銅極細線の機械的特性に及ぼす疲労と経時変化の影響」:松村隆(電通大),講演4「超高周波超音波スペクトロスコピー法によるナノ材料の弾性定数の精密測定」:荻博次(阪大),中村暢伴,平尾雅彦,講演5「超臨界二酸化炭素を利用したマイクロマテリアルの精密成形」曽根正人(東工大),講演6「マイクロアクチュエータとしての形状記憶合金と新しい展望」:細田秀樹(東工大),講演7「金属ガラスを用いたMEMS とその特徴」:秦誠一(名大).
平成25 年度は,平成25 年11 月5 日(火)〜 7 日(木)に仙台で行われる電気学会の第30 回「センサ・マイクロマシンと応用システム」と同時に同一会場でマイクロマテリアルシンポジウムを開催致します.
また,平成25 年2 月27 日(水)に神戸大学で第47 回マイクロマテリアル部門委員会を開催し,前回議事録の承認,マイクロマテリアルシンポジウムの実施報告と来年度の計画に関する審議などを行った後,2 件の講演を行った.演題は,講演1「マグネシウム合金の生体デバイス応用」:向井敏司(神戸大),講演2「高分解能静電容量センサ搭載MEMS ナノ材料試験デバイスによる多層CNT の破壊挙動評価」:磯野吉正(神戸大)であった.
本部門委員会は,大学・研究機関のみならず企業サイドからもニーズやシーズを探る機会となるように進めてまいります

半導体エレクトロニクス部門委員会

本部門委員会の歴史は,1960年代前半に設立された「半導体物性等研究会」に遡る.この研究会は,当時に半導体の先駆け的な研究を開始された大阪大学の山口次郎教授が,この分野の飛躍的な研究の進展を期して,研究者の最新の研究成果の発表・討論と情報交換を目的に設立されたものである.1960年代という半導体の黎明期であり,その後30年以上にわたり,半導体技術の飛躍的な進展と時を合わせて,先進的な研究推進の原動力になり,またこの分野で活躍する多くの人材育成につながったことが推察される.
しかし1997年1月に山口次郎教授(当時大阪大学名誉教授,摂南大学名誉教授)がご逝去され,この「半導体物性等研究会」は支えを失ってしまった.しかし,この研究会が果たしてきた先駆的な活動の歴史を留め,またさらに一歩進んだ活動につながることを期し,山口次郎教授の直接的なご指導を受けた大阪大学の奥山雅則教授が中心となり,1998年10月にこの「半導体物性等研究会」の伝統を引き継ぐ形で,本部門委員会を設立された.
以来,本分門委員会は10年以上の歴史を有するに至った.折しも,半導体技術の急速な発展により,先端的研究成果の発表と討論の場として多くの学会・研究会が企画・運用されるようになった.その中で本委員会では,幅広い材料に対する総合的な観点から自由な雰囲気で話し合える機会を与えてきた.しかしながら,時代の流れがあわただしくなり,情報発信の源が各所にある現状から,委員会および研究会への参加者数が減少する傾向のあることも事実である.
そこで平成17年度より,今後の材料学会における本委員会の特徴を際立たせ,活性化を図るための施策の一つとして,学部生や大学院生が参加しやすい形での研究会を企画し,大学院生に対して発表・参加を強く呼びかけている.学部生や大学院生は,実際上大学の研究室における研究成果の中核を担っているが,自分たちの専門以外のことになると思いのほか知らない.また学会に参加しても自分たちの専門分野のセッションにのみ出席し,専門外である材料についての発表には参加しない(というより,大きな学会では専門以外の分野に出席する時間的余裕がない).そこで,大学と専門の枠を越えて交流することで,人的かつ知的な融合を深めることができると考えるのである.また一般の研究者,技術者にとっても,このクラスの学生の講演は学術的に最先端であるとともに,研究に深く従事していることからより内容に密接しており,詳細かつ技術的な知識を得ることができる.他方学生にとっては,多くの研究者の意見を聞くことで自己の研究の意義を再認識し,論文の完成に向けての大きな指針を得ることができる.平成21年度には,さらに学生優秀講演賞と講演奨励賞を設けて若手研究者のモティベーションを高めることを目指した.
このような新しい試みが徐々に委員会の発展につながっており,平成24年度には研究会を2回開催し,毎回50名前後の参加を得て先端的な講演と活発な討論がなされた.優秀な講演が多く,学生優秀講演賞の選定は高いレベルで行われ,その結果合計3名の方に賞を授与した.ホームページの充実にも努め,学生優秀講演賞と講演奨励賞の受賞者や審査の経緯もあわせて掲載している.今後,より多くの会員を得てそのご協力により特徴ある活動を目指してゆきたい.

生産科学部門委員会

地球温暖化防止に向けた産業の取り組みが一層進む中,省エネ,省資源と持続可能な生産は,環境,情報,バイオ,ナノと共に現在の我が国の工業界におけるキーテクノロジーの一つである.本部門委員会は,生産を科学的に捉え,材料をキーワードに生産を取り巻く問題解決を研究目的として平成13年5月に設立された委員会である.
我が国の生産に関わる技術は,戦後の復興並びにその後の発展に大きく寄与したことは言及するまでもない.しかし,現在は,経済構造変革による「ものづくり」の形態変化,研究開発から製品への問題,後継者育成や技術継承などの問題,次世代への生産戦略の欠落や学生の理科離れなど多くの指摘があり,今後の我が国のものづくりが危ぶまれている.21世紀における「ものづくり」について,その創成コンセプトの創出を主眼に,地球環境などを視野に入れて,「生産」の科学技術を発展させることが,我が国の経済を支え,社会の安定的発展には不可欠である.このような趣旨に基づき,生産科学部門委員会では,定例委員会,研究討論会などの活動を行っている.
平成24年度の委員会活動として,以下に示す4回の研究討論会を行った.

平成24年度第1回生産科学部門研究討論会
(2012年5月24日)
* 大型工作機械と精度確保への取り組み
新日本工機 製造部 部長 島田 謙一 氏
* 日本の工作機械の発展要因の1 つとその呪縛−近未来NC のための加減速
新日本工機エンジニアリング 取締役 西橋 信孝 氏
* CAM-CNC 統合による工作機械の将来像
神戸大学 大学院工学研究科 教授 白瀬 敬一 氏

平成24年度第2回生産科学部門研究討論会
(2011年8月28日)
* 混合音を聞き分けるロボット聴覚センシング技術
京都大学 大学院情報学研究科 教授 奥乃 博 氏
* 自己言及性と双方向性から考える触覚技術
名古屋工業大学 大学院工学研究科 助教 田中 由浩 氏
* ロボットを使った生産システムへの視覚のセンサの利用
ロボットセルラボ シン 松岡 眞 氏

平成24年度第3回生産科学部門研究討論会
(2012年12月4日)
* マイクロエンドミルによる超精密加工の基礎と今後の展開
滋賀県立大学 教授 中川 平三郎 氏
* レーザー加工を利用した摩擦材の接着技術
潟Gクセディ 河端 紘 氏
* 人(女性)と地球に優しいものづくり
潟Gクセディ 多田 淳史 氏

平成24年度第4回生産科学部門研究討論会
(2013年1月13日)
3次元CAD教育を通して見えるもの
産業技術短期大学 二井見 博文 氏
最先端マルチフィジックス解析を活かしたものづくりへ向けて
計測エンジニアリングシステム梶@橋口 真宜 氏
PLMソリューションビジネスと現状
デジタルプロセス梶@八木 淳一 氏

これまで,10余年に渡って活動を続けてきた本部門委員会であるが,現在の日本を取り巻く社会情勢等も鑑み,平成24年度を以て,一旦,発展的解消する運びとなった.これまで本部門委員会の活動に御尽力いただいた部門委員の皆様方に,この場を借りて厚く御礼申し上げる次第である.

ナノ材料部門委員会

近年のナノテクノロジーの進展にともない,ナノスケール領域における材料の特性に関する情報の必要性とともに,ナノスケールレベルにおいて活用され得る新しい材料の開発に対する要求が急速に高まっている.これらのニーズに応えるべく,ナノスケール分析を核とし,有機・無機・高分子化学,機械工学,金属工学および物質情報工学を中心に,ナノをキーワードとする材料に関する総合的な研究を推進することを目標として,2003 年(平成15 年)2 月に本部門委員会が設立された.本委員会は,本学会員に広く門戸を開放し,ナノ材料全般にわたる最新の情報収集・情報交換の場を提供しようとするもので,関心ある研究者・技術者の参加を期待している.
2012 年度(平成24 年度)の委員会活動は以下の通りである.

1. 部門委員会
1) 2012 年度第1 回(通算第20 回)
ナノ材料部門委員会講演会(2012 年8 月3 日,京都大学桂キャンパス)
「ナノスケール化を目指した超小型試料前処理デバイスの開発」
齊戸美弘(豊橋技術科学大学・工学研究科)
2) 2012 年度第2 回(通算第21 回)
ナノ材料部門委員会講演会(2012 年11 月26 日,京都大学桂キャンパス)
「ナノバイオ分析への応用を目指した簡易操作型電気泳動チップの開発」
北川文彦(弘前大学・理工学研究科)
3) 2012 年度第3 回(通算第22 回)
ナノ材料部門委員会講演会(2013 年2 月7 日,京都大学桂キャンパス)
「バイオロバストネスとシステムバイオロジー研究のためのマイクロ流体デバイス」
内藤豊裕(名古屋大学・工学研究科)
2. 日本材料学会第61 期学術講演会
オーガナイズドセッション「セラミック/ナノ材料の創成と評価」(セラミック材料部門委員会との共催)
2012 年5 月26 日,岡山大学津島キャンパス
セラミック/ナノ材料の創製と評価に関する一般講演(8件)が行われた.
1) 高効率イオン交換反応の実現に向けたバルク型マクロ多孔性層状腹水酸化物の作製:
◎徳留靖明(阪府大院)
樽谷直紀,高橋雅英,中西和樹(京大院)
2) 木質組織を利用したSiC セラミックス作製:
○塩野剛司(京工繊大)
星野浩志,三船有希,岡本泰則
3) 新規プロセスによるゼオライト硬化体の合成:
○松田昌人(京工繊大)
塩野剛司,岡本泰則
4) チタニア添加Y-TZP の熱的安定性と機械的性質:
◎佐々木誠(京工繊大)
塩野剛司,岡本泰則
5) SrTiO3 基板上へのFeTiO3-Fe2O3 エピタキシャル薄膜の作製:
○渡邉正治(京大院)
藤田晃司(京大)
村井俊介,田中勝久
6) キチン・キトサンナノファイバーを用いる動電クロマトグラフィー法の開発:
渡邉正登(京大)
川井隆之,○末吉健志,北川文彦(弘前大)
大塚浩二(京大)
7) 島状表面ナノ構造を有するTiN 薄膜の創製と機械的特性:
○中谷正憲(兵庫県立大)
大澤拓也,花木 聡,内田 仁
8) クレイナノコンポジットの引張および疲労特性に及ぼすクレイ分散性の影響:
○松田祐樹(山口大院)
得能圭祐,合田公一(山口大)
野田淳二
3. 第56 回日本学術会議材料工学連合講演会
オーガナイズドセッション「セラミック/ナノ材料の創製,評価と応用」(セラミック材料部門委員会と共催)
2012 年10 月29 日,京都テルサ
新規セラミック/ナノ材料の創成,セラミック/ナノ材料の特性評価に関する一般講演(8 件)が行われた.
1) ナノマテリアル固定化基板の創成:
○久保拓也(京大)
Mingdi Yan (Univ. Massachusetts Lowell)
大塚浩二(京大)
2) ステイン法によるガラスへのカリウムイオンの導入と化学強化への応用:
○三澤智博(京工繊大)
若杉 隆,角野宏平
3) 金属クラスターを内包したアゾフラーレンSc3N@C79Nの電子構造とNMR 量子コンピューターのスピン制御:
○鈴木厚志(滋賀県立大)
奥 健夫
4) 金属内包フラーレンY3N@C79N の電子構造・磁気的性質とNMR 量子コンピューターへの応用:
○中川仁史(滋賀県立大)
鈴木厚志,奥 健夫
5) 金属ナノ粒子を組み込んだ逆型有機薄膜太陽電池の作製と評価:
○西田拓司(滋賀県立大)
松本泰輔,秋山 毅,奥 健夫
6) ポリシラン系太陽電池の作製と特性評価:
○中川純也(滋賀県立大)
奥 健夫,鈴木厚志,秋山 毅,徳満勝久
山田昌宏(大阪ガスケミカル)
中村美香
7) 銅酸化物無機系太陽電池の作製と評価:
○藤本和也(滋賀県立大)
奥 建夫,秋山 毅
8) イオン交換により誘起されるガラスの分相における溶融
塩組成および温度条件の影響:
○山脇憲吾(京工繊大)
若杉 隆,角野広平
生体・医療材料部門委員会

近年,医学・医療分野と材料科学・機械工学分野を結合した学際領域の研究が大きく前進し,生体機能に関する基礎的研究から患者の治療を中心にした臨床的な応用研究まで,多くの異なる専門領域にまたがる共同研究や研究交流が積極的に展開されている.整形外科,外科,歯科など医学分野では人工の置換材が用いられることが多くなってきた.また,X線透視,CT,MRIなどを用いた低侵襲治療の普及・開発に伴うX線透過性や非磁性などを有する医療器具,車椅子などの補助・福祉機材,義手・義足などの義肢装具等,生体・医療分野においてそれぞれの要求に合った材料開発や利用技術の確立の必要性が叫ばれている.
これらの生体材料・医療材料については,比強度・比剛性に優れた材料,耐環境性に優れた材料,生体適合性に優れた材料,成形性に優れた材料など,多種多様な機能や特性が要求されるので,材料科学・医学・生物学・化学・機械工学などさまざまな分野の研究者,技術者を融合した研究開発システムの構築が不可欠となっている.また,このような分野の材料は直接人間の生命に直結するので,十分な機能と高い安全性・信頼性を保証する必要があり,そのための技術の確立,ならびにその標準化に対する要求が一段と強くなっている.
この部門委員会は,2004年4月に発足した比較的新しい委員会であり,このように「材料学」を共通の土俵にして,種々の分野の研究者・技術者が分野横断的に参集し,活発な学会活動を展開している点が本学会の一つの特徴である.現在の登録委員数は35名であり,若手の研究者を中心として活動を活発化している.
2012年度の活動は以下のとおりである.

1. 第61期学術講演会オーガナイズドセッション「生体・医療材料」
(2012年5月27日,岡山)
本セッションでは,12件の講演があった.
2. 生体・医療材料部門委員会例会(福岡大学工学部機械工学科研究施設見学会を併催)
(2012年8月27日,福岡大学(福岡))
「人工関節の術後評価」
福岡大学工学部機械工学科 森山茂章 氏
「生体軟組織の力学・材料特性評価と軟骨変性診断への応用
福岡大学材料技術研究所 大澤恭子 氏
3. 生体・医療材料部門委員会例会
(2012年12月13日,名城大学名駅サテライト(愛知))
「チタン,チタン合金の高骨伝導化表面改質」
名古屋大学エコトピア科学研究所 黒田健介 氏
「歯科修復材料の現状」
愛知学院大学大学院歯科研究科 福井壽男 氏
「脊椎のインストルメンテーション手術」
愛知医科大学整形外科 神谷光広 氏
4. 生体・医療材料部門委員会例会
(2013年3月18日,上智大学・四谷キャンパス(東京))
「表面処理・改質によるチタンの細胞適合性の向上」
工学院大学総合研究所 大家 渓 氏
「機械工学的手法を用いた細胞の操作および培養技術と医薬分野への展開」
慶應義塾大学理工学部 宮田昌悟 氏
「噴霧熱分解法による多孔質球状リン酸カルシウム粒子の調製と生体吸収性セメントへの応用」
上智大学理工学部 板谷清司 氏
また,2013年度の活動として,第62期学術講演会でのオーガナイズドセッション「生体・医療材料」と3回の部門委員会例会を予定している.特に,部門委員会例会においては,医療材料や細胞・生体組織に関する話題のみならず,福祉をテーマとした講演会や各地域の臨床研究推進機構との連携も検討しており,山口(夏)・金沢(秋)・東京(冬)での開催を企画中である.
なお,本部門委員会では,独創的な研究の奨励と若手研究者の育成を目的として,「日本材料学会 生体医療材料部門 研究奨励賞」を設け,毎年度の優秀な若手研究者を顕彰している.生体・医療材料に関わる基礎あるいは応用研究の業績を幅広く対象とし,応募者がその研究の着想や遂行に重要な役割を果たしたものであることを応募の条件としている.応募資格は,日本材料学会正会員(授賞時点)であり,2014年4月1日時点で満40歳未満の方を対象としている.詳細は,本部門の幹事委員まで問い合わされたい.

金属ガラス部門委員会

我が国では,これまで鉄鋼材料を中心とした社会基盤構造材料が多種多様な産業界の発展に多大な貢献を果たしてきた.今後さらなる産業界の持続的発展を維持するためには,超高強度材料,超長寿命材料や超軽量材料などの革新的先進構造材料の普及が必須である.現在,注目されている革新的先進材料の一つとして,我が国が最も世界的にリードし,かつ社会基盤構造材料として将来性の高い「金属ガラス」がある.金属ガラスは,その誕生から二十数年を迎えようとしているが,21世紀に最も期待される構造材料および機能材料の一つとして,全世界で基礎的および応用の両面から研究が行われている.
本部門委員会では,「金属ガラス」を実用化するために必要な材料的・機械的特性の信頼性確保のため,基礎的な機械的性質(引張り・圧縮変形,曲げ・ねじり変形,破壊靭性,疲労特性,腐食,衝撃特性など)の理解や,材料科学の分野で精力的に研究されている非晶質構造とガラス形成能に関する知見との融合を計り,金属ガラスの材料・機械的特性の体系化をはかることを目的としている.今後,本部門委員会が取り組む重点的研究課題として,以下の2つを掲げる.

(1) 金属ガラスの構造材料としての信頼性確保にむけた課題研究
(2) 金属ガラスの実用化のための課題研究

これらの研究課題の進展を目標に,本部門委員会では以下の4つの事業を展開する.

(1) 金属ガラスに関する材料・機械的特性の調査および研究
(2) 金属ガラスに関する研究討論会,見学会,シンポジウム,講演会および講習会
(3) 金属ガラスに関する研究成果の公表
(4) その他,金属ガラスに関する啓発のための事業,等

本部門委員会は,2007年1月19日に第1回委員会を開催し,本部門委員会の方針について討議し,活動を開始した.2012年度に行った活動は以下の通りである.
2012年7月27日には,第17回金属ガラス部門委員会および研究会を日本材料学会会議室にて開催した.「金属ガラス・ナノ構造部材の創製とその特性」をテーマに取り上げ,京都大学 土屋智由 准教授,東北大学 中山幸仁准教授,東北大学 和田武助教の講演が行われた.
2012年9月7日には,第61期金属ガラス部門・分子動力学部門合同委員会(第18回金属ガラス部門委員会)が大阪大学コンベンションセンターにて公開で行われた.「非晶質材料の構造と物理」をテーマに取り上げて筑波大学 宮崎州正 准教授,京都大学 山本量一教授,大阪大学 譯田真人助教,大阪大学 中村暢伴助教の講演が行われた.
2012年10月30日には,第56回日本学術会議材料工学連合会にて「金属ガラスのメタラジーとメカニクス」をテーマとしてオーガナイズドセッションを開催した(第19回金属ガラス部門委員会).東北大学金属材料研究所 横山嘉彦准教授による基調講演「アーク溶解法によける自動化−金属ガスへの応用例−」および宇部高等専門学校 徳永仁夫准教授による優秀論文賞受賞招待講演「Zr基バルク金属ガラスの引張塑性変形に関する考察」を含む7件の講演が行われ活発な議論が行われた.
2012年12月7日には,第20回金属ガラス部門委員会が日本材料学会会議室にて開催された.「金属ガラスの変形と応力状態の評価」をテーマとして取り上げ,東北大学 才田淳治准教授,東京都市大学 今福宗行教授,日本原子力研究開発機構 鈴木裕士研究副主幹,物質材料研究機構 大沼正人主席研究員,東北大学 加藤秀実准教授の講演が行われた.
2012年12月21日には,第21回金属ガラス部門委員会(講演会)・施設見学会が兵庫県立大学神戸ポートアイランドキャンパスにて行われた.見学会は粉体粉末冶金協会新機能材料分科会との共催で行われ,スーパーコンピューター「京」の施設見学を行った.その後「金属ガラスの計算科学」をテーマとして,東北大学前総長 井上明久博士,大阪大学 渋谷陽二教授の講演.
2013年3月1日には,第22回金属ガラス部門・第310回疲労部門・合同委員会を兵庫県立大学姫路書写キャンパスで開催した.講演前に研究施設見学会を実施し,その後「金属ガラスの疲労特性と評価」をテーマとして,東北大学 山浦真一准教授,宇部高等専門学校 藤田和孝教授,神戸大学 中井善一教授,立命館大学 酒井達雄特任教授の講演会が行われた.
若手研究者を対象とした優秀論文賞,優秀研究発表賞を平成22年度に創設して若手研究者の育成・活動支援を行っている.本年度の受賞者は以下の通りである.

【優秀論文賞】
・城田明典(九州大学)
「Zr70Al16Ni6Cu8バルク金属ガラスの引張・圧縮塑性変形に及ぼすひずみ速度の影響」
【優秀論文賞】
* 該当なし
【優秀研究発表賞】
* 西村正臣(信州大学)
「局所格子不安定性解析によるアモルファス金属の塑性変形挙動の検討」

本部門委員会では幅広い分野の技術者,研究者の参加を促すために研究会の門戸を開いている.本部門委員会の会員でなくても学生は無料,一般には有料で研究会の聴講が可能である.このような活動を通して金属ガラスの材料特性とメカニクスに関する議論の場を提供し,できるだけ多くの人にその問題点を明らかにして解決に向けた取り組みを促進させたいと考えている.金属ガラスの構造材料としての信頼性確保や実用化に興味がある方々の積極的な参加を期待している.本委員会への問い合わせは,事務局まで申し出ていただきたい.
金属ガラス部門委員会ホームページ: http://bmg.jsms.jp/
平成24年度の本部門委員会の運営委員は以下の通りである.

委員長 : 早乙女康典(東北大学)
幹事 庶務 : 寺島岳史(大阪大学)
幹事 編集 : 垂水竜一(大阪大学)
幹事 会計 : 永瀬丈嗣(大阪大学)
幹事 企画事業:市坪 哲(京都大学)
幹事 将来計画:向井敏司(神戸大学)
幹事 企画 : 松原英一郎(京都大学),渋谷陽二(大阪大学),東 健司(大阪府立大学),中井善一(神戸大学),屋代如月(神戸大学),藤田和孝(宇部高専),山崎 徹(兵庫県立大),才田淳治(東北大)